avec Toi 【SdT_6】
今回のタイトル、avec Toi。…ちょっと、わかりにくいタイトルですよね。
何となく、「Toi」は都井(岬)のことかな?…ということは、想像されるかも知れません。
フランス語を少しご存知の方でしたら、「avec toi」(アヴェク トワ)が、英語で言うところの「with you」だと気付かれるかと思います。日本語なら「きみと、ともに」といったところでしょうか。
ああ、都井とtoi(≒you)をかけたダブル・ミーニングね。
はい。
でも、フランス語を使って、ちょっとお洒落に駄洒落を、というわけでもないのです。
それに、実はただダブル・ミーニングでもない。
not onlyというやつです。
言ってみれば、都井岬と、そこで紡がれる今回のプロジェクト、その奇跡性を表した
幾重にも重層的な意味を纏ったタイトルだと、思っているのです。
先だって【SdT_2】で、「史上最速3億回再生」とか「累計発行部数5億部」とか、「億」という単位の話題をとりあげました。そして、ただひとりの「愛(アイ)」についても。
【SdT_3】では、山手線内と都井岬という圧倒的人口密度の対比を、「無関心」のイメージで繋ぎました。
都井岬で御崎馬を眺めている時、Tはふと、どこかで、「数」のことを考えます。
岬全体で生きていける全体数のこと。生まれてくる命と、亡くなる命。
岬に訪れる人たちの数。大幅に増えれば、事故の可能性も高まる。観光が盛んだった頃の歴史に学び…
「良くて1万人に1人とかにしか、届かないかも知れない」言葉も、1億人に触れれば、割合的には1万人に届く計算になるけれど、100人にしか広まらなければ、それは0人にしか届かず消えてしまうかも知れない。それでも年に100人と出会えば、100年で1万人と出会い、いつか1人には届く。
その、一人ひとりの「きみと」avecで関係を紡いでいくのが、このプロジェクトなのではないかと。
そうか、都井(Toi)は、vousではないんだ! vousは丁寧な「あなた」であったり、複数の「あなたたち」だったりするけれど、toi(tuチュ)は間違いなく1対1の、他でもない「きみ」、親しい相手への呼称。親密な間柄で互いが呼び合う関係性。
「みんな(37)―! 一緒だよー!」で一括りではないんです。その一人ひとり、他でもない「きみと、ともに」なのが、avec Toiの、そして都井岬の、核心!
(余談ですが、toiは強勢形といってavecなど前置詞の後ではこの形になるけれど、主語で使われる時はtuで、その発音がチュで、チュを変換すると(*´ε`*)チュッチュという絵文字が出てきました。あと、 tuは基本的には親しい間柄で使われるけれど、ことに詩的文体で神や王への崇拝を表すことがあるらしい。)
このタイトルの話は、その経緯、その発音、その表記、その他諸々について、まだまだ延々と続けられるのですが、その各々の話をするために、また別の各々の前段話が必要だったりするので、いったんここで区切って、また折々で「avec Toi_2」「avec Toi_3」…と繋いでいくことになるかと思います。
それは、9,999人には価値のない与太話かも知れないけれど、どんなものでも、あることに対する熱量とか、想いの重みというのは、いつかブラックホールのような重力を持つに至るものなのかも知れません。
でも今はその前に、サブ・タイトルについて、話しておかなければなりません。
(つづく)