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お年玉をもらった子どもと話したいお金の話
1月1日。今日は1年で子どもたちが最もワクワクする日かもしれません。
そう、お年玉です。
何に使うか、あれこれ考えている子もいるでしょう。
我が家の子どもたちは、最近、お金に興味を持っています。
買い物に行くと決められた予算の中で買えるお菓子を組み合わせるのが、楽しみになっています。
お金の話といえば、買い物の仕方や投資のやり方といった、「使い方」に目が行きがちです。
お金は使ってナンボ。
しかし、それ以上に大事なことは、もらうのではなく「稼ぐ」こと。そして「お金とは何か」を考えてみることではないでしょうか。
元日の今日は、お金について考えてみたいと思います。
お金の価値は変わる
お金はあればあるほどいい。
お金より大切なものがある。
どちらも一面をとらえたものだと私は思います。
なぜなら、お金は交換の手段であり、それ以上でもそれ以下でもないと思うからです。
そのほかにも交換手段はあるものの、現時点ではお金以上にどこでも、どんなときも使える交換手段はないのも事実ですよね。
だからほとんどの人は、月収●万円とか、年収●円といった目標を掲げます。それはひとつの目安ではありますが、「いくらあったらよいか」は、そのときどきの置かれた状況や世の中の経済状況によって大きく変わるものだと思います。
日本はこの30年、ほとんど物価が変わっていません。
いまの1万円は来年も、再来年も、5年後も10年後も変わらない。
そう思ってしまいます。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
「日本はコスパがいい」ハワイ在住の写真家の話
去年ADDressの拠点をはじめた我が家に、ハワイ在住の写真家が来てくれました。
印象に残ったのは、老後は日本に戻って来たい。という話でした。
彼はハワイの永住権も取得しています。外国人が永住権をとるのは簡単なことではないのでその理由を聞いてみると、日本は「食べ物も医療も安くて、いいものがあって、コスパがよいから」なのだそうです。
少し前まで、日本ではリタイヤ後は東南アジアの国で第二の人生をはじめるのがブームになっていました。しかし、いま、そうした国で老人のホームレスが増えている、と彼は言います。
その背景にあったのは、アジアの経済成長でした。
物価の高騰で、これまでと同じ生活費では同じ生活水準を保つことができなくなったからだというのです。
アジアの経済成長はニュースでは見聞きしていたものの、ニュースで見るのと人から話を聞くインパクトは大違いだと感じた出来事でした。
半導体メーカーが「日本に工場を作る」ことの意味
2021年、台湾の半導体メーカーが熊本県に工場を作ることが決まったというニュースが流れました。
「雇用につながるから」と、国も県も喜んでいるようですが、手放しで喜んでよいことなのでしょうか。
これまで日本のメーカーは国外で生産をしてきました。
なぜか。
それは、国外で生産した方が、人件費などいろいろな面でコスパがいいからだと言われています。
このニュースを見て、かつて工場を作っていた日本が、作られる側になったんだな、と感じました。
世界は私たちの暮らしとつながっている
極めつけは、年末の食用油の価格アップのニュースです。
ニュース解説では、食用油値上げの背景には中国の豚肉の消費がある、と言っていました。
食用油の原料には大豆が使われています。そのからくりは
中国で豚肉を食べる裕福な人が増えた
豚肉のえさには大豆が使われている
大豆の価格アップ
日本の食用油の価格アップ
だそうです。
日本は大豆のほとんどを輸入に頼っています。ニュース解説で登場した買付をする商社の人は「頑張ってはいますが、価格の折り合いがつきません」というコメントをしていました。
買いたくても買えない。すでにそういう状況になっているのですね。
「儲かる」は経済活動の基本
「安くていいもの」は消費者から見ると嬉しいことです。
しかし、もっと大きな視点で見ると、それが「当たり前」になっているためにものやサービスの価格を上げられない、給料が上げられないことは、決してよいことではないでしょう。
「儲かる」ことはすべての基本だと私は思います。
儲かっていれば、目の前のことに追われる必要はありません。
自分の身体や心を犠牲にしてまで働く必要はありませんし、家族や友人、パートナーなど大切な人と一緒に過ごす時間も持てるでしょう。
あるいは、まだ見ぬ誰かの力になりたい。
そう思っても、余裕がなければ、指をくわえて見ていることしかできません。
もらうことばかりを考えるのではなく、お金と時間を生み出して、人の役に立つにはどうすればよいか。
そのための一歩は、世界の動きを知ることなのだと私は思います。
世界で起こっていることはかけ離れた遠い場所の出来事ではなく、自分の暮らしとつながっている。
とはいえ、お金や経済のことって難しそう。と思いますよね。
「お金って、おもしろい」経済に興味がわくおすすめ本
そんな人におすすめなのは『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』という本です。
なぜ格差があるのか、富が借金から生まれる理由、金融の仕組みの裏側など、気になるお金と経済にまつわる話がてんこ盛りです。
今年はお年玉をきっかけに、お金について思うことを親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。
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