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8月9日の日記「打ちひしぐ側の物語」

 ゴーゴーカレーを食す。昼は食欲なくてフルーツサンドイッチしか食べなかったのにね。自分の体の仕組みが、まったくわからんぜよ。

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 「カレールーは黒ければ黒いほど良い」という持論があるので、ゴーゴーカレーはとても旨そうに見える。そして、実際に旨い。しかし、味のジャンク感がものすごいので、ただ旨いという言葉で括るのはちょっと抵抗がある。

 カツの肉は薄くへにゃっとしていて、衣は分厚い。これは文句ではなく、むしろ自分の好みですらある。変に肉がしっかりしているよりも、柔らかくて衣がサクサクしている方が、キッズ舌の自分には嬉しい。……でも、一回高級なトンカツは食べてみたいな。僕のMAXトンカツはやよい軒のトンカツ定食だから。

 そして、特筆すべきはキャベツだ。カレーにキャベツって、ここ以外で見たことないぞ。ゴーゴーカレー側も自らのカレーのジャンクさを理解して、山盛りキャベツで中和しようとしてるのだろうか。でも、結局卓上のマヨネーズをぶっかけて食べちゃうからなぁ。むしろ、体に悪いような気がしてしまう。

 健康に悪そうな食べ物は美味い、というのは真理ではあるけれど、それが「悪そう」で終わらず、普通に心身にダメージを食うようになってきた。しかしこの時期は特に、「美味そう!」って思えるものにしか手が伸びないので、ジレンマだ。「美味そう」と「健康」を両立できるのは、マジでフルーツしかないかもしれん。フルーツしか勝たん。桃とか買っちゃおうかしら。



 『忘却バッテリー』を読んだ。面白い。が、野球そのものの面白さを描く漫画というよりは、野球を通してキャラクターの人間模様を描く漫画、という印象。それぞれのキャラクターがバッチリ立っているしね。キャラの強さで押していく、ジャンプっぽいスポーツ漫画に感じた。

 でも、この作品のテーマである(ように思われる)「より優れた才能との邂逅」は、他のジャンプのスポーツ漫画よりもかなり重めに語られていると思う。『アイシールド21』では、「勤勉な天才に、凡人はどうやったら敵うっていうんだ」と、天才に出会い挫折した人間の葛藤が、強烈に描かれている(正確に言えば、桜庭の心は折れてはいないけれど)。『忘却バッテリー』でも、他者の才能に打ちひしがれたキャラクターが数多く登場する。でも、強豪校のベンチ入りできなかった選手の、心が壊れていくまでの様子をまるまる1話かけて描いていたのはびっくりしたな。本誌でやったらアンケート絶対取れなさそう。でも、この作品においてはとても大事な1話なんだろうな。

 ……しかぁし! どうやらこの作品の真の鍵となるのは、「心折られた側」ではなく、「心を折ってしまった側」らしい。それに気づいた時、「いかないですねぇ……一筋縄では(倒置)」と思い、この作品が一段と面白くなった。勝者の罪悪感まで拾い上げ出したら、こんなもんもう文学じゃん。野球漫画とはまた違ったジャンルの漫画として、『忘却バッテリー』を楽しんでいきたいですね。

 

 てかジャンププラス、読む漫画めちゃめちゃあるな……。もしかして、本誌よりもあるか? 他のWeb漫画にも、更新した瞬間に読みにいくようなお気に入りは結構あるし。媒体としてだけじゃなく、作品そのものの質としても、Web漫画は全盛期を更新し続けている。ただ、どうしても無料で読んでしまいがちなので、そこらへんはちゃんとお金落とさないと駄目ですね……。



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