不用の用(または、不要の要)
不要不急の事柄にこそ幸と美があるのだと、私は常々思っていて。
美術系の短大に通っていた。
一番始めの授業で先生が言っていたこと。
「ふようのよう」。
喋り言葉で聞いたから、どんな字を書くのかは知らない。
不用の要、かもしれない。
これから私たちが学ぶ、絵画やデザインは、生きる上で必要不可欠なものでは決してない。
けれど、それらがあるお陰で、感情が動いたり、生活が彩られる。
きれいだな、かわいいな、かっこいいな、すてきだな。
ダサい、ウケる、怖い、かっこいい。
それらを創作するだけでなく、あるものを選んで所持することで、自己表現になる。
腹の足しにならないけれど、ヒトにとって、必要なものである、という話。
人生はそういうものでできてると思うんだ。
私が好きなもの、寄り道、おさんぽ、音楽、映画、演劇、美術、小説、お菓子。
娯楽。
五大栄養素の、[嗜好品/コーヒーなど]に分類されるものばかりが大好きだ。
…嗜好品なくして、人生は楽しいのかい?
外食って、その店の雰囲気まで楽しむことまで含まれる。
内装、インテリア、グラスお皿カトラリー、紙ナプキン、窓、景色。
早く、不要不急のことを楽しんで、人生を彩れる日々がきますように。