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クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

2022年の冬に発表されたノモスの新作。およそ10ヵ月待ちでようやく入荷しました。昨今の、世界的な材料費の高騰やドイツの技術者不足から、ノモスを始めとするドイツ製品の流通が滞っている状況が続いております。現在店頭に無いアイテムに関しては、3ヵ月~12ヵ月の納期を目安として頂いております。ご検討頂いているお客様には大変ご迷惑をお掛けしております。

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

さて、ノモスの代表的なシリーズ『タンジェント』や『オリオン』とは明らかにテイストの違う今回のアイテム。丸みを帯びたケースやスポーティなステンレスブレス。そしてサンバースト加工の金属系ダイアルは、ノモスの新しいチャレンジと言っても過言ではありません

ノモスグラスヒュッテ・タンジェント35

ノモスのダイアルと言えばガルバナイズド(亜鉛めっき)加工。若干のアイボリーテイストを含んだ落ち着いた雰囲気が特徴となっています。車体などに使われるガルバナイズド加工は腐食や変色に強く、また、程良く光を吸収してくれるため、まるでキャンバスに描いた絵の様に針やインデックスを際立たせてくれます。
この従来のノモスのガルバナイズド加工ダイアルは、金属系のダイアルと比べると光沢を出しづらく、全体的な華やかなテイストは表現できないと言う面もございます。
っと言っても「ノモスには華やかさは不要」と個人的に思っていましたので、今回のサンバーストのダイアルに対して「実際どうなんだろう?」と実機を見るまでは疑問に思っておりました。

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

この新しいダイアルを見て率直に「やはりノモスは一味違う」と感じました。中央から太陽光の様にラインを描いたサンバースト加工は、スイスを中心とする一般的な時計メーカーでは特に珍しい仕様ではありません。先述した通りノモスでは例外的なダイアルなのですが、まるで得意分野であるかの如く上手に仕上げられています。
サンバーストと対照的にスモールセコンドにはレコードパターンを採用。光の加減によって実に多様な顔を見せてくれます。明るめのポーラブルーカラーの上でもハッキリとメリハリのある太めのインデックスと針。華やかな金属系ダイアルに有りがちな『視認性の低下』もしっかりと工夫されていて、バウハウスの影響を色濃く残すノモスの機能美を、しっかりと表現しているのが分かります。

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

更に37mmと言うケースサイズもノモスの新たなチャレンジです。既存のクラブキャンパスは38mmと36mm、ポーラーの前に発売された同じ金属系ダイアルのクラブスポーツデイトは42mmでした。タンジェントやオリオンのサイズも35mm、37.5mmがメインと考えると、今回の37mm。微妙なサイズ調整ではありますが、そこにノモスの『貪欲な拘り』が感じ取れます。素人目線に「既存の38mmで作ればコストも抑えられるのに」と思うのですが・・・ホント凄いですよね。結果この1mmが大きな変化をもたらしました。

海外のサイトでは同サイズのロレックスのオイスターパーペチュアルやエクスプローラーと比較されている記事をよく見ますが、正直負けてないと・・・皆様はどう思われるでしょうか?

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

ケースの厚みは8.4mmと極薄な仕上がり。ここは全力で「ノモスらしい!」と言わせてください。
カレンダーはあえて省かれており、全体的なダイアルのバランスも整っています。

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

搭載されている機械はノモスが誇る自社製自動巻きムーブメント『DUW3001』。ムーブメントの高さは僅か3.2mm(切手8枚分?)と、高精度、高耐久性を誇るグラスヒュッテを代表するムーブメントの一つとして歴史に名を遺す事でしょう。
パワーリザーブは43時間。昨今の80時間や120時間のロングリザーブは、使用する頻度の高い実用機としてはその恩恵は乏しく、フル巻きの状態で最高の精度を保つと考えると、やはり40時間程度のリザーブが好ましいと考えています。
精度は実測で+3秒/日程度(ダイアルが上の体勢)。もちろん姿勢差や温度差でも変化しますがこの数値は素晴らしいですね。

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

200メーターの防水機能は高温多湿な日本の夏にも十分耐えうるスペック。また、ブルーの発光が暗闇での視認性も保ってくれます。季節や天候、時刻を気にせず24時間365日使える実用時計と言えますね。
個人的に最高の実用時計はロレックスと考えていますが、それに負けないスペックとデザインを有したタイムピースだと思います。

ノモスグラスヒュッテ・クラブスポーツ・ネオマティック37・ポーラー

ビジネスシーンはもちろん、あらゆる場面で活躍できる腕時計です。
因みにこのタイムピース、特に限定品とかでは無いのですが、先述した理由もあり、現在日本国内に有る本数は数本程度。図らずして希少品となっております。(この1本が売れてしまえば次の入荷は数か月待ち⁉)

いかがでしたでしょうか。今までノモスの魅力を語ってきた当ブログですが、今回のポーラーは果たして「ノモスらしくない」のか?いや、やはり「ノモスらしい」のか?それはご覧頂いている読者にお任せしたいと思います。
ただ一つ言えるのは「やはりノモスのデザインは魅力的だった」とだけ言わせて頂きます。
参考になればうれしいです。素敵な腕時計ライフをお送りください!



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