当たり前の基準を上げる。入社半年で実施したセールスイネーブルメントの取り組み(前編)
DIGGLE株式会社のVP of Salesの野村です。
DIGGLEに入社して約半年で経った私がなぜDIGGLEという会社に転職したのか、そして入ってからセールス組織として取り組んだセールスイネーブルメントについて話していきたいと思います。
自己紹介と経歴
新卒でキーエンスに入社し9年間エンタープライズ営業を行いました。
自分の営業力の基礎を作ってくれた会社で1社目がキーエンスでよかったと心から思っています。データドリブンで細かすぎるほどのデータを蓄積し、そのデータをもとに仮説検証し、実行を徹底していくカルチャーを学べたのが一番大きかったです。
その後、Sansanを経てSALESCOREに入社しました。業務委託から始まり、正社員一人目で入ったSALESCOREは自分のキャリアの中で大きな転換点となりました。営業組織コンサルティング事業部の事業責任者を経験後、セールステックのSaaS事業を立ち上げ、Revenue責任者としてTHE MODEL組織構築を行い、マーケ、IS、FS、CS全体を見ながらグロースできた経験はキャリアの中でも一番幅が広がったと思います。
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そんな中でより市場の大きいところでチャレンジしたいという気持ちが高まってきており転職をすることに決めました。
DIGGLEを選んだ理由
SaaS企業を中心に今回たくさんメッセージやご紹介を頂くなかでなぜ私がDIGGLEに決めたのかを書いていきます。
1.市場の大きさとプロダクトの将来性
今回転職活動で様々なスタートアップの経営陣と話させて頂いたのですがその中で市場の伸びやTAMについてかなり質問させてもらいました。
その中でもDIGGLEの代表の山本と話をしていく中でDIGGLEの予実管理の市場は圧倒的にTAMが大きいというのをすごく感じました。
海外ではすでに巨大なSaaS企業がありますがここから日本でもこの波が来るという感覚はありました。(このあたりはDNX Venturesの倉林さんやArchetype Venturesの北原さんにも何度かご相談をさせて頂き本当に感謝しています)
そして自分がSALESCORE時代、事業責任者としてPLや事業計画の策定などをしているときに数十人規模の小さい企業でさえスプレッドシートでやるのがこんなに大変なんだから大手になればなるほど絶対SaaSが必要になるよな・・・と思っていたのも大きかったです。
DIGGLEは予算策定や予実突合、見込み管理などができるSaaSですがただ単にExcelやスプレッドシートを置き換えるだけではないというのも惹かれた点の一つです。
経営の意思決定に大きく関わり、事業部側を巻き込みながら企業の成長に寄与できる数少ないプロダクトだと感じました。
この市場の大きさとDIGGLEのプロダクトであれば絶対に伸ばしていけると確信を持つことができました。
ちなみに下記が最近完成したDIGGLEの紹介ムービーです。
2.自分がコアメンバーとして事業を作れるフェーズ
DIGGLEはPMFを達成しているフェーズではあるがまだまだ組織としては小さく50人に満たない規模であり自分が事業の方向性に大きく関われるというのも理由の一つです。自分としてこの事業を伸ばした、組織を作ったという1→10の経験をできるというのが魅力的でした。
実際入社して自分の意思決定が事業や会社の方向性に影響を与えているというのをダイナミックに感じておりプレッシャーもありつつ楽しんでいます。
3.経営陣の魅力とカルチャー
実は3年前にYOUTRUST経由で代表の山本から声をかけられていてそのときにCTOの水上、COOの荻原とも話したのですがそのときは当時の事業を伸ばしていくことに必死だったのでお断りしました。
ただそのときも全員誠実で愚直に事業を伸ばしていく人たちだなと思いめちゃくちゃ素敵な企業だなと思っていました。とはいえ断ったし関係は切れてしまうだろうなと思っていたのですが、代表の山本が3ヶ月に一回ぐらい定期的に連絡をくれ、飲みにいって営業相談をしていただいたり私が事業相談したりしていていつかこの人と一緒に働きたいと思うようになりました。
またDIGGLEには4つのバリューがあります。
改めて今回経営陣と話したときにこのバリューを自身で積極的に体現していると感じまた自分にすごく合うなと感じました。
キラキラスタートアップもよいけど落ち着いて着実に事業を伸ばしていくような大人のスタートアップというイメージがすごく居心地がよかったです。
DIGGLEに入ってこの半年で実施した5つの取り組み
最初はCEO室として配属され、2ヶ月後にVP of Salesとして営業組織をマネジメントすることになりました。
まず入って思ったのは想像以上にニーズやペインがあるということです。さまざまな顧客と話していく中でExcelやスプレッドシートで疲弊している、本質的な経営の意思決定をするのに時間がかかっていたり精度が良くない状態になっているなどDIGGLEが解決できる余地は非常に大きいなと改めて思いました。
その環境の中でまずこの半年でセールスイネーブルメント領域で私が実施したことを書いていきます。
①プロダクトと組織の理解(前提)
当たり前ですがまずは自分自身がプロダクトや市場をしっかりと理解すること。ここはオンボーディングコンテンツが充実していたのでキャッチアップがかなりしやすかったです。また私が最初に時間をつかってやったのがセールス時の動画の視聴です。幸いなことにDIGGLEはamptalkを導入していたので動画を取る文化ができており、これを1日に数本、毎日1.5倍速で見ていました。
