8月15日の日記「机上の正論、ゲーム上の論破」
めちゃめちゃ暑くなかったか!? うちのエアコンは温度調整ができず、「自動」に全てを託すしかないのだが、全然歯が立たなかった。半裸になり、扇風機もつけて、それでも汗ばむ。目覚まし時計の温度計は30度を超えており、まあコイツの本職はそれじゃないよなとは思いつつも、その数字を信用してしまいそうになる暑さではあった。やれやれ、エアコン君の意思を尊重してやった結果がこれですか。やっぱり、人間様の命令が必要ですね。まだまだAIが人類を上回る日は遠いと感じた。……が、今の俺の部屋の温度はエアコン君の塩梅にかかっていると考えると、僕の命は彼の掌の上にあると言っても過言ではない。余裕で支配されてんじゃないスか。とりあえずこれからはエアコンさんと呼ばせていただきます。
漫画喫茶に行った。昨日の日記で言った通り、『テニスの王子様』『BE BLUES』『湯神くんには友達がいない』など、既に読んだことのある漫画を周回していた。新しい漫画も読みたいなーと思いつつ、ピンとくるものがなくて棚の前をしばらくうろつき、最終的に勝手知ったる作品を手に取ってしまう。なんか、コンビニで昼飯を選んでいる時と同じ気分。
https://www.amazon.co.jp/ミステリと言う勿れ-1-フラワーコミックスアルファ-田村-由美/dp/4098700298
それでも一個は新たな地平を開拓しようと(地平の数詞って個で合ってるのか?)、マンガ大賞のコーナーにあった『ミステリと言う勿れ』を読んだ。僕のミステリ作品の楽しみ方は、僕自身が謎を解くことではなく、主人公が謎を解いていく様を楽しむことだ。……てか、僕に謎を解く気概も能力もないので、そうする他ない。バスジャック事件に関しては、乗客の中に犯人側のヤツがいるだろうなーとは思ったけれど、これは推理じゃなくメタ読みだな。
主人公・久能整(くのうととのう)はよく考え、よく喋る。彼の発言は固定概念に縛られない、論理的かつ道徳的(に聞こえる)なものだ。周囲の人間は彼の言葉に反発したり、共感したり、嫌悪したり、説き伏せられたりと、反応は色々だけど、いずれにせよ「正しさ」は彼の方にある、という描き方をされている。それが気持ちよくもあり、気持ち悪くもあった。すごい嫌な言い方をすると、「Twitterでウケそうな思想だなー」と思う。「なぜ人を殺してはいけないのか」とか「女の幸せは男が定義したものではないか」とか。別にその考え自体を否定するわけじゃなく、むしろ正しいとは思うんだけど、その正論を言ったもん勝ちになるのは嫌だなって思う。その正論をどう現実に反映させるのか、が肝要なわけだし。
てか、その正論が本当に正しいかどうかも、判断難しいしな。「反論ないなら俺の勝ちだが?」じゃないけど、相手が返答に窮したはそれはもう正論、みたいな風潮がある気がする。けれど、本当の意味での正しさは、個人の思考で到達できるほど容易なものではない。いろんな人のいろんな考えを積み重ねた上で、やっと証明されるものじゃない? 世間一般でいう正論や論破は、あくまで議論をその場限りのゲームとして捉えた場合の正しさだ。それはそれで楽しむのはアリだけど、本質的な意味での正しさとは切り分けて考えたいな。
……なんかすごい批判めいちゃったけど、作品はあくまでフィクションとして非常に楽しめたし、「正しさとはなんぞや?」という、僕みたいな矮小な個人が考えつくような理屈くらい、ちゃんと分かった上で書かれてるんだろうな。……あと、最近の自分の生活と照らし合わせても思うのは、整みたいに思考と言語化をスムーズに行えるのは、とんでもないスキルだと思う。ある意味、殺人事件よりもフィクション寄りに感じた。
漫喫でカルビ丼のお茶漬けバージョンを注文したが、届いたのは普通のカルビ丼だった。「まあ、いいか……」と一瞬思いそうになった自分をグーパンし、「あの、すみません。自分が頼んだの、お茶漬けだった気がするんスけど……」とめちゃめちゃ下手から申し立てをする。店員さんはすぐに恐縮した様子で、取り替えに戻ってくれた。勇気を出して言えて偉いぞ、俺よ! ……あのカルビ丼、捨てられちゃったのかなぁ。それに出汁をぶっかけてくれりゃあいいんだけなんだが。
ちなみに茶漬けの感想は、出汁のせいで米がだいぶ膨らんだのがやだったので、普通に丼で良かった。
ドリンクバーのモゥモゥコーヒー(正確な表記わからん)、アイスコーヒーにちょうどよくミルクとシロップを投入した味がしてうまい。ちなみに俺のちょうどよくはだいぶ甘いので、もし飲もうという方がいればお気をつけください。