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実力と尽力に縁取られたパワフルな想いにどうしたって心震えてしまう

ご挨拶


明けましておめでとうございます。
2023年は年女ということで、noteを始めました。

というのは只の口実で、実は以前から思考を文字にして記録することについて考えていました。
今までそれを避けてきたのは「僕、日記を人に見られるのが死ぬほど恥ずかしいと思っちゃうの……」という某者の言葉が頭にこびり付いていたためですが、なんとなく歳を重ねる中で神経が太くなってきたのかもしれません。まぁいっか、と思えるようになりました。
そして何より、私は一表現者なので、自分の言葉なんて残してなんぼのもんだな、とも思ったり。
それに、Radiotalkで音声配信をしているので、今更文章に抵抗を示すのもおかしな話だなと思ったり。
つまり、書く理由が書かない理由を上回ったので、書くことにしました。
このnoteでは、脚本や作品などの記録はもちろんのこと、定期的に自分の思考などを書き溜めていこうと思います。
是非、何気なく読んでいただければ幸いです。


第73回紅白歌合戦

書き初めのタイトルは、昨日の紅白の感想。
以下に個々の感想も載せていきます。全てを載せるとすごい量になるので、一部抜粋でお楽しみください。どうぞ。

【SixTONES】「Good Luck!」

個人的に、今年の下半期一番聴いていた曲です。王道のファイトソングですね。凹んだり落ち込んだり傷ついたりした心を、分かりやすくシンプルに鼓舞してくれる歌詞が好きです。自らの至らなさに身を切られる思いをすることも多かった下半期ですが、この曲をループしながら(そして、色んな方に支えていただきながら)乗り越えました。
あと、この曲をパフォーマンスする時のSixTONESさんの弾けた雰囲気や、自分たち自身が全力で楽しむことによって見る側を楽しませようとする心意気が感じられるところも好きでした。
見ている人を笑顔にするのって、アイドルの根本だと思います。
「最後はやっぱり笑って踊ろうぜ」のフレーズから始まる紅白、とっても元気のもらえるOPでした。

【緑黄色社会】「Mela!」

歌を愛する人が心の底から楽しんで歌ってるのを見れるのも幸せだし、その全力のパフォーマンスを周りの方が楽しみながら、共鳴しながら聴いているのを見れるのも大変な幸せです。
出だしからパワフルに響く歌声と、臆病ながらもそこから一歩踏み出そうとする歌詞に心打たれます。歌を聴くタイミングって様々あると思うんですが、この曲は大切な誰かのために一歩踏み出したい時、そのために背中を押して欲しい時に聴くのにぴったりですね。多分ずっと、好きな曲です。

【Saucy Dog】「シンデレラボーイ」

Saucy Dogさんの曲は学生の頃から頻繁に聴いていて、少し掠れたような声と言葉がとっても好きです。しかし改めて、曲作れる人って本当に凄いですよね。メロディに乗せることで、言葉の持つ層の分厚さも意味合いも香り立つものも実に豊かになります。同じ言葉でもこんなに様々なストーリーが浮かび上がってくるのですから、やはり音楽って最高だなと思わされます。私たちも扱っている「言葉」ですが、それが常に音の響きと同居した状態で紡がれていくのは心底羨ましい。私の演出は時として音楽的だと評されますが、それはミュージシャンへの憧れから来ているのかもしれません。

【milet】「Fly High」

大樹のようにどっしりとしながらも大空を翔ける燕のような歌声。miletさんの歌唱姿はスモークも相まって大変麗しい響きを湛えていました。どんな想いを込めてこの言葉を選んだのかと想像するとどうしたって心が震えてしまうし、歌の持つ力の体現者を画面越しであっても目撃すると圧倒されてしまいますね。バックに流れる羽生さんの映像も併せて、心を抉られるような衝撃を受けながら見ていました。圧倒的なものに心血を注ぐ人を見ると生きる意味を感じますし、生きていこうという活力が沸々と湧いてきます。人間という生き物は、こんなにも力強く尊く輝けるのだという希望。

【三浦大知】「燦燦」

なんて神聖で神々しくて透明感に溢れた曲でしょうか。涼やかな風がそよいでいるようでいて、溢れんばかりの日差しに愛情深く包み込まれてゆくような。やるせない涙も悔しさもやり切れない痛みも全てを認めながらそれでもあなたが少しでも気持ちよく息をして進んでいけることを願うような。
これは幻覚ですが、すごく澄んだ水が喉元を流れていくような豊かさを感じました。息をするのさえ控えめになりながら三浦さんの表現に全身を集中させると、体が芯からじんわりと点っていくような感覚があります。他のアーティストの方も然りですが、人間の表現力と底力、想いを伝え分かち合う力を感じますね。何度だって浸りたい曲です。

【milet×Aimer×幾田りら×Vaundy】「おもかげ」

Vaundyさんのパフォーマンスを実際に拝見したのは初めてですが、想像を遥かに超える力強さと、生きることに一生懸命な感じがフルに伝わってきて少し泣きました。あぁこの人は、心の底から全力だ。そして純粋に音楽が好きだ。怪獣の花唄も、四人で奏でられたおもかげも、どちらも心が満腹になりました。タイトルにした感想は、四人の歌唱を聴いている時に感じた言葉です。この人達は音楽を愛し、音楽の女神と死ぬ程ぶつかり合いながら、今こうして踊っている。圧倒的な才能と言いたくなってしまうけれど、この歌声の裏には触れただけで手を切りそうなほど冷たく重たい時間もあったことでしょう。まさに先日のラジオで話したことです。この世界の上澄のような美しさは、狂気と孤独、絶望と苦痛を濾過させた後でなければ浮かび上がってこないのです。

