🗂️ Design Materials：今こそ、目標達成しよう。ロードマップとは、その制作方法、テンプレ。

目標達成にはロードマップが重要？

プロジェクトの成功や、個人で目標を立て実行する場合、課せられた目的を達成していくために、ロードマップを作成して取り組んでいくことがおすすめです。

プロジェクトの立ち上げるときは、しっかりとした土台を作ることが大切です。プロジェクトの種類に関わらず、プロジェクトの俯瞰的な全体像をクライアント、またメンバー全員で認識を合わせることはプロジェクトの成功に大きく関わってきます。ロードマップはプロジェクトのスケジュールを可視化し、事業目標に沿ったものにするのに役立ちます。

今回は、ロードマップについて、その作り方、また活用方法をご紹介させていただきたいと思います。

ロードマップとは?

例えば、あなたが本当に達成させたい目標があるとします。掲げた目的を達成するにはどのようにすればよいのでしょうか？目標を達成するには、まずプロセス、行程、またスケジュールを細かく書き出すことが大切になります。

ロードマップとは、目標管理、プロジェクト管理に便利なツールで、企業が将来どのような製品をリリースしていくかという計画を時系列でまとめた図、またプロジェクトの成果物、主要マイルストーン、全体的なプロジェクト目標を含む俯瞰的な全体像です。

ロードマップは、プロジェクトの開始の際に、一番初めに作成する必要があります。それにはクライアントや投資家などのような社外向けの資料となるものや、社内のプロジェクトチーム向けの資料となるものなどがあり、それぞれ提示する対象によって意図や内容も異なります。ロードマップは個々の社員の目標達成のために作成されることもあります。

では、なぜロードマップが重要なのでしょうか？

ロードマップを作成する目的は、与えられた目標や課題、目的の達成を決められた期間までに確実に成し遂げるためです。

ロードマップを作成したことがない場合、その必要性が実感しにくいかもしれません。クライアントや、メンバーに俯瞰的な目標を説明する時などにロードマップは最適なツールです。

ロードマップを制作すると、目的と現状を明確にすることができます。そして最終的に達成したいゴールが明らかになってきます。ロードマップを作成するには、現状を把握することも不可欠になります。それによって、あなたのゴールと現状にどのくらい距離があるのかがわかります。

ロードマップは個人的な目標の達成にも役立つことがわかると思いますが、ビジネスにおいては、漠然と計画を立てることは基本的にできません。ビジネスでは、利益を上げて持続的に業績を上げ続けることが必要です。そのために、目標や課題などが課せられることや、自ら目標を設定して成し遂げて成長を願います。

ただ、私たちは個人的に、またビジネス上で目標を設定しても、行動ができない場合も多くあります。がむしゃらに頑張るだけでは目標を達成できないことも多くあります。確実にアウトカムを出せるように、ゴールに向けてのステップの踏み順を明確にしてくれるのがロードマップです。

キックオフミーティングの前にロードマップを作成する主要なメリットはいくつかあります。

→ とにかくゴールが達成しやすくなる
キックオフミーティングの予定を立てる前に、プロジェクト目標を定め、ロードマップを制作すると、現状が分析ができるために、今ある課題も明らかになります。また課題を解決するたまめに、いつまでに何をすべきかがわかってきます。また、それと同時に最終的に目指すものが何であるのかを捉えます。これによって俯瞰的な全体像が見え、それに向けて達成していくべきマイルストーンが設定されるので、ゴールに到達しやすくなります。ロードマップはプロジェクト・タイムラインのビジョンを明確化するのを助け、それによって目標達成に向け行動が取りやすくなります。

→ チームの賛同を得ることができ、またチーム力が高まる
ロードマップの制作によって、プロジェクトにとって重要なアウトカムは何かをはっきりと決められます。キックオフミーティングを開始する前にアウトカムを確立すれば、ミーティングに招待すべき参加者が明確になり、関係者にわかりやすくアウトラインを説明できるのでクライアント、またチームの賛同を得やすくなります。またロードマップをチームメンバーとシェアをし、メンバー内で生じる認識のズレなどをなくすことができます。また、各メンバーの役割や課題などが明らかになるので、コミュニケーションをとりやすくなります。

→ モチベーションが高まる
ロードマップの仕様で、やるべきことが明確になるのでモチベーションが高まり、チームの団結力や実行力も加速していくでしょう。

ロードマップの例

ロードマップの作成方法はさまざまあります。そして正しい方法は 1 つだけではありません。大事なのは、プロジェクトや目標のニーズに応じて、最適な方法を選ぶことです。

よく見かけるのはガントチャート形式で表示されたものです。その理由は、特定の日時が明らかになるからです。これはおおよそのスケジュールと各タスクの概要が、プロジェクトロードマップのグラフの横棒で表されています。これをチームで共有し、スケジュールに関して全関係者の認識を合わせ、プロジェクトのスケジュールや目標について俯瞰的な全体像を得ることができます。

