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回文〆日記#6 妖怪の手仕事
だいぶ前、家の横に自然発生し、そのまま根付いたハンゲショウ。強いので、増えすぎた分は抜いている。生長は今年も暦どおり。夏至前に、いちばん上の葉だけ白く染まり始めた。
植物の規則性にはいつも感心するが、メジャーな節目、夏至の到来を知らせるハンゲショウの派手な変化には、特に驚く。
窓から眺めて、回文を作ってみた。
草、一枚白し。今、小さく。
→くさいちまいしろしいまちいさく←
ゴミ出しの帰りに、近くで見てみた。すると。
先っぽの白い葉は、2枚ある!記憶の中では1枚だった。しかも、大きい方の葉は、思ったよりでかい。
![](https://assets.st-note.com/img/1687241976810-VDhOD0nayx.png)
さっきの回文、だめじゃん。
気を取り直して、観察。やはり、緑の葉が白くなる過程は、何度見てもかなり不思議だ。手作業で白い塗料を塗りつけたよう。白の際が、まるで刷毛目。夜な夜な、暗闇でも見える目を持つ妖怪が塗っている、という噂が流れたら、信じてしまいそうだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1687242148553-gjiHumzrpU.png)
途中で夜が明けてきて、
妖怪、やむなく作業中断。
続きは、次の夜。
あらためて見ると、ハンゲショウのぺったりした白さは、ほんとに独特。生えている一角だけ、へんに明るい。透明感のない濃い白が作り物っぽさを醸し出し、しげみ全体が芝居のかきわりのようにも見える。
この変わった植物を横目に、今年も夏至を迎える。節目には、気持ちをリセット。この現実という舞台で、意外な役に挑戦するのもいいかも。ミュージカルに備えて、ビブラートの練習だ。
現実ではいきなり、話すように歌い出したりはしない。
![](https://assets.st-note.com/img/1687242496123-hleyTtbok1.png)
葉色、知る。夏至に繁る、白い葉。
→はいろしるげしにしげるしろいは←
追記
夏至の3日後、白い葉をふとみると、小さい方の脇から、さらにちっちゃいのが出てる!
![](https://assets.st-note.com/img/1687594559567-3g6C6dstE6.png)
追追記
白い色素がどこまで広がるのか気になり、その後も定期的に見てきた。複数の個体を観察したところ、どうやら4枚が打ち止めのよう。8月になると全体が色あせ、あの鮮やかな白さははたして現実だったのか、と思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1691058433221-KJWXaUs6pc.png)