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がんばれハイパーモード デュエマAdvent Calendar2024 20日目
のまろかです。2ブロックレギュレーションと分厚いデッキと新しくて強いカードが好きなのでデュエルマスターズをやっています。
あーくん主宰のデュエマAdvent Calendar2024にありがたいことに参加させていただくことになりました。いっぱいデュエルマスターズの文章が読める楽しい企画です。アドカレ概要はこちら↓
昨日の記事はこちら。ぼくは先日のGP2024-2ndのライターさんが気の毒になってくるえむつーさん絡みのカバレージが好きです。↓
新弾発売を前日に控えた今日の担当ではありますが、新しいカードの話は公開される度にTwitterでし過ぎているので、今回は今年度前半のメカニズム"ハイパーモード(超化獣)"についてあーだこーだ言っていこうと思います。TLでもちょこちょこ超化獣への声を目にしますが、それを長々書いていくようなもんと思ってもらえればと思います。
◆ハイパーモードのここがいい!
改めて、ハイパーモードのテキストを確認します。
◆ハイパー化:自分の他のクリーチャーを1体タップする。(自分メインステップ中に、ハイパーモードを解放できる。ハイパーモードは次の自分のターンのはじめまで続く。)
能力としては非常にシンプルで「クリーチャーを2体出力し、1体を打点としてカウントできなくする代わりに強力なクリーチャーを生成する」というもの。
この性質自体は黎明期から存在する進化クリーチャーと近しいもので、特段変わったことをしているわけではないです。
では、どの部分が新しい体験を生み出しているのか。
◆ハイパー化コストが盤面に残り続ける
先ほど類似例として挙げた進化クリーチャー、当然ですが進化元は盤面から居なくなります。
その為、進化元に適しているクリーチャーはざっくりと「盤面に出た時点で仕事を終えているもの」といえます。《青銅》の上に《「二つ牙」》とか《グレンニャー》の上に《プラチナワルスラ》とかが一番気持ちいいですからね。
対してハイパー化のコストにするクリーチャーは、タップ状態にこそなれど場に残ります。これが現代デュエルマスターズにかなり適性のある特性だと考えています。
特筆すべきは各種メタクリーチャーとの相性。《オニカマス》から始まる近代ハイスペックメタクリーチャーたちの多くは、場持ちを良くする効果や除去されて損しにくい効果を持ち合わせています。これらを場に残してメタ効果を有効に使いつつ、コストに対して強力なクリーチャーを場に送り出していける仕組みになっています。
勿論メタクリーチャーに限らず
・終了時にアンタップするクリーチャー
・めちゃくちゃ軽いクリーチャー
・ジャストダイバーのクリーチャー
・全然使う気なかったツインパクトの上側
など、ハイパー化のコストに向いているクリーチャーは多岐に渡っているので、デッキ構築時点での制約がかなり薄いのが魅力といえます。
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デュエルマスターズというゲームはアド損せずにブロッカーを終了時アンタップしたすぎるので。
◆前後関係が切れている
今更語るまでもないですが、進化クリーチャーは特殊なケースを除いて進化元⇒進化クリーチャーとプレイすることが絶対条件です。【バイク】は現代アドバンスでもデュエプレでも非常に強力なデッキですが、それでも上バイクだけ引き続けて何も出来ないゲームはそこそこに発生するでしょう。
超化獣はその点「とりあえずプレイはできる」上に「想定通りのプレイが出来たらより強度が出る」ことに加えて「別に後でクリーチャーをくっつければそれでいい」こともよくあります。ファンタジーベスト組が最も顕著でしょうか。
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これらは総じて「最大値の向上」にも「最低値の底上げ」にも大きく貢献します。《ハッター》は種族縛り込みにしても些かやりすぎてる感が否めませんが、適切な出力ラインであればストレスなく強いクリーチャーを使いやすくできる、非常に良いメカニズムといえます。
◆メインフェイズのタップが楽しい
ここまでは進化との比較の話でしたが、これはハイパーモードならではの部分。メインフェイズにノーコストでクリーチャーをタップさせることが出来ます。これが楽しい。
王道篇自体が昔の微妙種族を大量に収録してる+そのプールがタップ誘発持ちに当てられていることもありデザイナーズ感がありませんが、今年のプールはタップを条件にリソースを稼ぐカードがたくさんあって、それらは今もハイパーエナジーによって通年の強化を受けています。なんで?