こちらの簡単なロードマップは、青い部分がデザイナーのタスクで、緑の部分がエンジニアのタスクになっています。いつまでに、UIのデザインを完成させるべきかはっきりわかるので、エンジニアとのコミュニケーションが取りやすくなります。このロードマップはToggl（トグル）というアプリケーションを使用し作られました。ポイントはまずは可視化することです。タスクごとに時間管理を可視化できる便利なサービスです。メンバーによるプロジェクトの時間管理もしやすい利点があります。シンプルなUIなので楽にプロジェクト管理ができます。

Toggl Plan - Beautifully Simple Project Management Software

ロードマップの作成方法

効果的なロードマップを作成するためには、プロジェクトのタイムライン、アウトカム、スケジュールを視覚化する方法が大切です。これらの要素を組み合わせることにより構成されるロードマップは、いつ何が行われ、クライアントやメンバーがどのような取り組みに関与するのかを大まかに捉えた俯瞰的な全体像です。ロードマップの作成における ポイントをご紹介します。

1. 期限を設定する

ゴールを1年後、○ヶ月後など期限を設定するのはもちろん、中間目標の設定など期限や期日を設けましょう。

ロードマップ作成の基本ステップは、まずはアウトカムと中間目標の定義、また設定することです。プロジェクトを完遂するために重要な中間目標地点のことをマイルストーンと言います。プロジェトがいつ始まり、いつ終わるのか。スケジュールを初めから決めるることで、アウトカムやマイルストーンの合理的なタイムラインを無理なく定めることができます。

プロジェクト終了時までに完了されるアウトカムは何か。また認識が必要な特定の期日やプロジェクトマイルストーンがあるかを捉えます。

マイルストーンを設定することのメリットは、プロジェクトまたは作業工程の中でも重要となるポイントがどこにあるのか、遅延が出てしまうとプロジェクト全体に大きな影響を与えるポイントはどこなのかを明確に把握できることです。

2. 課題の洗い出し

マイルストーンを設定したら、その目標を達成するために乗り越えなくてはならない課題をブレインストームして書き出して行きます。そして、まずは現状を把握しましょう。書き出された課題をどうすればクリアできるのかを考えましょう。

現状、 チームが認識すべきリスクはありますか？またプロジェクトの成功を阻む可能性がある課題として何が想定できるでしょうか？

3. ロードマップ作成をしよう

ロードマップは長期のプロジェクトをはじめ、短期間で達成すべきゴールであっても、何をいつまでに、どのように行うかなどの計画づくりが大切です。ゴール到達への可能性が高めるために、マイルストーンを意識して、できるだけ具体的に書き出しましょう。しっかり時間をかけて考えなくてはならないのは、ロードマップの中身です。

とはいえ、みんなにわかりやすく、目標管理や進捗管理がしやすいロードマップの作り方や見た目を考えることに時間を割くことや作り込みをするために手間をかけるのは時間のロスです。ロードマップを作成するためのツールとして、テンプレートやアプリを利用しましょう。

ロードマップはチームと共有しながら、管理していくことが大切になるので、分かりやすいロードマップの制作が大切になります。

クラウド上で共用できるITツールを使うことや個人ごとチームごとの進捗管理も簡単にできるアプリを活用するのがおすすめです。チームが作業を整理、追跡、および管理できるようにデザインされたWebおよびモバイルアプリケーションが多々あります。

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ロードマップを作成するためのヒント


1.目標と利点に焦点を当てる
ロードマップを作成し、戦略を最適に実装する方法を決定する前に、製品戦略を説明して検証します。

私たちはProductVision Boardを使用して、有効なプロダクト戦略を開発しています。ProductVision Boardは、ビジョン、ターゲットグループ、解決すべき問題または提供されるメリット、製品の主要な機能、およびビジネス目標をキャプチャします。 Product Vision Boardテンプレートは、romanpichler.com/toolsから無料でダウンロードできます。

https://romanpichler.com/tools/

2.必要な準備作業を行います
アジャイル開発の中はいつでも目標指向のロードマップを使用する必要があります。目標指向のロードマップは、顧客の獲得、エンゲージメントの向上、技術的負債の除去などの目標または目的に焦点を当てています。

GO・プロダクト・ロードマップと呼ばれる目標指向のロードマップテンプレートが無料でダウンロードできます。これは、機能よりも目標の方が重要であるという考えに基づいて構築されており、次の図に示すように、日付、名前、目標、機能、指標の5つの要素で構成されています。

https://www.romanpichler.com/tools/the-go-product-roadmap/

3.まとまりのある物語をつくる
ロードマップは、プロダクトの成長の可能性について一貫したストーリーを伝える必要があります。これによって皆に伝わりやすく賞賛を得られやすくなり、チームの認識のズレなどをなくすことができます。また、各メンバーの役割や課題などが明らかになるので、コミュニケーションをとりやすくなります。ストーリ性のあるロードマップは、やるべきことが明確になるのはもちろん、チームのモチベーションが高まり、チームの団結力や実行力も加速していきます。

