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50代夫婦の距離感:お互いが心地よく過ごすための空間について考える

少し前のことですが、偶然、とても印象的な建築物を目にする機会がありました。

建築家の山崎健太郎さんが設計した「庭の中の家」です。
(以下に掲載した建築物の写真は、「山崎健太郎デザインワークショップ」のウェブサイトからの引用です。)


この家は、5つの箱のような空間を縦にずらして繋げた構造が特徴で、それぞれの空間の間には明確な境界がありません。そのため、家のどこにいても家族の存在を感じられる設計になっています。

5つの箱を縦にずらして繋げた構造
それぞれの箱の間に明確な境界はない


家の中のどこにいても家族の存在が感じられる構造


実はこの家、山崎さんのご実家とのことで、現在はご両親がお二人で生活されているそうです。

この建築物を見た瞬間、「まさにこういう家が理想だった!」と思いました。

全体が緩やかに繋がっていることで、お互いの存在を目の端で感じつつも、それぞれがいい感じでプライバシーを確保できる。このような設計は、50代の夫婦二人暮らしにとって理想的ではないでしょうか。

私たち夫婦は現在、3LDKの「田の字型」と呼ばれる古いマンションに住んでいます。

こんな感じのいわゆる「田の字型」の間取り

この「田の字型」の間取りでは、各部屋が独立しており、ドアを閉めれば完全に個室になります。

私たち夫婦も家にいるときはそれぞれ自分の部屋で過ごすことが多いのですが、一応、暗黙の了解として、お互い部屋のドアは開け放したままにしています。

完全にドアを閉めてしまうと孤立した状態になってしまいますから、「干渉はされたくないけれど、人の気配は感じていたい」という、わがままな状況をなんとか実現するための妥協点です(笑)。

用事があるときには、少し声を張れば聞こえるようにして、最低限お互いの存在を感じられるようにしているわけです。

「庭の中の家」では、こうした生活スタイルをより進化させられる気がしました。家全体が緩やかに繋がることで、より自然に、無理なくお互いの気配を感じられそうです。

さらには、「庭の中の家」のような家に住んでいると、私のように家からほとんど出ない生活をしていたとしても、「引きこもり感」が薄れそうなのも良さそうです(笑)。家の中にいながらも、どこか半分外にいるような感覚が得られて罪悪感もなくなりそう。

これまで家に対してあまりこだわりを持っていなかった私ですが、こんな家なら住んでみたいなと思い始めています。




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