この目的は2つあり、
まずプロダクトや市場のキャッチアップをする
メンバーごとの得意、不得意や傾向をつかむ
自分の知識を蓄積するのと今後の営業戦略においてどういう点を強化していったらいいのかを同時にできたのはよかったです。
個人的にナレッジ系はすべて動画に残しておくのが重要だと思っているので今も営業組織としてナレッジはテキストと動画両方で体系化していっています。
また個人的にオススメなのはCSの動画を見ることです。顧客が何に期待しているのか具体的な運用のネックはどこにあるのかなどが理解できるとセールスのときの提案にめちゃくちゃ活きます。
そして日報を独自につけていました。やっている人も多いかもしれませんがこれをSlackで毎日投稿することで誰かしらが反応してくれたり疑問点に答えてくれるのですごくおすすめです。私は下記の内容を書いていました。
また営業組織の各メンバーと1on1を行い、下記の項目を中心に組織や個人の課題感を抽出していきました。
このあたりの1on1は中途で入ると実施することは多いと思いますが、実際にここで個人ごとに出てきた改善点が組織として共通の課題になっていることも多かったため、後に出てくる施策に活かすことができたのはよかったです。
②チーム体制の変更
私が入る前までは1チームでセールスをしていたのですがそれを役割ごとにチームを作りました。EnterpriseとMid Marketにわけることでアポ獲得の手法や提案の進め方においてより最適化できるような体制に変更。このタイミングで分けたことが今となって成果がでてきているのでよかったです。そして今もさらにチームを増やしておりうまく機能するような形になってきています。
特にEnterpriseに関しては成果が出るまでに時間がかかります。ターゲティング、アプローチ方法、組織体制の構築などを行い、今もガンガンPDCA回しています。Enterpriseに関してはアウトバウンドで狙った企業や役職者にどうアプローチしてどう提案内容を練り上げていくかが非常に重要なのでここはEnterpriseチームで試行錯誤しながらブラッシュアップしています。
③SFAの項目の改善とKPIの可視化
ここは自分が比較的得意なところだったので早々に取りかかりました。メンバーごとのフェーズの遷移率や目標達成率などHubSpotでの一定は見れていたもののスプレッドシートを並行で運用している状態でした。
ここをより各施策やメンバーごとのボトルネックと打ち手を明確するため、SALESCOREを使いメンバーごと、規模ごと、リードソース、業種ごとなど様々な切り口でKPIを可視化しました。加えてリード→MQL→初回商談→各商談フェーズ→成約の遷移率も上記切り口ごとに可視化しました。
また案件をより細かく分析できるようにSFAに受注、失注理由項目を詳細にしたり各フェーズごとに抑えるべき項目を選択肢で取れるようにしました。
これは案件レビューをするときにかなり重宝しますし、時系列で分析するときにも役に立つので早めにやっておいてよかったと感じています。
④セールスコンテンツの拡充
営業組織として再現性を出すためにコンテンツは非常に有効な武器になります。特に即効性のあるものから手をつけ、下記コンテンツなどを増加させました。
この中のいくつかの資料はかなり顧客に響くものが出てきています。コンテンツは常に改善していく必要があるので今もここは取り組み続けています。
⑤会議体の変更とアジェンダの修正
営業はいかに早くPDCAを回せるかが重要だと思っており、そのためには会議体の頻度と中身が大事です。
まず毎日KPIやナレッジ共有、施策の進捗などを行えるように夕会を行い目標に対しての進捗と改善していくことを共有するようにしました。文化を作るために地味にめちゃくちゃ大事だと思っているのでこれは毎日やっています。
また週次のセールス定例も定性的な案件報告だけではなく定量面の分析や全体の施策の進捗の度合いなども可視化するようにしました。
日次、週次、月次、四半期でそれぞれの粒度で振り返ることでよりアクションに落とし込むことができ組織が強くなります。
加えて失注振り返り会も全員で毎月やっています。「もし初回面談に戻れるならアクションをどう変えるか」というのを一定のフェーズ以上の案件はすべて振り返っています。
上記の5つの取り組みが功を奏し、各メンバーが成果を出すためにやりきってくれたことで直近のQで過去最高の受注数と新規MRRを創出することができました。
とはいえまだまだセールスイネーブルメントとしては基礎の基礎です。まずは戦略を実行できる組織、実行できない組織に書いてある第1〜4の規律を素直に実行したところです。
いくら綺麗な営業戦略を立てたり、SFAの構築、KPIの設定をしたとしてもセールスメンバーの意識や行動が変わらないと意味がありません。
そういう意味で私は仕組みは不完全でもいいからまずメンバーのアクションが実際に変わっているかをウォッチし、変わっていない部分があれば都度伝えていくということをやっています。その結果当たり前の基準が上がります。
終わりに
読んでいただきありがとうございました!
以上がDIGGLEの営業組織として直近やったことです。次回のnoteでは今後やっていくべきセールスイネーブルメントの取り組みについて書きます。
DIGGLEを再現性の高い営業組織にするためにやれることはまだまだたくさんあります。そのために全力を尽くしていきますがまだまだリソースが足りません。
セールス、IS、プリセールス、セールスイネーブルメント室など各職種募集しているので一緒にセールス組織を作っていただける方お待ちしております!
カジュアル面談
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