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bloodthirsty butchersというバンドとの出会い
RISING SUN ROCK FESTIVAL 1999
23年前、当時CAPARVOで正社員として働いていた19歳のわたしは、友達が持ってきたロックフェスのビデオに衝撃を受けた。
99年はCAPARVOがオープンした年で、バンドブームが鹿児島にも流れてきた。
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キャパルボがオープンする少し前の98年、先輩がフィッシュマンズのライブを福岡に見に行った。
お土産話で持って帰ってきたのはフィッシュマンズではなく、その時出演してた前座のバンド。
『とにかく凄いバンドが博多にいた!』と。
手書きで描いた安っぽい緑色のジャケットのCDを渡された。
ライブも凄いけど音が凄い!
音が良い!ではなく、音が凄い?
当時福岡のレーベルで作った緑色のジャケット、ナンバーガールのSCHOOL GIRL BYE BYEだった。
後にリマスター盤としてジャケットも青になり、K.O.G.Aから発売される事になる、、、、、たしか、、、、?
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自分の感性を変えられるぐらいの衝撃だった。
この日から音楽の聴き方が変わってしまった。
そんな出会い方をしたナンバーガールが、99年東芝EMIと契約し、【透明少女】でメジャーデビューを果たす!
当時10代だった私は、メジャーアンチだった為(もちろん今はそうではないですが 笑)
K.O.G.AとBentenレーベルのバンドを隅から隅まで掘り起こしてた。
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だが、やっぱ嘘はつけない。
メジャーになったナンバーガールの音を聴きたくて、タワレコに発売日に買いに行くほど信者になり、福岡まで何度もライブを見に行った!ライブは音源を超えてきた。
さて、話を戻します。
17、18歳の2年間は沢山の衝撃と共にいろんな音と出会った。19歳になって友達が持ってきたビデオ。
それは、『RISING SUN ROCK FESTIVAL 1999』だった。
確か当時wowowで放送されており、wowowが見れる人は裕福な家庭の人とまでされてた時代。
そう、彼は裕福な家庭で育ったバンドマンだった。
フジロックは知ってても、
RISING SUN ROCK FESTIVALってもんは知らない、
『北海道でやった1回目のFES!それにお前の好きなナンバーガールが出てたから持って来た』と。
そのビデオを貸してくれた。
ライブハウスのロビーにあるビデオデッキで仲間達と観た。
頭っからナンバーガールのライブが始まる。
ライブを観に行った時の興奮が蘇る。
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その後もTHE HIGH-LOWS、ミッシェルとブランキーに挟まれる大好きだったpre-school、ギターウルフにスーパーカーとほぼCDを持ってるバンドの演奏を楽しみながら画面に張り付いていた。
もうこのイベントも終わりか、、と思いながら終盤。
後2バンドでサニーデイサービスと、、、?何て読むんだろ?
ここで初対面、私の音楽人生を狂わせた、bloodthirsty butchersのライブが始まった。
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なんの情報も無く知らないバンド、流し見程度にサニーデイを待とうかと思ってたが。
あの時と同じだ!また新しい感覚で音が飛び出してくる。
本命のナンバーガールではなくbloodthirsty butchersにかぶりつく。
体感1曲20分くらいやってたと思ったが、朝日と共に爆音であろう音がビデオでも伝わった。
なんとも気持ちの良いベースライン、力強いドラムの音は少し変わった音で(KICKがでかいしマイクを入れる穴がない)そして、ハウリングばかりのストラトギターから流れるアルペジオ、音程外れてるよなぁ?と思いながらも絶妙なトーンとピッチ感がまたバンドサウンドに貼り付いて音となって飛んでくる!
