システム障害対応の考え方:その5:非機能要求グレード2018
システム障害対応の改善を考えていて、世の中で調べたもの、考え方で使えそうなものをご紹介いたします。
本日は未然防止や再発防止に使うものかもしれませんが、基本情報処理試験などを運営しているIPA(情報処理推進機構)が提供している「非機能要求グレード2018をご紹介します。
「レスポンス・バックアップ・信頼性でお客様と意識ずれが起きてしまった」
「改善に向けたポイントを網羅的に洗い出したい」
という方にお勧めです!
約200項目あたる非機能要求の項目が一覧化されており、漏れなく意識合わせ・検討がやりきれます。
解決する課題は?
システム開発をする際に、お客様と会話をしている中で、自社サービスを開発する中でもちろん「機能要求」が中心に話が進むと思っています。
もちろん機能要求は大事ですが、実際にお客様が使われるシーン、保守運用をするシーンを考えると「非機能要求」がどうなっているかが気になってしまいます。
項目が多くて決めるのが大変
よくある課題としては「非機能を決めるのも大事なのはわかるけど、そんな時間かけてられないよ!」という課題。
特にこういうものは1つ1つ決めていくと膨大な数になりがち、、、
この非機能要求グレードの良いところは1つ目は「モデルシステム」と言われるテンプレートがあること!
ひとまずモデルシステムのうちどれかを選択して、特に重要な点だけは全員で議論をして、それ以外はデフォルトに任せれば、そんなにクリティカルな状態にはならなず、困った時にはベースとなるよりどころができて、社内で会話をするとスムーズに決められます。
運用・移行などが漏れる
私もどちらかというと運用改善をしていることが多いのですが、開発PJが始まると、元営業の企画担当と、元保守の開発担当がついて開発が始まって、要件定義が始まるのですが、サービス後の運用・移行などが漏れる(というか会話されない)のがあるあるでして、、、なかなか運用・移行って議論にあがらず、リリースギリギリで話初めて、リリースに向けて忙しくて、暫定運用という名の人力でなんとかするパターンになりがち、、、
この非機能要求グレードの良いところは2つ目は「レスポンスや限界値だけじゃなくて、運用・移行」も項目にあること!
要件定義工程で、この非機能要求グレードを元に大事なポイントだけでも議論にあげると、事前に運用・移行などのイメージを持った上で、企画担当・開発担当も機能要件に反映してくれます!
彼らも悪気があって排除しているわけではなくイメージが持ててないだけなことが多いので、是非早い段階でインプットしてあげることで後の工程がスムーズになります。
非機能要求グレードとは?
というもので、私が説明する余地がないぐらい丁寧に解説・活用方法の説明がなされています。
6. 活用シート…グレードと項目一覧をまとめたもので、プロジェクトに応じてカスタマイズ可 を見ると、200項目あって面食らうかもしれませんが、何も全部使う必要がないので、利用ガイドを斜め読みしつつ、項目の中で「モデルシステム」選択と、特に大事だなと思う何項目かを話すだけでも、PJのクリティカルな部分を事前に決められると思います。