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その中でも特筆したいのが《王道ジャシン》+《シックル》の組み合わせ。
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この2体(+OVERハイパー化用のコスト1体)で、今までの墓地リセット耐性付与の常套手段である「手札を減らさずに墓地を増やす」以外のアプローチを見せてくれました。
盤面さえ維持すれば0コスト3肥やし(この場合はほぼ3ドロー)からターンを始められるのはかなり新鮮かつ、強力な動きです。《王道ジャシン》の横のクリーチャーが踏まれても追加でコストを用意してしまえばさらに上から踏めるのも◎。
その他にも【ドリームメイト】の光臨シナジーや《ブラックXENARCH》の贄の準備、既存プールだと《ドンジャングル》⇒《Hアルカ》で当たり先のいない《ドンジャングル》をタップする等、独自の楽しさをもたらしてくれます。
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今年作ったカードの中で一番盛り上がってたんだろうな
◆解放前+解放後のデザイン幅の広さ
超化獣には解放前と解放前でそれぞれ能力があり、その組合せ次第で色んなカードが作れます。
最もスタンダードかつ最も強力なのが「解放前で準備をし、解放後に高い出力を発揮する」もの。《超光喜エルボロム》や《グリッファ》がお手本ですね。
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プリン効果でおれが生き残るのが神
もちろんこれらは魅力的で強力なんですが、最もこの項で語りたいカードは《ダイダイ》です。
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の部分があまりにも邪魔でおもろい
あまり馴染みのない方も多いであろうアンコモンのカードですが、このカードめちゃくちゃおもしろいんです。
普通に使えばガードマンを持っているだけの2コス3000ですが、解放するとプレイヤーを殴れなくなる代わりにクッッッソデカい殴り返し要員になります。この全く性質が異なる2種類のカードを1枚に、このテキスト量だけで実現できるのがこのメカニズムのおもしろさ。
片方だけだとよっぽど使う気になりませんが、両方あるなら枠取れそうな気もしますよね。さすがに現代デッキだとほんのちょっとだけ難しいですけど…
◆ハイパーモードのここがダメ!
ここまでさんざん褒めちぎってきましたが、僕としても文句がないではありません。
先に断っておくと、2弾で互換が切れたことに対して自体は別になんとも思ってないです。GoA以降のデュエルマスターズがそういうものなので。
ただ、にしたってもうちょっと…あっただろ!という点にいくつか触れようと思います。
◆超化獣サポートなんて要らないし多い
前項で語った内容ですが、そもそも超化獣って割と使いやすくできています。だってハイパー化のコストは誰でもいいんだから。
タップ誘発持ちは書き方が特殊なだけでアタックトリガー持ちと見なせますし、ハイパーエナジーにも適性があったりで全然使いやすくて強いカード群なんですけど、超化獣名指しのサポートはなんにも使いやすくありません。呪文で超化獣なんて参照したらそりゃあ厳しいです。(《アビスアサルト》だけはそのままクリーチャーになるのでさすがに強い。)
たけじょーさんすまん、どう考えても救えない。
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《ハイパーエントリー》はまだ上澄みの部類ではあるものの、超化獣を参照する味気ないコモンが結構な量ありますし、それらを使うより普通に強いクリーチャーをハイパー化コストにすればいいのがマイナスイメージを高めてしまっているように思えます。
◆コストが重い分だけ弱い
前項でたくさん強みを語ってきましたが、これらの殆どは超化獣本体が重いと台無しになります。
特にSAやMF持ちは悲惨で、使い勝手に関しては普通の進化クリーチャーと全然変わりません。なんなら《RX》とか《星域》とかない分キツいです。
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この辺をまともに運用しようと思うと、異常な程ハイパー化コストが重たいです。
デッキ全部をこいつらのために寄せるのを強要されるし、動きが透ければ除去でケアも効く。一度に揃えようとすると膨大なマナが必要で、メタクリーチャーとか言ってる場合ではない。ほんとにただの進化クリーチャーです。普通の進化クリーチャーが長らく更新されてないから進化クリーチャーの割には強い部類ですけどね。
◆一部高レアの印象が悪すぎる
正直、これが一番言いたい。間違いなく超化獣全体のイメージを下げてるのはこの2枚です。
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この2枚、まったくもってやる必要のない"超化獣で固めたデッキ"を要求して、まったくもって噛み合わないタイミングで超化獣をサポートするので、そもそもカードとしてかなりちぐはぐです。
《エルボロム》から展開してもハイパー化してない超化獣が横に生えて3点殴るだけだし《ゴルファン》なくても強い超化獣は元から軽いです。
だから通年で超化獣いっぱい出したところでこの2枚は大して強くならないのにも関わらず「超化獣デッキが組めなかった!」って声だけを残しちゃったのが悪印象の3割ぐらいを占めてるんじゃないかな、と思っています。さすがに
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って感じです。
◆総括
デュエルマスターズが続く限り歴史は紡がれ、その中で同じキーワード能力が再度フィーチャーされたりメカニズムそのものをリメイクされたり、といったことがあるでしょう。
その中で、ハイパーモード自体を失敗だと思ってほしくない。本当におもしろいメカニズムなんです。進化クリーチャーの再解釈として、これ以上ユーティリティに満ちた方法は中々ないでしょう。
通常弾で再フィーチャーされることは余程ないでしょうが、時折EX弾にほんのりと2枠ぐらい《ヴァミリアバレル》ぐらいのちょうど強くて軽い超化獣を収録してくれたら僕は大満足です。《ダイダイ》で見せてくれたような可能性を拾ってくれると尚嬉しい。がんばれハイパーモード!負けるなハイパーモード!
アドカレもいよいよ大詰め、明日の記事はアドカレって企画名があまりにも似合う男、すばる(@SubaruPleiades)さんです。
デュエルマスターズで最も自由なフォーマットをこよなく愛する男の記事はいかに。僕も読んでないので楽しみに待ちたいと思います。
それでは、お相手はのまろかでした。良い悪魔神、復活ライフを!