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Vol.169 マンダリン・オリエンタル・バンコク
バンコク屈指の名門ホテル、マンダリン・オリエンタルに滞在しました。
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バンコクで長く暮らしていて、飲食などでは何度も利用しているこのホテルですが、宿泊は今回が初めてです。むしろ観光でいらっしゃる方のほうが、泊まる機会が多いかも知れません。今でこそマンダリンの名を冠するこのホテル、元々はザ・オリエンタル・バンコクとして長年親しまれてきました。サマセット・モーム氏やジム・トンプソン氏を始め、私の愛読する三島由紀夫氏なども愛した世界に名だたるホテルで、昨年開催されたAPEC首脳会議の際には、習主席が滞在し岸田首相との会談の場ともなりました。
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今度レビューしますが、同じく川沿いにあるフォーシーズンズより車を走らせること10分弱。到着するとオーキッドの花飾りで出迎えてくれました。チェックインでは、わざわざ日本人スタッフが出てきて対応してくれて、普段いつも英語の手続きが当たり前の私なんかはむしろ恐縮してしまいました。日本人ゲストの利用が多い証でしょうか。ホテルの長い歴史において、一定の存在感を発揮してきた賜物なのかも知れません。
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さて今回選んだお部屋は State Room 。チャオプラヤ川に面したテラス付きの角部屋です。因みに同僚家族はジュニアスイートを選び、勿論そちらの方が部屋もテラスも広いのですが、眺望はリバーフロントのこの部屋の方がお勧めです。
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予約してあった夕飯まで少し時間があるので、プールで少しリフレッシュします。後ほど書きますが、オリエンタルには館内ドレスコードがあるので、ルールに則した格好でプールへ向かい更衣室で水着に着替えるのがマナーです。川や都会の喧騒が嘘のように静かな時が流れます。
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軽くシャワーを浴びて夕食へ。この日は施設内対岸に位置する Sala Rim Naam を予約してあったので、ホテルのシャトルボートで川を渡ります。川沿いのレジデンスに住んだ経験のある私には行き交う船を眺めるのは日常的光景の一コマなのですが、それでもこんな風に食事に向かうとはやはり風情があります。
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このレストランはタイ舞踊を鑑賞しながらコース料理を愉しめるので、タイへ初めていらっしゃったゲストには是非お勧めしたいです。
続いて別の日に利用したThe Verandah
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テラス席でリバーサイドの風を感じながら、比較的カジュアルな会食や軽食を愉しむには最も利用しやすいレストランだと思います。
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朝食は隣のRiverside Terraceで頂きました。ビュッフェ形式です。天気が良い割にはドレスコードを踏まえてシャツ&長ズボンで行ったので、少し暑かったです。
ホテルには、これらの他にもミシュランフレンチのLe Normandieを始め、沢山の素晴らしいレストランがありますが、私がバンコクで最も素晴らしい中国料理と思っているThe China Houseは季節営業でお休み中、今月下旬から再開とのことです。また今回は利用しませんでしたが、バンコク随一のバーと言って差し支えないBamboo Bar。こちらは1953年にオープンして以来、今年で70年目を迎えるそうで、世界中にある素晴らしいバーとコラボした企画を開催しています。
全体の感想
まず際立っていたのは、スタッフの皆さんの細かな配慮が非常に行き届いていた点。長年ホテル暮らしを経験していながらお恥ずかしい事にバスタブの栓を開閉するやり方がわからず😅バトラーを呼んだ時のこと。単に私の勘違いで一瞬で解決したので、通常ならその場を後にして一件落着でしょうが「宜しければご準備しますので、バブルバスをお試しになりませんか?」との嬉しい逆提案。気づいたらこうなっていました…😆
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翌朝、散歩から帰ってくると、途中のスタバで買ったペットボトルの水がちょうど空になっていたのに気づいたスタッフが声をかけてくれて「宜しければ、捨てておきましょうか」と。また、ホテルを出る際に私のドライバーが見つからなかったのでポーターに声をかけると、予め両者の連携がとれていて、すぐに呼び出してくれました。ひとつひとつは確かに特別なことではないかも知れないけれど、必要とあれば期待以上のホスピタリティを感じさせてくれる、絶妙の距離感は流石だと感心しました。
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詰まるところ良いホテルとはハードとソフト、更にはスタッフとゲストの相互作用によって築きあげられていくものです。前者については、歴史に支えられながらもアセットとしてwell-maintained(手入れが行き届いている)されているハード面と、無形資産として特に人の部分がホテルのバリューを大きく左右するので、例えば上記スタッフのホスピタリティに感銘を受けた次第です。但し、ここで人とは必ずしもスタッフだけに留まらず、そこに滞在する私たちゲストにも問われています。
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先述の通りオリエンタル・バンコクには館内ドレスコードがあり、基本的に短パン、サンダルなど露出度の高い服装やリュックはNGです。歴史の名に恥じぬよう、ホテルの品位を保つ上で必要なルールとして、例えば公式ページを通して予約すると事前に挨拶を兼ねて上記ドレスコードを含む案内が届きます。先のBamboo Bar前で、上質なリネンのシャツを纏った西洋人たちが葉巻を燻らせながら、ホテルの西洋人マネージャーと談笑しているシーンなんかは好例で、さしずめ近くの大使館員かシークレット・エージェント(冗談です!)でしょうか、まるでハリウッド映画のワンシーンのようで、これぞ“ザ・オリエンタル” 。
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しかし残念ながら、昨今の服装カジュアル化も影響しているのかルールを守れない、特にアジア系のゲストを度々見かけます。中でも驚いたのは朝食の際に遭遇した短パン&クロックスサンダル派。どう考えてもクロックスさんと適切な装いのゲストとでは、ホテルからの扱いは異なりそうだし、それこそ欧米の格式高いホテルなら摘み出されてもおかしくなく、あまり賢明な選択には思えませんが如何でしょうか。実際、朝食は百歩譲って夕食の場面ではアジア系ゲストの装いに問題があり(ラグジュアリーブランドなのでしょうがバスローブ風のアウトフィット🤔)マネージャーと厳しめの展開になっていました。その点、観光でいらっしゃってこのホテルに泊まる年配の日本人夫婦などは概してちゃんとわきまえているし、これまでここに滞在した私の知人、例えば大学の恩師や友人らも例外なくエチケットを心得ています。歴の長いスタッフだと、ちゃんとそんな日本人ゲストの振舞を認識して相応の扱いをしてくれるのが、このホテルです。
これに対して若い世代の日本の子たちにも、一部にやはりカジュアルな傾向が見られました。私なんかは大学一年の時に初めて訪れたNYで、最終日だけ奮発してプラザホテルに滞在しナメられないように(高橋由伸さんに憧れて買った)ゴルティエのスーツに(当時流行っていた)ポールスミスのロングコートで挑んだものですが、その心意気を少しは見習って欲しいところです。折角、貴重な経験をしているのに少し勿体無いように思います。タイのハイソサイエティに属する若者が、そうした装いでこのホテルに来ることはまずありません。折角の機会、思い切りドレスアップを楽しんでみてはいかがでしょうか。
後半少し説教くさくなりましたが、伝統を大切にするホテルに滞在した率直な感想です。一度は泊まってみる価値のある素晴らしいホテルです。バンコクにお越しの際は是非!
*******Disclaimer*******
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