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気になる人#13

小学生のとき、やたらおっさん顔の先輩がいた。

すごく、気になる顔だった。

それをそのままお母さんに話したら「その人のこと、好きなんじゃない?」と言われ、それ以降お母さんにはそういう話をしないようにしようと決めた。

気になる人といえば、好きになる人の助走段階を指す場合ももちろんある。

が、ただ、ちょっと変わっている人とか、癖のある人が気になってしまうことがある。

むろん、その人のことが好きなわけでもなかった。

しかし、思春期~20代序盤くらいまで、「気になる人」=「好きかもしれない人」のニュアンスで女子が使うことは否めない。

30代に入って、結婚して、やっとその「気になる人」=「好きかもしれない人」のしばりから抜けられた気がする。

とても楽だ。

恋愛という呪いから解放されたのを実感する。

気になる人は、結構いる。

面白い人、変な人、なんかパワフルな人。

なんか気になる人は、なんとなく、自分を変えるような何かを持っている気がする人なのかもしれない。

そういう意味では、「気になる人」=「惹かれる人」で、若くてなんにもわかっていなかった頃は、これを恋と錯覚するのも、あながち間違いじゃなかったのかもとも思う。

ただ、やはり30歳を過ぎて、家庭を持つと、恋だのどうだのは逆に権利がなくなる。

楽だ。

いちいち恋かも?なんて思わなくていいから楽だ。

気になる人とも気軽に仲良くできるし、楽だ。



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