聴くではなく、浴びてるという言葉がふさわしい。
自分の持ってる感性をぶち壊してきた。
WALKINNFES!の最後に必ず爆音で流れる曲。
bloodthirsty butchersの『7月』だった。
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その頃から音でCDを収集していく事になる。
Sonic YouthやMogwai、Tortoise、THE DYLAN GROUP。アメリカシカゴのレーベル『Thrill Jockey Records』の音源は買えるものは全てヤフオクで買いあさり、海外の知らないアーティストのLPをジャケ買いして楽しんでた。
その後、エンジニアとして憧れの東京へ移り住む事になり、すぐにbloodthirsty butchersのライブを観に行った!
渋谷クアトロ、対バンは少年ナイフ。
『誰がPAしてるんだろう?』と当時21歳の僕はPAブースの後ろを陣取り視界の上半分ステージ、下半分をPAと、ライブを楽しんだ。
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その後、ご縁もあり自分の担当してたバンドとツアーに行く事になる。それもナンバーガールのひさ子さんまで加入した4人編成の生bloodthirsty butchersに会える。
打ち上げでメンバーよりも先に吉村さんの横に座らせてもらい、マイクをプレゼントした。
田舎モンのミーハーが爆発した瞬間だった。
鹿児島にいた時も上京した時も、ライブは見に行ってるが僕の大好きなアルバム『kocorono』の曲を聴いた事がない、是非とも7月は聴いてみたい!対バンツアー初日の打ち上げで熱弁した。
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忘れもしない、大阪BIGCAT。
その日、我々チームはトリだったので先にブッチャーズがリハをしていた。
機材を搬入中、リハの音が聴こえてくる。
リハーサルでやってた曲は、『kocorono』に収録されてる3月。
曲が変わり2月が流れてきたぁ。
昨日とは全くセットリストが違う。
会場に入り客席から演奏するメンバーに頭を下げて
今日は宜しくお願いします!の形を見せながらも、ミーハー心に火が着くが、『抑えろ』若気の至りとしての礼儀、クールに自分の仕事の準備をしながら2月を聴く。
曲が終わり、メンバーはPAさんと細かい音やモニターの確認をしている。
『じゃ次の曲でチェックします!』と吉村さんがPAさんに伝えた。
抑えてたミーハー心は崩壊する。
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99年、ビデオテープから流れてきたあの7月だ。
画面では体感できない、空気を通してぬる〜っと向かって来て、濃厚な音が体にドッ!バーァーと当る。
その日は全く仕事にならなかった。
24歳でブッチャーズに会い、それからイベントでも会うようになり、たまにPAをお願いされる事も。
上京して10年。
私が鹿児島に帰ってきて、WALKINNSTUDIO!をオープンさせた時も九州ツアーのPAをお願いされたり、WALKINNSTUDIO!で吉村さんと五味くん(LOSTAGE)が最初にライブしてくれたり。大好きだったバンドがいつのまにか仕事仲間にもなっていた。
東京と鹿児島という離れた場所だったが、連絡はよく取って機材の話やレコーディングの話をしてくれた。
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でも別れは突然やってくる。
2013年 アルバム「youth(青春)」制作終了後、吉村さんが急死。「youth(青春)」が遺作となった。
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九州ツアーで抑えてた日はもちろん白紙になり、実感の湧かない日々が過ぎていった。
その次の年、2014年からWALK INN FES!が動き出す。
あれから9年。
WALKINNFES!に出て欲しかった。
またまだレコーディングの話とか音作りの話もしたかった。
その想いを乗せて、WALK INN FES!のエンディングは大きな音でbloodthirsty butchers『7月』を流してます。
そんな私の核の1つであるブッチャーズの映画『kocorono』を今回1日だけですが鹿児島で上映する事になりました。
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僕なりのWALKINNSTUDIO!10周年の節目としても上映会をしたかった。
そして10周年をブッチャーズにも祝って欲しかった。
その夢も叶いコラボグッズも発売する事になった。
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人が亡くなればもうその音は一生聴けなくなる。
最後に「youth(青春)」を完成させてくれてありがとう!映画『kocorono』を残してくれてありがとう!
これからもWALK INN FES!の最後は『7月』を爆音で流すよ!
吉村さん、またね
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映画『kocorono』
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