女性のキャリアとお金と子育てと・・・
新垣結衣と星野源が結婚!
いや〜めでたい!
逃げ恥って女性の家での役割やジェンダー感、働き方やお金とのバランスの取り方等の日々当たり前と捉えられがちな身の回りにある事象を見事に切り取って問題定義を投げかけた、非常に共感できる部分の多いドラマでした。
さて、今日はそんなジェンダーの話題。
私のインドネシアでの仕事の任期もあと2週間弱。
今の仕事は契約期間の決められた海外派遣の仕事なので、
日本に帰ったら次の仕事はどうするの?と聞かれることが最近多いです。
「今の自分の中のプライオリティはパートナーとの暮らしと妊活。なので仕事は少しペースを落としてしばらくフリーランスで働こうと思ってる。」
と言うと、同世代の女性からはだいたい
「そうだよね。30代前半って一番悩む時期だよね」
とか
「仕事とプライベートの折り合いの付け方で私も悩んでいる」
という共感の声が多いです。
逆に、仕事関係の人や男性からは
「もったいない」と言われることがほとんど。
大学院も出て、海外経験も人並み以上にあって、ペース落とすのが「もったいない」と。そういえば公務員やめる時も言われたよな〜。
「もったいない」
これまで学びも仕事も遊びも自分なりに手を抜かずやってきたからこそ、
重くのしかかるこの言葉。
いや、分かってるんやけどね。
そりゃ、子ども産むのが女じゃなくて、或いは何歳になっても子どもが産めるなら、もっといろんな選択肢を考えてるよ、と。
でも私は子どもが好きだし、家庭を持ちたい。
できれば自分の子どもを2人ぐらい産みたい。
そういう女性にとっては、
「仕事で次のステップに進もう」とする度に避けては通れない問題だし、
実際いろんな葛藤もあります。
今は仕事!だから卵子凍結という選択をした竹内選手
スノーボードの竹内智香選手が卵子凍結をしたというニュースが少し前に話題になりました。30代というのは仕事が楽しくなってくる時期。
そんな一番キャリアについて考える時期に出産の適齢期(限界期?)が来る。子どもも仕事(人によっては学業)も「後悔したくない」という葛藤は、いつの時代においても女性が抱える大きな悩みの1つです。
アスリートは体を使う職業なので、年齢はもろに影響を受けます。
後悔しないために、そして迷わずにスポーツに専念できるために、卵子を凍結することにしたという竹内選手。
以下、竹内選手のインタビューからの引用です。
卵子凍結という決断をしていなかったら、考えないようにはしていても、頭のどこかでずっと不安要素を抱えていたと思います。もちろん、将来子どもを持つことを保証されたわけではありませんが、気持ち的にはすごく楽になりました。この時代に生まれたからこそ選択でき、年齢的にもギリギリ間に合ったのかなと思います。この選択に出会えたからこそ、今、私はここにいられる。覚悟を持って、競技の世界で思う存分勝負できると思っています
で、自分はどうか。
私の場合、組織に属してバリバリと働く仕事はまたいつでも始められるのではないかと思っています。それより今は、パートナーに生活面でのサポートをお願いすることになったとしても、家族を作ることにプライオリティを置きたい。
男性は「どっちも」ができても、女性は、正社員で産休育休制度ばっちりの会社で働いている人でない限り「どっちも」が難しいんです。
今から正社員としてどこかに採用してもらってから出産を考えるということもできると思いますが、パートナーや自分が転勤族だったりするとそれも難しい。
あとさらに複雑なのが、子どもは授かりものなので、妊活したからと言って子どものいる人生が保証されているわけではないということ。そんな不確実なものとキャリアとの間で、どちらかを選ぶ、或いは自分の中である程度の折り合いをつけるということには相当な覚悟がいります。
特に女性の社会進出が一般的になってきた中で、これまでバリバリ働いてきた人こそ、一時的にでも仕事のペースを落とすということで、周りに置いていかれるんじゃないかと不安になりがちです。
女性のキャリアには「ギャップイヤー」があってもいい!
