コロナ禍第5波、謎の急減の原因はおそらく..
10/19 News Week記事でなぜ日本で急減?と問うて、ワクチン接種が効いているがなぜかわからない、今後も要警戒という脇田医師の見解を紹介しています:
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/10/post-97309.php
問うべきだったのは、
「なぜ同様の接種率の英国他と違って急減したか?」でしょう。
私も、日本のほうが集団免疫到達度が高い、という観察であり、その原因を考えてみました。
2020年の最初のアウトブレイク以来、1年半以上を経てようやく、そこそこの検査数(都内で一日に6000~30000件)になったとはいえ、陽性率が劇的に下がったのはごく最近のことです。第1波から15か月以上を経た今年8月、都内で6000人の陽性者が1日に出ていた五輪開催時期、陽性率は非常に高かった。実は、検査数に比して15か月間ずっと陽性率が高かったということは、検査数が1,2桁不足していて、その間、英国並みまでではなかったかもしれませんが、諸外国に準じた感染が起きていた(致死率は目に見えて低かったとしても)、と考えるのが科学的、論理的な考察です。
2020年8月には、京大上久保氏らの、2020年3月に日本人の98%が感染し集団免疫が成立という説は、松田学氏らが潔く誤りを認めずにどんどんゴールポストをずらしていったにもかかわらず、その後、約2660万回のPCR検査で172万3400人の陽性がみつかり(陽性率6.5%)、1万8290人が死亡 (現時点の https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kokunainohasseijoukyou.html) という事実だけからも完全に粉砕されています。
2020年3月に集団免疫などあり得ないという論証を私も下記note.com記事で行いました:
https://note.com/nomuran/n/n21a40d1a334e
しかし、その後、ワクチン接種率が70%と、英米の同水準になった時点から過去を振り返ってみると、昨夏、山中伸弥先生が、分化会長の尾身先生をインタビューした記事で、(検査が1,2桁少ないために)みつかっていない陽性者は、実際の陽性者の5倍なのか、10倍、20倍なのか、まったくわからない、と尾身先生が回答したのが極めて正しい推測だったと、改めて認定するしかありません。仮に真ん中の10倍をとると、実は、陽性者は(検査が増えれば陽性率が下がるので半分程度に割引して)累計1000万人程度はいた、というのが事実ではないかと思われます。そして、英国より半年ほどワクチン接種が遅れていたことから、今年6月くらいまで無防備な人々が大半は無症状で感染していた。これが、今回の急減の理由ではないでしょうか?
約70%の接種率に対して、+1000万人というのは、免疫保持率にして、+8% という大きな違いを生みます。再生産率R0 にもよりますが、この
70% vs 80%弱 の違いこそが、英国らと違って日本が集団免疫圏に入れた原因ではないでしょうか? 第5波中に猛スピードで、希望者へのワクチン接種の仕上げフェーズをこなして、その閾値を超えた、という科学的推論です。
今後、さらに感染力の高い変異株が出てくれば話は変わります。しかし、そうでなければ季節要因によらず、みなが不織布マスクを装着し、空気感染を防ぐ工夫も撤去しなければ、第6波は起きないかもしれない、と考えるようになりました。以上の大づかみの論考、みなさまはどう思われますか?
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