4.シンプルに保つ

ロードマップに多くの詳細を追加したいと思うかもしれませんが。シンプルで理解しやすいものにすることを心がけてください。本当に重要なことを捉え、目標に焦点を合わせて残りを省きましょう。 ロードマップの機能をきめ細かく保ち、目標から導き出します。 

5.強力なバイインを確保する
バイインとは、プレイヤーがゲームに参加するために支払わなければならない金額です。 現金を使ったゲームでは、それはプレイヤーがテーブルに着くために支払う金額を指します。

プロダクトの開発、マーケティング、販売に必要な人々が製品を購入しなければ、最良のロードマップは価値がありません。合意を作成する最良の方法は、主要な利害関係者と協力して製品ロードマップを作成および更新することです。これにより、彼らのアイデアや知識を活用し、強力な賛同を得ることができます。次の図に示すように、共同ロードマッピングワークショップを実行することは、全員を関与させ、共有製品ロードマップを作成するための優れた方法です。

6.「ノー」と言う勇気を持ってください


主要な利害関係者から賛同を得たいと思っている間は、すべてのアイデアや要求に「はい」と言うべきではありません。イノベーションとは、すべてに「はい」と言うことではありません。

「最も重要な機能以外はすべてノーと言うことです」とスティーブ・ジョブズは述べています。

ビジョンとプロダクト戦略を使用して、正しい決定を下してください。 「ノー」と言う勇気を持ってください。

7.日付を表示するタイミングを知る
ロードマップに日付を表 示しないことを推奨する人もいれば、常に日付を含める人もいます。開発チーム、マーケティング、販売、サポートなどの内部の利害関係者によって実行される作業を調整する内部ロードマップで日付または時間枠を使用することをお勧めします。ただし、顧客やユーザーに表示され、販売ツールとしてよく使用される外部ロードマップを使用する場合は、日付や時間枠を表示せずに、リリースを順番に並べて、次のグリッドを使用して注文することをお勧めします。

8.ロードマップを測定可能にする
目標指向のロードマップを使用するときは、すべての目標が測定可能であることを確認してください。これにより、目標を達成したかどうかを判断できます。

たとえば、顧客を獲得することが目標である場合は、何人の新規顧客を獲得する必要があるかを自問してください。または、技術的負債を減らすことが目標である場合は、不良コードをどれだけ削除または書き換える必要があるかを判断します。

目標を述べないと、目標を達成したかどうかを見分けるのが難しくなります。ただし、現実的な目標を述べ、ロードマップの目標が現実的であることを確認してください。

9.コストをトップダウンで決定する

常に開発コストをボトムアップではなくトップダウンで決定することをお勧めします。ロードマップ機能から適切なユーザーストーリーを導き出し、チームから正しい見積もりを取得し、プロダクト・バックログの変化の速度と速度を正確に予測することは事実上不可能です。それをうまく機能させたとしても、調整や維持が難しい、非常に長く複雑な製品バックログになってしまいます。さらに、機能を明確に定義された要件に変換し、詳細な見積もりを作成するには、数日、場合によっては数週間かかることがあります。
代わりに、ロードマップで目的のリリースを作成するために必要となる可能性のあるスキルを持つ人の数を決定します。

描く
同様の製品または同じ製品の以前のバージョンを開発した経験。適切な専門知識を持つ十分な人があなたの会社にいるのか、それとも人を雇ったり契約したりする必要があるのか を検討してください。これにより、必要となる可能性のある人件費がわかります。次に、施設、インフラストラクチャ、材料、ライセンス、およびその他の関連アイテムのコストを追加します。この演習は、開発チームと一緒に実行してください。


10.ロードマップを定期的に確認および調整する
大事なことを言い忘れましたが、現在の環境がアジャイルである場合、変化が起こる可能性があります。 したがって、ロードマップを定期的に確認および更新する必要があります。

まとめ

プロジェクトの成功や、個人で目標を立て実行する場合、課せられた目的を達成していくために、ロードマップを作成して取り組んでいくことがおすすめです。

マイルストーンと呼ばれる中間目標を定め、課題を明らかにし、それを解決する手段を考えて実行していきます。ゴールやマイルストーンには期限を設け、目標は数値で客観的に定めることが大切です。ロードマップ作成には管理もしやすいテンプレートやアプリを活用してみましょう。

私も色々勉強中なので、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
お読み頂きまして、ありがとうございました。

メルボルンを拠点にプロダクトデザイナーとして働いています。 主にデジタル・プロダクトの制作に携わっています。