未来を予測する最良の方法はそれを発明することだ
未来予測が大好きな人、多いようです。楽天創業者の三木谷さんが講演で、"Just around the corner!" と叫んで、さぁ、次の角を曲がったとき何が見えるか?それをいつも考えている、と述べ、経営者は四六時中、近未来予測をしているものだ、と語りました。私も経営者の端くれながら、あまり未来予測に頼りたくない、どう転んでも確実に必要とされ、役立つ新技術を開発したい、と考えていたフシがあります。あぁ、そのせいで一流の経営者になれないのかなぁ、などと反省することもないではありませんでした。
でも、やはり、技術屋魂を正当化したくなるとき思い出すのが、アラン・ケイの標記の言葉です:
”The best way to predict the future is to invent it.”
自分の事業に関係ある、あんなこと、こんなことが、将来どうなるかと思い悩んでいてもキリがない。それくらいならば、将来役に立ち、必要となるものを発明し、技術開発して実現してしまえばいい。
技術者としての恐ろしいばかりの自信にあふれた言葉に聴こえますね。どんなに小さな発明でも(私は特許を60件位は書きましたが狭義の発明とは限りません。毎日の創意工夫も「発明」です)、それを考案し、有用性を実証してきた人ならば、アラン・ケイの上記の言葉に共感するところ大なのでは、と思います。
この言葉とともにもう一つの洒落た英語が、2001年当時の米マイクロソフト社の研究担当VPさんの学会招待講演(ACL: Association for Computational Linguistics)、
"Future: it is not what it used to be."
です。(今後考えられる)未来は、かつて、比較的容易に予測できたりした過去の未来とは違う。我々自身で形作っていく、エキサイティングでわくわくに溢れたものだ、というくらいに意訳されます。アラン・ケイの言葉と軌を一にするとも言えます。自分自身がそこまで強烈な自信をもっていなくとも語れる言葉として好感もたれるかもしれません。しかし、(当時の)マイクロソフト社の絶大な自信を背景とした言葉であることも確かです。源氏ア、BtoBカンパニーとして、世界の医療AI、医療情報処理をリードする米マイクロソフトは謙虚に地道に、現場に奉仕していますが、そのルーツでもあったような気がします。
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