秋田優さんと、都井岬 【SdT_19】
『avec Toi』に参加いただく素晴らしいアーティストたち。
今回ご紹介するのは、串間市エコツーリズム推進室の秋田優さんです。
都井岬に関わる人であれば誰もが知っているし、文化芸術関係の方々からは、「え? 誰?」ってなる、このプロジェクトのキーマンであり、
今回、小松ヶ丘エリアで実施の「都井岬ガイド」と、ビジターセンターで実施の「くらやみ展示室ツアー」をお願いしている、串間市役所の職員であり、(Tにとっては)アーティストです。
大切なことから順にお話ししますと、まず、フライヤーに掲載したプロフィールにもあるとおり、
ウマ年です。そう、Tと同い年。ちなみに五十嵐さんも同じ。ウマ年トリオです。(自慢)
生まれも育ちも異なりますが、同い年のせいか、どこか感性が似ている気がしています。
外に現れるアウトプットは三者ともだいぶ違いますが、感じ方が近いような気がする。
『avec Toi ――馬がいて、人がいて、そしてまた馬がいる――』のタイトルについても、
真っ先に「これが良いと思う」と回答をくれたのが秋田さんでした。一言も理由を述べず。
その時に、上記の感触が確信に変わった気がしました。
そして、プロフィールからも何となくわかってもらえるかと思いますが、
Tが、馬のことや、まして都井岬に関しては本当に「にわか」の謗りを免れないのに対し、
秋田さんは、正真正銘の、ガチ勢です。
昨年7月。この「オペラ」が始動し、最初に連絡をとったのが秋田さんでした。
もう1年経つのですね。
秋田さんの話は、その前から聞いていたと記憶しています。コトリさんから。
そのエピソードが、Tはとても好きなのです。
たぶん、Tが語っても、その良さは表現できない気がするので、いつかコトリさんからじっくり語ってもらえたら、と思っているのですが(勝手に)。
秋田さんが宮崎大学の大学院生だった頃、もう20年くらい前のことでしょうか。
夏休みに都井岬で開催されていた自然体験教室のスタッフをしていた秋田さんと、小学生のコトリさんは出会いました。
都井岬に魅せられて、御崎馬に憧れて、串間市に移住した秋田さん。
秋田さんから、いろんな話を聞いて、都井岬が好きになったコトリさん。
その後も、時候の挨拶のような感じの、ささやかな文通が続いたという話を聞いて、
ああ、いいなあ、としみじみ思っていたのでした。
その頃の秋田さんの写真を、Tは偶然発見しました。
劇場の向かいにある県立図書館で(ちなみに劇場と図書館の斜めには県立美術館があって、ここはとても素敵な文化公園を形成しているのですが、今回「協力」名義をいただいている県立美術館と、学芸員の古賀さんについては、また追ってお話ししたいと思います)、
秋田さんに「都井岬や御崎馬について、きちんとしたことを学んでおきたいから」と乞うて教えてもらった基礎文献、
黒木正雄『御崎馬』(九州大学出版会、1983年)を借りるついでに、他にも関連の文献はないかといろいろ漁っていた時、
『串間人』2(Kushimanian Style)というマニアックな雑誌を見つけました。(串間市総務課、2005年)
いや、タイトル良いですよね。クシマニアンスタイルって…。
何かヒントでもあれば、と大きな期待はせず手に取ると、そこにはまさかの、若かりし秋田さんの姿が!
ご興味ある方は、県立図書館で閲覧(貸出も)できますので、よろしければ是非。
文献関連でちょっと長くなってきたので、今回は文献話で締めたいと思います。
秋田さんは、自分の書いた文章についての情報を、これまで一度も教えてくれません(涙)。
そんなわけでTが自分で見つけた、日本の在来馬に関する最新の一般書籍と思われる(素人なので詳しいことはわかりませんが)、近藤誠司/編『日本の馬』(東京大学出版会、2021年)にも、秋田さんが論文を寄稿?されていた、その文章もとても良かったし。
今年6月の串間市の市報にも秋田さんの文章が載っているのですが、それはTがたまたま「いこいの里」でショータくんを待っていた数分の合間に、手持ち無沙汰で何気なく市報を手に取ったところ、見出されました。いつもそんな偶然に支えられているわけです。
串間市のHPから閲覧することもできますので、ぜひ読んでみてください(3ページ目)。
とても素敵な文章ですし、まさに約20年前の、真っ白な霧の中に浮かび上がる御崎馬との邂逅のエピソード(串間への移住決意の原風景)なのですが、その写真なんて、ちょっとスズキトモミチさんのイラストみたいなんですよね。
それから、ソテツの種のエピソード。ソテツは有毒植物だけど、種の赤い外皮はカラスが好んで食べ、皮のむけた種がたくさん落ちている場所は、カラスのお気に入りの食事場所、という話。
何気なく読んでしまう豆知識のような短い一節ですが、今やフライヤー掲載により公表できている川村さんの「御崎馬の夢」あらすじ(フライヤー用に少し省略をしてしまっていますが、ぜひ読んでください。詳細はまた追って、お話ししたいと思います。)を当時既に知っていたTからしたら、これは非常に感慨深いものがあったわけです。
そして、その文章を読んだ翌日、御崎神社に臨む崖の先端で、昨晩の読書から、嘘みたいに、わざとらしいほどに繋がっている、今回のサムネイル写真の風景を発見したのです。これは決して、やらせ写真ではないのです。あまりにきれい過ぎて、嘘みたいだけど、これはたぶん、カラスの仕業なのです。
(つづく)
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