【back number】「アイラブユー」

ずっと好きなバンドの一つです。スマホを手にして曲を聴けるようになってから、ずっと聴き続けています。素敵な曲なんて山ほどあって、癒されたことも救われたことも心躍らせたことも数えきれません。依与吏さんの紡ぐ言葉が、芯のある優しさと思いやり、そして時には切なさに満ちていて、絞るような祈るような歌声と相まって、大切に大切に私の中に積もっているのだと思います。昨年は水平線を、今年はベルベットの詩を擦り切れるくらい聴きながら、励まされていました。back numberさんの曲を聴くと、人に優しくなれるような気がするので好きです。本当の意味で誰かを想うのは難しいことだけど、想える人でありたいと感じさせてくれます。

【King & Prince】「ichiban」

音が鳴っているのに無音になる、という状況を初めて体感したので思わずたじろぎました。デビュー当初の印象しかなくて、このパフォーマンスも初めて見たのですが、命をかけて踊っているような覇気がありました。若いからでしょうか。ある程度の分別を身につけると「これ踊り切ったら死んでも良い」というような振る舞いはできなくなります。だけどこのパフォーマンスは、死んでも良い、というようなオーラを感じました。何があったのかも知らないし、どれだけのものを背負い、抱え、堪えながら彼らが生きているのかは分かりませんが、この踊りに衝撃を受けてしまう自分が苦しいと感じました。圧倒される素晴らしい踊りだったのに、その根底で彼ら自身が幸せになれないような気がしたからでしょうか。彼らが互いの目を見つめて時には笑顔を浮かべながら千切れるほどに全力のパフォーマンスをする理由が、それができてしまう理由が、悲しいように感じたのは、私の中に彼らの解散というワードがこびりついているが故で。これは私の勝手な解釈で、邪魔なフィルターで、誤読でしかないとは思いつつ、私の中にその感傷が浮かぶのもどうしようもないことなのです。彼ら5人の中でだけ通じるものがあって、私はスノードームの外で何もできずそれを鑑賞しているような感覚。音がどんどん彼らの中にだけ集約されていくような。
でも、息が詰まるほど格好良いパフォーマンスでした。

【Official髭男dism】「Subtitle」

言わずもがなですね。演出もすごく素敵でした。雪とイルミネーション。スタッフワークの素晴らしさに溜息が出ます。真っ白に煌めく世界が、視覚的にも心情的にも眩しいですね。丁寧に大切に言葉を届けてくださる感じが好きです。人間って音楽に救われる生き物なんだなって、Official髭男dismさんを見るたびに思います。同じ時代に生きれてよかったなって感じさせてくれる表現者の方は沢山いらっしゃいますが、Official髭男dismさんもまた然りです。言葉はまるで雪の結晶、とか、言葉選びの一つ一つが繊細で重厚で味わい深い。メロディラインも毎回感情がドバドバ溢れ出てくるような。今回は蚕の吐く糸のような質感のものがふわりふわりと積もっていくような切なくて優しく滲む音が響きます。綺麗だったぁ。

【藤井 風】「死ぬのがいいわ」

私がここまで散々言ってきたことって、なんなんだろうって思います。
あーだこーだと感想を並べてはきましたが、そのどれもこれもが私の妄想に過ぎず、実際のところなんて知り得る術はありません。
感想というものは「私がこう感じました」という主張でしかなく、私が読み取りたいように読み取っているだけなので。
藤井風さんがこの曲を歌いながら何を思っているかも私は分かりません。焼きそば食べたいって思ってるかもしれないし、書くことも憚られるようなこと思ってるかもしれないし、何も思ってないかもしれないし。
だけどただ一つ言えるのは、これは愛の歌ではないだろ、ということです。もっと明確にいうと「他者への愛」では無いなと。
「あなた」というのは自分自身のことであり、純粋無垢で無邪気だった自分を捨てて生きるくらいなら死んだほうがマシよ、ということなのでは無いかなぁと思っています。ま、私自身が20歳過ぎるまで割とそういう思想で生きていたからというのもあるので、ただの妄想に過ぎませんが。

【星野 源】「喜劇」

パフォーマンスの柔らかで暖かな、毒でいて薬のような淡さが心に残りました。この雰囲気めちゃくちゃ好きです。キッチンに愛が溢れている様子。クリスマスみたいにあったかいキラキラ。からの物悲しさの中に微々たる美しさを孕んだスペース、さらにデジタルでスタイリッシュな空間。そして何より歌詞が良いということを書き残したくて。私の居場所は作るものだった、とか、劣ってると言われ育ったこのいかれた星で普通のふりをして気づいた、誰が決めつけた、私の光はただここにあった、とか。他も。なんなら全部。誰かに届けようと歌う言葉が、必要としている人の元に届きますように。よかったら聴いてみてください。

以上です。
すごく好き勝手書いてしまいましたね。
ここに書いた以外にも素敵な瞬間に溢れた時間でしたし、やっぱり私は紅白が好きだなぁと思います。
人が人を想うということが強く感じられるというのと、音楽の素晴らしさ、笑顔の暖かさに触れられるからなのかなぁ。
2023年はどんな年になるか分かりませんが、見たもの触れたもの感じたことにできるだけ丁寧に向き合いながら日々を重ねていけたらと思っております。
本年も何卒、よろしくお願いいたします。


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