野良古 2018年度 夏の句

夏19句

ビニールの中のギプスや髪洗う

余花といふには咲きすぎてゐるやうな

大蟻のかぐろき艶のふるへかな

蟻の列えいやと跨ぐ松葉杖

五十元硬貨まぎるる夜店かな

千匹の磯蟹台北の夕陽

虹消えて定理証明できました

丸き字の板書教授のアロハシャツ

骨折の脚を浮かせる更衣

原付の子らの会釈や夏立ちぬ

赤潮の果てにあぶくのひとつかな

青空痛し海の日の出勤路

「要するに」要されて噛む伽羅蕗よ

夏草やあの水で酒造りょおる

太陽をぐらぐら揺らす夏の草

星空を徒歩十分の帰省かな

星涼し父の部屋よりビートルズ

前の人のずれたるままの踊かな

越南やCMの最後はトマト

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