Stable Diffusion web UI(Mac)

前書き


Stable Diffusion web UIで生成したイラスト

Stable Diffusion web UIとは、平たく言うと「イラスト生成AI」の事である。当方、マンガやイラストを描くがイラストAIの研究と、あわよくばマンガの背景をAIに描かせる事ができないかな〜と思い実際に使ってみることにした。
イラストAIは何種類もある。
「Wondershare Filmora12」が手軽にインストール出来ると評判だったのでためしてみたが、なんか知らんけどMac版ではイラストAI機能が実装されていない(元々は動画編集ソフト)
Windows版でも無料で利用できる範囲は制限が多く、今ひとつ購入にふみきれなかった。そこで先人にたずねてみた所、Stable Diffusion web UIを紹介された。このAI、少々癖があるのだがインストールから使い方のコツなど多くの記事が存在する。しかし、Macで運用するためのポイントがほぼなかった。その辺の補足情報を備忘録的に書き留めて置くのと、同じように「Macはどーすりゃいいの」と悩む人の一助になれば幸いです。

Stable Diffusion web UIとは

Stable Diffusion web UIインターフェース

まず、このソフトは普通のソフトではない。何がどう違うかと言うと…ややテクニカルな話になるが、基礎知識として聞いていただきたい。
普通のソフトウェアはPCにインストールして、起動用のアイコンをクリックしてソフトを起動させてから使用する。
またはブラウザからインターネットを介して使用する。
大別するとこの2種類であろう。
Stable DiffusionもWEB版があるらしいが、有料だったか制限が多いらしい。自分のPCにインストールしてやれば、無制限に利用できる。しかし、この場合は「PCにインストール」しつつも「ブラウザから利用する」という、先の2種類の間の子のようなソフトとなり、その為通常では無いアプリへの理解が必要となる。
ナニイッテンダと思うかもしれないが…この辺の理解がないと運用は難しいのでご理解いただきたい。
なお、この点においてはWindowsもMacも同じである。

PCスペック

インストールする前にPCにはある程度のスペックが求められる。そんな記事もあったので探してみていただきたい。
私の環境は、Mac Book AirでCPUはM2、メモリ16GB、HDDは1TBである。
これでまぁ、実用に耐える速度で動いている。メモリ16GBはたぶん最低ランクで、HDDは最低512GB…あればあるだけ困らないと思う。

インストール

Stable Diffusion web UIのインストールは普通とは異なる。
Windowsでいうコマンドプロンプト、Macでいうターミナルからインストールを実行する。
また、Macでは「Homebrew」というソフトを事前にインストールしておく必要がある。詳しくは下記サイトを参考にしていただきたい。

その上でターミナルから下記コマンドを実行する。

brew install cmake protobuf rust python@3.10 git wget

内容はよくわからなくてもよい。ターミナルに文字がだ〜と流れるが気にしてはいけない。動きが止まったら次。

git clone https://github.com/AUTOMATIC1111/stable-diffusion-webui

こっちは結構時間がかかったと記憶している。この2つが止まったらインストールは完了である。

起動

Stable Diffusion web UIは普通のソフトと異なり、インストールしても起動用のアイコンなどは存在しない。ソフトの起動もターミナルから実行するのである。

cd stable-diffusion-webui
./webui.sh

コレが起動用のコマンド。2行同時ではなく、1行ずつ実行する事。
パソコンやらサーバやらプログラムに詳しい方は気づくと思うが、コレいわゆるLinuxコマンドというやつである。具体的にいうと
「stable-diffusion-webui」というディレクトリに移動して「webui.sh」というシェルスクリプトを叩いている。
一応書いておくと

stable-diffusion-webui/webui.sh

では起動しない。あくまでcdで移動してからシェルスクリプトを実行しなければならないようだ。

ターミナル

起動するとターミナルはこんな感じの画面で動きを止める。が、気にしなくて良い。それで正常である。
ターミナル中の「Running on local URL: http://127.0.0.1:7860」…この「http://127.0.0.1:7860」の部分(ローカルURLというやつで、おそらく皆同じだと思うが一応確認していただきたい)をコピーしてブラウザのURL欄にペーストする。

こんな画面が表示されれば起動した事になる。
適当なプロンプトを入力し、画像が生成されれば正常に動いていることになる。

詳しい使い方は「Stable Diffusion web UI 使い方」などで検索して調べていただきたい。MacでもWindowsでも使用方法は同じである。
なお、ターミナルはそのままにしておかないといけない。
逆に言うと終了する時はターミナルを閉じれば良い。PCの再起動などでターミナルが終了した場合はStable Diffusion web UIも終了する。
またはターミナル上で「control」+「c」で終了する事ができる。

日本語化

Stable Diffusion web UIは全部英語である。が、日本語化可能。まぁ、日本語化したからと言ってもそれほどメリットはありませんが。

上記サイトの「日本語化のやり方」などを参考にしてください。

モデルのインストール

本項目が本記事最大の目的です。
「モデル」が何たるかは適当にググっていただければ良いとして。ダウンロードした「モデル」データを指定のフォルダ(ディレクトリ)以下に移動させれば「モデルのインストールは完了」なのですが…
Windowsでは超簡単な話なのですが、Macではコレが簡単ではない!のです。Windowsでいう「ウィンド」、またはエキスプローラーはMacでは「Finder」というのですが、コイツではそもそも「Stable Diffusion」の存在すら確認できないのです!
…まぁ、細かい事は省きます。
とあるモデルをダウンロードし、そのファイルが「Downloads」内にあるとします。
Downloads/CounterfeitV30_v30.safetensors
これを
stable-diffusion-webui/models/Stable-diffusion/
内に移動させればインストール完了です。移動させるにはターミナルで以下のコマンドを叩きます。

mv Downloads/CounterfeitV30_v30.safetensors stable-diffusion-webui/models/Stable-diffusion/

Downloads/CounterfeitV30_v30.safetensors
のディレクトリ、ファイル名は環境やモデルによって異なりますので、必要に合わせて書き換えるようにしてください。

モデルインストール後、Stable Diffusion web UIを起動させ、画面左上「チェックポイント」のselect内にモデルが増えていれば成功です。

iPhoneやiPadでStable Diffusion web UIは動くのか?

試してませんのでハッキリとした事は言えませんが、iPhoneや通常のiPadではスペック不足な気がします。iPad proの上位モデルならあるいは。
その場合でもターミナルを操作できるアプリが必要になります。

アンインストール

最後にアンインストールについて。いわゆるバルスコマンドです。
ターミナルで以下のコマンドを叩きます。

rm -rf stable-diffusion-webui/

これで(確認もなしで)全部消えます。
同じくターミナルで
ls
とだけ入力・実行し「stable-diffusion-webui」の文字列が表示されていなければ成功です。

あとHomebrewは消さなくても良いような気がしますが、どうしても消したいのなら下記の通りです。

rm -rf /opt/homebrew/

こちらは
ls /opt/
で「homebrew」が表示されなければ成功です。

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