牧瀬先生に聞く!地方創生・まちづくり・政策づくりのヒント【第2回】
教えてくれた人:関東学院大学大法学部教授 牧瀬稔先生
聴いた人:自治体総合ニュース 担当:柴田
このnoteは関東学院大学法学部教授 牧瀬稔先生に、地方創生やまちづくり、政策づくりに関するヒントを教えていただきます。
全5回シリーズで、今回は2回目!
前回からの続きとして、まちづくりに関わる最新キーワードをお聞きします!
はじめに 〜まちづくりに関わる最新キーワードを知ろう〜(その2/2)
【質問】まちづくりのトレンド 他にはどのようなキーワードがありますか?!
前回は「シビックプライド」や「SDGs」についてお聞きしました。
今回は「公民連携」、そして「リスキリング」についてお聞きしました。
牧瀬先生:
今回は公民連携とリスキリングの意味を説明します。公民連携は直接的に、リスキリングは間接的に、まちづくりに関わってきます。
今日、地方自治体が単独でまちづくりを進めることは、難しくなりつつあります。そこで自治体の「外」に存在する多様な主体と連携・協力することが求められます。このことを「公民連携(官民連携)」(Public Private Partnership)と言います。
図表2が公民連携の定義です。私は公民連携を「行政と民間が相互に連携して住民サービスを提供することにより、行政改革の推進、民間の利益拡大に加え、住民サービスの向上や地域活性化等を目指す取り組み」と捉えています。ここで言う民間とは民間企業だけではありません。大学や地域金融機関、NPO団体、地域住民など、自治体「外」のすべての主体が当てはまります。私のゼミナールも、北上市や焼津市等の地方自治体と連携・協力を進めています。
個人的な見解になりますが、「まちづくり」の「づくり」には、「地方自治体に加えて、多様な主体との連携・協力」という含意があると思っています。
国語辞典を使って「つくる」の意味を確認します。そこには「ある力を働かせて、新しい物事・状態を生みだす」とあります。この定義にある「新しい物事・状態を生み出す」は「イノベーション」(新機軸)と換言できます。地方自治体が多様な主体と連携・協力することにより(公民連携することにより)、イノベーションが創出されるのです。
次にリスキリング(Reskilling)を取り上げます。リスキリングとは「職業能力の再開発、再教育」を意味します。しばしば「学び直し」と言われています。
近年、「VUCA」(ブーカ)という言葉が浸透してきました。VUCAとは「Volatility」(不安定)、「Uncertainty」(不確実)、「Complexity」(複雑)、「Ambiguity」(不透明)の頭文字をつなぎ合わせた概念です。未来の予測が難しくなる状況のことを意味します。
こういう時代だからこそ、リスキリング(学び直し)は大事です。社会人になり、改めて学び直しを行い、新しい知識を自身の頭にインプットした上で、まちづくりを実践的に取り組んでいく必要があります。
最後に、少しだけアピールさせてください。私は関東学院大学大学院法学研究科地域創生専攻と社会構想大学院大学コミュニケーションデザイン研究科で教壇に立っています。両大学院は社会人を対象としており、平日の夜間と土日に開校しています。オンラインにより受講が可能です。校舎に来なくても、オンラインだけで修了できます。
関東学院大学大学院は博士課程もあります。そこで働きながら博士号を取得することも可能です(もちろん、博士号を取得するには、よい研究をする必要があります)。
リスキリングに関心を持ち、修士や博士の学位の取得を希望する方は、ぜひ、関東学院大学大学院か社会構想大学院大学にいらしてください(私が指導教員になることは可能です)。お待ちしています。
すぐ詳しく知りたい人は、体系的に学びたい方には、下記の書籍で詳しくノウハウがご紹介させています!
牧瀬先生、ありがとうございました!
まちづくりにも学びなおしがとても大切になってきているのですね!
(いつか…私も学びなおししたいです…)
次回は「まちづくりで注意すべきこと」についてお聞きします!