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説明不要な関係になるために、説明するのだ。

 僕はグッズが好きだ。家にあったり、着ているとちょっと頑張れるから、好きなものに纏わるグッズをよく買う。そして、なかなかに物持ちが良い。例えば、2013年に発売された漫画「SUNNY」第3巻の応募者全員サービスのTシャツ。10年間、手放すことなく後生大事に持っている。これはもちろん自慢だ。初手で自慢することを厭わない大胆なプレイヤーだと覚えておいてほしい。

 他の人から見るとただのクタクタ&ヨレヨレのTシャツ。作品を知らなかったら、作家を知らなかったら価値はないだろう。しかし、僕にとっては価値がある。グッズのそういう極めて個人的なところが好きだ。

 そして、Tシャツやキーホルダーなどの日常生活に溶け込むグッズは、自分の嗜好をさりげなく発信するメディアとなる。グッズたちは、同じような嗜好な人にだけ伝う電波を発しているらしい。だから、近い周波数を持っている人同士はスタンド使いのように惹かれ合う。「あれ?それ○○ですよね?」から始まる会話は余計な説明がいらないから楽で良い。

 だから、自分がグッズを作る時は、こんなんあったら嬉しいな〜フフフ…と妄想し、カタチにしている。つくるのは楽しい。ほんと。「つくる」のは、ね!!!

 そう。問題はその後。やはりグッズというのは、お客さんの手元に届いてナンボ。売れてナンボなのだ。今回のグッズ、めちゃんこかわいい!と自負しているのに動きが鈍い。もしかして、妄想が止まらなくなっちゃって説明が必要なグッズになってない?いや、待って。その前に届ける相手いない?うそうそ!勘弁して!いる!大丈夫!いる!いて!いてくれ!………こんな塩梅で脳内評議会が慌ただしくなったので、説明することにした。大事だよ、説明。差し控えちゃいられない。

・「快速特急楽園行」歌詞パーカー

「快速特急楽園行」のリリックの一部をフロントに配置
トートにもプリントしているモノポリーデザインをバックに配置

 カラーはネイビー。「山田大介」って漢字でしっかり入ると着づらそうだから、背面に小さく忍ばせた。アウターの下に着やすい厚さをチョイス。一枚で着ても、重ねて着てもかわいいと思う。 

 「快速特急楽園行」は、再出発の曲。山田大介って人間が「こうありたい」という願望を歌っている。その願望が特に色濃い歌詞をシルクスクリーンプリントした。

Q-Tip みたくセクシーで知的に
PESみたく自由なフロウ
牛はモウでウマはヒヒン
犬はワンで猫はニャーでオレはコレ

うまくやろうとなんかするなよ
入念に準備して 全て捨てるのさ
たかが遊び たかが音楽を
本気でやんのさ 何度でも

山田大介「快速特急楽園行」 より

 30年そこらしか生きていない僕でも人間はとても不安定な生き物だと分かる。毎日天気や体調に左右されるし、お金がないと人にやさしくできない。常に強く、理想通りではいられない。だから、闘うのだ。楽な方に流れないように。勝つか負けるかとかは二の次で、闘うということが必要だ。他人ではなく自分自身と。

 この願望、背伸びしているけどちゃんと自分由来だ。借り物の願望ではない。20代とは違う。自分の足で見つけたモノの一つだ。現在との差をこれからの10年で埋めていく。40歳の山田大介がQ-Tipみたくセクシーで知的になっているのか…んー、どうだろう。むずそ〜。なっててくれ〜。できればあなたにも確かめてほしいぜ。(30代後半のQ-Tipが歌ってるLife Is Better一旦きいとく?)

・雲の上でモノポリートートバッグ

かわいい

 薄手の小さいサイズのトートバッグ。僕はこのサイズのトートを愛用している。財布、本、お水、小物入れを入れるのにちょうどいい。薄さとチープさが色々と邪魔しなくて調子がいい。
 今回、自分が持っていない色をつくりたい、ということで斑らに青色が入っている手染めのものにした。空と雲のようなイメージ。

 プリントされているのは、JABBA DA FOOTBALL CLUBでもデザインをしてくれていた男、西尾和真の過去のデザインを再編集し配置したもの。彼とは10年以上の付き合いで、僕のプロジェクトにデザインで大体関わってくれている。そんな西尾和真のデザインから見た「山田大介」の音楽以外の側面。その一部をピックアップした。

20代前半の頃、学校・会社のコミュニティを飛び出すきっかけになった「NXNG」というポッセや、周りの仲間と共にデザインや映像などを制作している「KOLF」一見、音楽とは関係ないことが、今の山田大介をつくる上で、大きく影響していたりする。周り道が僕には必要だ。そんで、大好きだ。
 そして、なんだか40歳の時も同じように10年を振り返って、歩んできた道に意味付けをするような気がしている。らせんのようにステージを変えながら繰り返していくっぽい。一喜一憂しながら。そんなこんなで「雲の上でモノポリー」だ。

 ぜひ、手に取ってほしい!と言いたいけど、書いている最中に売り切れた。ありがたい。またそのうちつくろうと思う。ほしいな〜って思ったら何かしらのSNSを駆使してDMかポストしてケロ。ケロケロ!

 ケロケロとか言い始めているので、そろそろ幕を下ろした方が良さそうだ。(ほんとは1000文字を超えたあたりで、白旗を大きく降っていた。)

 こんな物語を纏っているアイテムたちなんだ。なげー文章、読んでくれてありがと。あなたにとって、なんかちょっと頑張れるものになってほしいと願いを込めている。

最後に…僕!よくぞここまでオンラインショップのURLを貼らずに我慢できた!エライ!じゃあ、遠慮なく山田大介のグッズ買ってくれ。二回言う。買ってくれ〜!

来年にはきっと新しいグッズを出す。また、その時には、こんな文章を書く。説明不要な関係になるために、説明するのだ。そして、すべて忘れてくれ。

さらば!


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