210107
運動不足解消も兼ねて、スケボーの練習を始めた。スケボーといっても、自分のはミニクルーザーという滑りに特化した小型のボード。8:30くらいに家を出て、近所の広場へ向かうと、案の定閑散としていた。朝の空気は気分がよくなる。
しばらく真っ直ぐ滑ったり、大きく周回したりしていた。昨日の友人への寂しさを振り切るように夢中で漕いだ。そればかりだとさすがに飽きてきたので、チックタックという乗り方の練習を始めた。ボードを左右に振る力を使って進む乗り方だ。YouTubeで見た練習方法を早速実践したら案内うまくいって、これは良いと思ったのも束の間、見事にバランスを崩して倒れ込んでしまった。さらに倒れる時に足首を盛大に捻ってしまい、あまりの激痛にそのまましばらくうずくまっていた。
「大丈夫ですか?」
声がしたので慌てて顔を上げると、老人が心配そうな目でこちらを見ていた。
おおごとだと思われたくなくて咄嗟に笑ってごまかしていたら、背後からこちらに向かう滑走音がした。振り向くとスケボー少年が3人立っていて、これまた心配そうにこちらの様子を伺っていた。
「大丈夫すか?」
「いや〜転んでグリっといったみたいで、ははは…」
「あー!グリって!はいはい!」
「え、あるあるなんすか?」
「よくあるっすね〜この前も友達がやってました笑」
そう言ってケラケラ笑う少年達の明るい様子に、何故かこちらもほっとした。そうか、よかった、"よくあること"なのか。
これ以上続けるのは無理だと悟ったので、痛みが引いたのを見計らいそのまますぐに退散した。帰宅した時はそうでもなかったのに、徐々に痛みがぶり返してきた。湿布でも貼っとくかと思い見ると、くるぶしがちょうど3倍くらいの大きさに腫れていた。その日は歩くのもままならず、生まれたての小鹿みたいな動きしかできなかった。仕方ないとはいえ、へっぴり腰が情けない。
後で調べたら、スケボーで足首をひねることは「グリッチョ」というらしい。ぴったりな名前。確かに、グリっといったしな。チョはよくわからないけど。グリッチョが起こる原因は、単純に"準備運動不足"。基礎基本もままならない素人が、ロクな準備も無しに挑戦するのがいかに危険かを身をもって学んだ。