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avec Toiが降ってきた 【SdT_14】

間もなくフライヤーの完成に向けて、ウフラボ・平野由記さんのデザインとの話に入る前に、
まずは、タイトル決定までの経緯から、順に追っていきたいと思います。

まだタイトルがない頃、このプロジェクトのことは、「の、まど」in都井岬、と呼んでいました。
当劇場のプロジェクト「の、まど」については、既述のとおり。

そしてTは、そのままで別に構わないと思っていたのです。
でも、コトリさんは違った。そして、それがTには、正直よくわからなかった。
今、コトリさんが、「の、まど」とは別のタイトルを必要だと考えた理由を説明しようと思って、
やはり自分には上手く書けないことに気付きました。頭では理解できる気がしているのだけど、たぶん、
何かが「しっくり」きていないのだと思います。なぜなのか、それも、よくわかりません。
たぶん、このプロジェクトの話をずっとしてきて、初めての違和感でした。

いや、もちろん、素敵なタイトルが付けられれば、その方が良いと、自分も思います。
別のタイトルを、付けない方が良いと考えてるわけでは、決してないのです。
でも、絶対に付けなくちゃいけなくて、そのために、無理にでも捻りださなければいけないかというと、
それは違う、と思ったのです。
…とはいえ、のんびり待っていても、降ってはこない。普通は。
だからこそ、「絶対に付けなくちゃいけない」のか、それがよく理解できなかったのです。たぶん、今でも。

そういう時、だいたいTは、可能性が失われることへの、無念を感じていると思います。
何かを進める時には、選択をしなければならない。
それはTにとって、無限に広がる可能性のほとんどを犠牲にして、代わりに一つを選ぶことです。
その選んだ線の描いたものが、美しい星座だと思えたら、
ある一つの物語を見出すことのできた喜びが、可能性を犠牲にした無念を超えるのですが、
それは、星々を(例えば等級で)分類するような整理・理解では、少なくともTには、描き得ない物語です。

でも一方で、(つまりこれは、このプロジェクトに関して、コトリさんの言うことを初めて心からは理解できなかった事態だったのですが、)
そこは、コトリさんの言うことを、尊重したい、おこがましい言い方になりますが、尊重してあげたい、と思ったのでした。そうされるに値することを、このプロジェクトに関して、共同創始者のコトリさんはしているのだから。

avec Toiが降ってきた日のことは、よく覚えています。

それは、Tが初めて、グンジキナミさんにお会いする前夜のことでした。
グンジさんのことは、コトリさんから「このプロジェクトについて、文章を書いてもらいたい」というふうに聞いていました。幾つかの文章も読ませてもらい、ああ、この人は、たぶんこちらが多くを語らなくても、恐らく、我々のしようとしていることを、息をするように自然に、正しく理解してくれるだろう、そして自身の言葉を通して、Tが見ているのともまた違う世界を見せてくれるのだろう、とワクワクしました。

グンジさんは言葉の人だ、と思いました。もちろん、様々な活動をされていて、決してそれだけではないと思うのですが、まだそれほど良く知らないTは、とにかくそう思ったのです。

そんな、言葉の人と初めて打ち合わせのためにお会いする際に、できればタイトルのことも、話せたら良いなと思い、なんとか案を絞り出そうとしました。本来、自分のスタイルではないような感じで。
それで、やっぱりうまくいかなくて、ふと思ったのです。

今がもしかして、ChatGPTの使い時?

ChatGPTのことは、割と早い時期から興味はあって(その頃に職場の人たちに話したら、その時は誰も知らなくて、意外に思った記憶があります)、
一方で、Tはやや極端なところがあって、VRとかもやるし(SdT_2参照)、AIにも非常に興味があるけれど(その話はめっちゃ長くなるので、いつかできたら別項で)、
個人情報の危険性が、とか言われると一気に臆してしまい、その時もまだ使用したことがありませんでした。
ていうか、今もまだ、使用したことがありません。

だから、完全に他人の話を読み聞きする範囲での判断で、ChatGPTに申し訳ないんだけど(ゴメンね)、
正直、あまりアテにしてないというか、そういうところが、今でもあるわけです(話せば長くなります)。

でも、これだけ、良いタイトルが降ってくる気がしないのだから、
こんな時こそ、使ってみる理由が生まれたってものじゃない? と思って、
プロンプトとかは、まあ、簡単に、こんなものかなあ、などと考えながら、
あらためてAIについて、可能性について、嘘と将棋と競馬と星座について、他にも次々に自然とシナプスが繋がり始めたその時、

降ってきたのです。avec Toiが。

その瞬間、TがChatGPTを試用してみる機会は、また失われたのでした。

(つづく)

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