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Vol.191 マンダリン・オリエンタル東京と、そこに垣間見たTokyo

日本での滞在を終えバンコクに戻る機上です。以前にレビューしたJALのファーストクラスに今回も搭乗し、これ以上サービスの良いところないでしょ、と大変感激しております。また昨年からの大きな変更点としては、チェックインから手荷物チェックの動線がファーストクラス顧客専用となりました。かなりの進化です。

さて都内ではこれも昨年に引き続きマンダリン・オリエンタルに滞在しました。中々驚いたのは、何とチェックインの際に日本語が分からないスタッフと英語で会話し手続きしました。因みにチェックアウトを担当してくれたのは日本語ペラペラの西洋人。

10年以上前にバンコクのマリオットで暮らし始めた当初、館内の表示が基本的に英語しかないのが結構な衝撃でした。タイの母国語はタイ語にも関わらずです。これはつまり、5スターホテルを利用する顧客の大半が外国人、または英語を理解するタイ人である事に起因します。

またこれはタイ独自の要因とも言えますが、例えばタイ人同士、名前をニックネームで呼び合うのが通例であるように「タイ語は難しい」点が1つ特徴として挙げられます。とてもじゃないけれど、一人ひとりの本名を都度呼び合うには複雑で長すぎるし、ビジネス上のEメールのやり取りなどにおいても、相手の位が上だったりすると文法的に難易度の高い文章を記述する必要があるなど、ある程度学力のあるタイ語ネイティブにとっても容易ではなく(タイ人同士も)英語でのやり取りが一般化しています。

こうした事情もあって、バンコクなどで良い企業に勤めるホワイトカラーであれば英語を日常的に使う方は多く、当然ながらマリオットなどでのスタッフとのやり取りも基本的に全部英語です。そして少し大袈裟かも知れませんが、この波が東京にもやってくる兆し(そしてそれは以前ニセコで既に察知していた兆しなのですが)を今回のマンダリンで感じました。

コロナ明けに業界で働く人々の需給バランスが崩れた所へ外国人観光客が大挙し、東京のホテルも価格が高騰しました。以前より少し落ち着いてきてはいますが、それでもマンダリンクラスとなると一泊最低10数万円はします。一般的には中々手の出ない金額だと思いますので、宿泊客の属性も変化してきて予算のある外国人が一定のポジションを確立するようになっています。つまり、ゲストもスタッフも外国人が当たり前の風景になりつつあるのです。

実は先日、バンコクのオークラに泊まった際は日本人スタッフの方が対応してくれたのでストレスなく日本語でチェックインできたのに、まさか東京に帰ってきて英語でチェックインする羽目になるとは予想さえしていませんでしたが..😅

オークラ・プレステージ・バンコクのスイート

都内を歩いたり飲食店に入っても、外国人を見かける場面は本当に増えました。普段バンコクに住む私からすると、何だかバンコクぽくなってきたな、と率直に感じます。他方でそのバンコクでは最近「The One」と呼ばれる巨大な複合施設が第一弾オープンし、リッツカールトンも開業するなど最早、かつての私が暮らしてきたバンコクではない、洗練されたグローバルシティ、換言するとちょっと東京化してきたなぁと感じます。両者の経済規模の差が逆転する事は流石にないと思いますが、少なくとも人種のミックスとサービスの英語化においては昔より似通ってきている、そして驚くほど早いスピードでその流れが進んでいるのを今回実感しました。

あとは打ち合わせがあって、実に久しぶりに渋谷にも行きました。すっかり変貌を遂げていて完全に浦島太郎で無事、迷いましたがw 若者が沢山集まってエネルギッシュかつ洗練度が増した印象です。途中、スクランブルスクエアのエスカレーターで若い大学生くらいのカップル、と言うかカッコいい(のを自分でも分かっているであろう)彼氏が彼女をずっと見つめてほっぺに人目を憚らずチュッチュやっていて、こちらが目のやり場に困りましたが、何だかこう言う振る舞いもやっぱり僕らの世代とは随分変わってきたなぁ、と.. 

依然、面白い街で変化(進化?)のスピードが相変わらず早いのは間違いないのですが、流石に海外生活が15年とかになってくると、やはり一歩引いて見ている自分がいて、それはつまり自身がズレてしまっている感でもあり、昔のように東京で暮らして働けるイメージは最早持てません… 実際、そろそろ眼下にタイの地上が見えてきたところで、旅を終えて帰ってきたなぁとホッとしています。時空の変化は社会や人をも変えていきます。

*******Disclaimer*******
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