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「ワンオクとかは聴かないの?」「聴けます」についての考察【『花束みたいな恋をした』】
映画『花束みたいな恋をした』に、こんなシーンが登場します。
絹の父「君はワンオクとかは聴かないの?」
麦「あっ、(一拍置いて)聴けます」
一拍置いていることから、麦の「聴けます」発言は、咄嗟に出たものではなく、考えたのちの発言であったと分かります。
その後、今度はこんなシーンが登場します。
絹の母「社会に出るのは、お風呂に入るようなものなの」
麦「はははっ確かに」
この場面から、麦は”とりあえずの同意”ができる人物だということが分かります。
”とりあえずの同意”ができる麦はなぜ、「ワンオクとかは聴かないの?」に対して「あまり聴きません」「たまに聴きます」と返さなかったのでしょうか。
麦が好むのは、きのこ帝国やフレンズなど、大衆受けしているわけではないが、コアなファンがいるアーティストです。
作中には、大衆受けしたコンテンツに向けて、麦が冷ややかな視線を送る、という描写が登場します。
“マニアックな映画をよく観る”と語るサラリーマンが『ショーシャンクの空に』を好きな映画に挙げるシーンがあります。それに対する麦の表情なんかが、いい例でしょう。
麦は、”大衆化されていて自分の好みではないけど、別に聴けなくはないです”という意味を込めて「聴けます」と言ったのではないでしょうか。
こんなセリフも登場します。
麦「なぜ、神を目にした前に実写版魔女の宅急便の話をしているのか
あなたたちか!この世に数々の実写版を生み出しているのは」
確かに映画はまあ酷評されているし、アニメの実写に対する麦の意見も理解できるのですが、私は小芝風花(実写版『魔女宅』の主演女優)が好きなので、観ててなんだかモヤモヤしました(作品批判の意図は一切ありません)。
ワンオク好きな人が「聴けます」発言を聞いたら、どう思うんだろうか。
平日の夜、『花束みたいな恋をした』の3度目の鑑賞を終えた私は、こんなことを考えたのでした。