百貨店。

　歯医者の後、百貨店に行った。北海道展に行くためだ。
　百貨店の北海道展は、海の幸から、肉、チーズ、パンにスイーツなど、北海道にある店の美味しいグルメがたくさん出展するイベントである。

　百貨店は平日の夕方前にも関わらず多くの人で賑わっていた。日本人だけではなく海外からの観光客も多くいた。日本が不況だとは思えない。
　自分が行く前の週末、母親が先に北海道展に行ったのだが、レジに並んでいる人が多すぎて物を買うことを断念したらしい。
　平日だからといって人が少ないとは限らないので会場に急いだ。

　会場に着くとやっぱり人がいっぱいいた。でも、買うことを断念するほどではなかった。一安心。
　おつかいで頼まれたものと自分で選んだもの、合わせて5000円以内で買うという指令だったので、値段を見て計算しながらカゴに入れていく。

　今回の北海道展では、スイーツのスペースと肉や魚など他のグルメのスペースが分かれていた。
　おつかいで頼まれたものは全部スイーツコーナーにあったのでとりあえずカゴに入れ、あとそのお使いで頼まれたものと同じシリーズの別の味のものをカゴに入れレジに並んだ。
　スイーツコーナーは店ごとのレジではなく、そのコーナー全体のレジがあり、そこがすごく並んでいた。実際並んでみたら10台くらいレジがあったので列はスムーズに進み、順調に買うことができた。

　問題は他のグルメだ。店と商品の種類が多すぎる。
　めちゃくちゃ迷う。優柔不断には疲れる。
　とりあえず一周してみる。パン、プリン、海鮮、ジンギスカン。
　買うものが決まらない。
　とりあえずもう一周してみる。決まらない。
　とりあえずもう一周してみる。決まらない。…
　そんなに買いたいものがあったら無理して買わなくてもいいのだけれど、せっかくきたしまだ予算も残っているので何か買いたい。

　と、ここで初めて会場のマップを見る。店の位置や名前だけでなく、どんな商品が売られているか簡単にわかる。歩き回るより楽で、いろいろ情報が整理できる。先に見ておけばよかった。

　マップを見ながら何を買うか考え、決めた店に向かった。
　店に向かうと、主婦が店員に商品を売り込まれている。少し離れて別の商品を見つつ、その会話が終わるのを見計らってもう一度店に向かった。
　店に行ったら自分も商品売り込まれるかなーと思いつつ商品を見る。でも別に店員さんは特に話しかけてこない。
　グルメコーナーは店ごとにレジがある。なので、自分から話しかけ少々の質問をしたあと商品を購入した。
　また別の担保でも一つ商品を購入した。
　結構な時間をかけたのに２つしか商品を買わなかったし、その２つを買っただけで予算を超えてしまった。百貨店怖い。

　出口に向かいながら、自分もあの主婦みたいに商品売り込まれたかったなーと思っていた。だけど、４周もして少ししか商品買わない男に売り込まんわなとも思った。結局自分で決めた店に向かい、大まかな計算をしながら商品を買うので、別に売り込まれても買わないんですけどね。