この夏
去年からインターンで働いていた会社を7月に退社して、この夏はゆっくり休もうと思っていた。
どうも自分のキャパシティというものがいまだによく分かっておらず、タスク管理やスケジュール管理がうまくできなかった。体を動かすような体力に関しては自分の限界をよく知っているのだけど、頭を使う分野に関しては自分のことを理解できていない。だけど本当にこの約半年ありがたい経験をさせてもらった。あまり出社していなかったし、突然やめてしまったからお礼を言えなかった人がたくさんいる。いつか会える機会があったらなと思っている。これからの人生、20代の若いうちはこんな素敵な大人についていきたいと思った。最初はできないことばかりで自分は無力なのではないかと落ち込んでいて、その当時話を聞いてくれた人たちには感謝している。なんにもできねーよ、と思いながらオフィスを出て日本橋からダラダラ銀座まで歩いて丸善に行くのがいつも楽しみだった。本はいつも私を助けるし、大型書店はオアシスだ。
退社してからびっくりするくらい時間ができた。2週間くらいは昼まで寝たり、昼から人に会ったりした。なんとなく小説を読む気にはなれなかったから、詩集や漫画、写真集ばかり見ていた。魚喃キリコの漫画を持っているものはほとんど全部読んだ。中学生の頃よくこの内容を読めていたなあとは思うけど、22歳になった今でも心に引っかかる作品はほとんど変わらない。道徳や倫理観、社会の規範やルールから外れた行動や感情、それらに折り合いをつけられない気持ちやそれに対する寛容でやさしいまなざし、そういうものを描いたような作品が10代の頃からずっと好きだ。自分が人に対して割と寛容でいられるのはやっぱりそういうものに幼少期から触れてきたからだと体感として思う。そんなにきれいには生きれないし、世界にはほんとうに色んな人がいて、その歪さや混沌が良い。やっぱりアートやカルチャー、メディアは偉大だ。
あとは映画館に行ったり、美術館に行ったり、散歩をした。ライブハウスには行かなかった。それ以外は煙草を吸ったり酒を飲んだり酒を飲んだり煙草を吸ったりして過ごした。
やめてから2週間くらいはほぼパソコンを開かずに生活していたから、久しぶりに卒業制作に取り掛かったときに、タイピングのスピードがとんでもなく遅くなっていることに驚く。メールやSlackを開く習慣もなくなったから、次に働くときまでにデスクワークのルールを全て忘れて、とんでもない失礼ミスを犯すかもしれない。
インターンで働いている間は普段のアルバイトの収入に合わせてインターンの収入があったから、始めた当初は貯金なんかできてしまうのではないかと思っていたけど、貯金どころか普通に金欠だった。服を買ったり美容室へ行ったりと私は割と自己投資をするほうだ。したいことや欲しいものは自分で稼いで手に入れたい。私が将来についてあまりに不堅実なのは「現在」に対する執着なのかもしれない。今の自分の感性で本が読みたい、音楽を聴きに行きたい、映画見たい、酒飲みたい、それが何年後かに同じように思うかどうかはわからないから、今やりたいことや思ったことに忠実でいたいという気持ちが強い。その時どう思うかはその瞬間が来なければわからない。だから貯金をしたところで、と思ってしまうのだ。収入が増えたとてそれに合わせてただお金を使っただけだった。あとはシンプルに貯金よりも稼ぐぞ〜のマインドなんだと思う、働くことも嫌いじゃない。
インターンをしてみたり、やめたり、この春あまりに雑に手をつけた就職活動を経て、働くことへの考え方やこれからしたいことについての考え方も良い方向へ変わっていったここ数ヶ月だった。どんどん人生アップデートできてると思うのよ。
この夏もみなさんお疲れさまでした〜と締めそうになったけどまだ8月上旬だった。夏、暑いの本当にもう嫌だ。
あと本当に卒業制作がやばいので夏休みが終わったらホテルで缶詰かなという所存です😇