「キャリア=今いるポジションや稼いでるお金」という風に考えてしまうと、出産でキャリアを「諦める」というマイナス要素に意識が行きがちです。それが先程の「もったいない」につながる。でも、女性のキャリアって仕事や学業だけから得られるものではないと思うんですよね。
この問題は、ギャップイヤーの捉え方にも関係してくるんじゃないかなとふと考えました。海外だと学生を終えて就職する前や進学の合間に「ギャップイヤー」といって、少し立ち止まってさまざまなことを数ヶ月や数年経験するということが推奨されている国が多いです。
でも、日本って「ギャップ=ブランク期間」という感覚が大きいですよね。就職も、新卒で働くのが当たり前。就職浪人ってイメージよくないじゃないですか。
それと同じ感覚で女性の出産・育児のための休職期間が捉えられることが多いのかなと思います。
でもね、女性の出産・育児に限らず、一時的にお金が稼げない時期や、休職・休学期間があっても、それがマイナスになるのではなく、むしろそこでの経験がプラスのこととして社会が受け入れてくれるようにならないとすごく生きづらい世の中になってしまうと思うんです。
そもそも、妊娠・出産・育児でキャリアから遠ざかるという考え方は私は好きじゃない。だって、女性が出産・育児から学ぶことってめちゃめちゃあるんですよ。それを「ブランク(Blank=空白)」と言われるのはなんか違う気がする。もちろんそういう休職期間をほとんど空けずに仕事も育児も両立してバリバリやるスーパーママも中にはいます。でも、それだけが正解の世の中だと息苦しくなっちゃう。
「キャリア=今稼いでるお金や今いるポジション」だけではないし、
「産休/育休=ブランク期間」でもないと私は思います。
究極的には、しばらく家庭の事情で休職期間があってもそれがマイナスになるのではなく、むしろそこでの経験をプラスのこととして受け入れてくれる社会になることが理想。でも今は社会がまだそうはなっていないので、自分の中で納得の行くタイミングでキャリアとの「折り合いをつけ」ようとしている、という表現が正しいかな。
そしてこの話は女性に限ったことでもありません。
もしかしたらパートナーが病気や怪我で働けなくなるかもしれない。親の介護の問題が出てくるかもしれない。そういう時は妻の稼ぎで生活することになる可能性も大いにあるわけです。
だからパートナーと生きていくことを決めた人の収入とキャリアは、パートナーとのその時の状況やお互いのやりたいことのバランス、必要なお金で考えればいい。そういうことを同じ立場で考えられるカップルが健康的な関係性なのかなと思います。
ただ、子供をもつことを考えている女性は出産があるので一時的に仕事を離れなければいけない時期が必ず来る。だから、そういう女性の場合、お金とキャリアはある程度切り離して考えた方がいいケースもあるのではないでしょうか。
女性のキャリアとお金をある程度切り離して考える
例えば、小さい子どもを持つ友人から、
「そろそろ仕事をしたくて保育園に預けたいんだけど、保育料と私の稼ぎがほぼ同じなんだよね」という悩みを聞くことがあります。
保育所に子どもを預けるお金=自分(あるいは妻)の稼ぎ
だったら、あなたならどうしますか?
保育所に預けるお金がもったいないから家で自分が面倒を見るという人も多いです。子どもと過ごせる時期も限られているんだし、それが自分の中で納得できている選択ならそれでいい。
でも、自分なりに社会に貢献したいと思えるやりたい仕事がその時期にあって、それをするためには子どもを保育所に預けなければならないという場合。短い期間のことだけを考えると、家庭の経済的にはプラマイゼロかマイナスになるかもしれない。でも、長いスパンで考えたらその期間やっていたことが子どもの手が離れたあとの仕事につながるかもしれないので、キャリアとしては絶対にプラスです。妻のキャリア形成を家族でサポートするための保育料。こう考えることはできないでしょうか。
とまあ、女性のキャリアと出産とお金と・・・考え出すとなかなか一筋縄にはいかないですが、当事者としてあまり語られることも多くない話題かなと思ったのと、たまたま最近同年代の同業者の方々とこういう話をすることが多かったので、自分の思考整理のための備忘録として記すことにしました。
子どもを持ちたい30代女性のキャリア問題は、女性の力だけで解決できるものではなく、パートナーや周りの理解があってこそ。
だからこそちゃんとパートナーと話しあって決めていきたいですね。
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