スズキトモミチ×ウフラボ 【SdT_17】
前回、ウフラボ・平野由記さんの、タイトル文字デザイン案に付されたコメントを紹介して、
ふと思いました。
スズキトモミチさんが、ラフ図案に付してくれたコメントも、また素敵だったよね、と。
そこで、スズキさんのコメント、
それから、平野さんがデザインの世界観について最初に付してくれたコメントも、
お二人の了承をいただき、ここで紹介させてもらいたいと思います。
まずは、スズキさん。
(ここから)
都井岬に足を運ぶ中で、夕陽が沈む頃に小松ヶ丘に登り夜空に高く月が昇るまで丘の頂から馬を観察する機会がありました。
とどまる事のない空と海と大地の色彩の変化に息を呑み驚嘆する人間達をよそにひたすら草をはみ続ける馬を見ながら、彼らはこの土地で一生を過ごす間にどれだけ多くの色彩の中で過ごすのだろうか、という思いが生まれました。
この思いから着想を得て、都井岬の持つ色彩の多様性に焦点を当て、今回のアートプロジェクトを通して<アーティストがこの土地から感受し創造するものが新たな色彩を生み出し、悠久の風景と混じり合って都井岬の新しい色彩=魅力となっていくこと>をイメージしました。
このビジュアルが「の、まど in 都井岬」プロジェクトとお客様をつなぐ最初の窓となると幸いです。
(ここまで)
…まだ『avec Toi』のタイトルも決まる前の頃、ラフ図案をいただいた時のコメントなので、タイトルも「の、まど in 都井岬」になっていますね。
このコメントとラフ図案を見て、それまでそれぞれのアーティストが、都井岬に、それぞれの何かを見出しているのだけど、そしてそのたび、それにワクワクさせられるのだけれど、
ああ、スズキさんは都井岬に色彩を見るんだ、という感慨を抱いたことを思い出します。
続いて、平野さん。スズキさんのラフ図案を元に、現地で一緒に打ち合わせをし、スズキさんから表紙用のビジュアルがあらためて届いた後、『avec Toi』のタイトル文字案にも付してくれたコメントは、前回既述のとおり。それとあわせて、その世界観についてもコメントをいただいていました。
(ここから)
実際に都井岬を訪れ、野生馬やソテツの自生、海岸と灯台、安全な航海を願う御崎神社の話などを見聞きしたことで、「人が自然に合わせた暮らし」を感じました。広告では、そういった「人の手が加わりすぎない」「人工的でない」世界観が出せたら良いのではと考えています。
鈴木さん(※T注・スズキトモミチさんのこと)からご提案された岬のイラストでは、あたたかく、鮮やかで優しい色合いで、自然と人の良い関係が日の流れとともに表されています。そこに添えるタイトルとして、自然の手触りが感じられたり、ラフな線の文字で、当日までのお楽しみであるアーティスト作品への導入ができればと思います。
(ここまで)
…こんなふうに、『avec Toi』を理解してくれたお二人の、イラストレーションとデザインのコラボレーションによって、この素敵なフライヤーは完成しました。
(つづく)