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🎡ワクワクを追い求めて②
先日ちょっとした虫歯を治療してもらいに父の歯科医院に行った。
急患が来たとの事で凄く時間が押していた。
私は最終時間だった且つまぁ多分身内ということもあり遠慮なく待たされた。
特にその後の予定もなく問題ないし、待つこと自体苦に感じない性格なので、案内されたチェアで気長に待っていた。
そのとき隣では小さな女の子が緊張しながら治療を受けていた。
「ちょっと虫歯深いですねぇ、、」と言われてるのを聞いてがんばれがんばれと他人事ながら祈っていた。
その子は泣くことなく治療を無事終え、「強いぞ!よく頑張った…!!」と心の中で絶賛していると、「では頑張ったご褒美!好きなの選んでね~」と言うアシストさんの声が聞こえてきた。
そうだ、ここではお子さんが治療を頑張ったらご褒美に可愛い消しゴム(動物やお菓子の形をしたヤツ)をプレゼントしているのだ。
その時私はそれが凄く好きだったことを思い出した。ご褒美を貰えないような年齢になってもずっと「貰えるのいいなぁ」と横目に見ながら羨ましく思っていた。
なんであんなに好きだったんだろうか。
診察待ちの間その事について考えることにした。
*
前回、私は自分がワクワクするものとしてシールを例に挙げ、その中でも特にシャカシャカと音がしたり触り心地が独特であったりと、工夫が凝らされたものに心惹かれていたことを書いた。
(その記事はこちら↓)
今回取り上げる「動物消しゴム(と言うことにする。お菓子や他の物もあるが。)」は、そのような特徴を持たない。振っても音は鳴らず、触れた感触は通常の消しゴムと同様である。にもかかわらず、なぜ私はこの動物消しゴムに魅力を感じていたのか。私なりに考察してみた。
第一に、動物消しゴムの多様性から自分の好みのものを選べる楽しさが挙げられる。飲食店で子供がおもちゃを選べるサービスに似た、この選択の自由こそが胸を踊らせていたのではなかろうか。普段は特段欲しいとは思わないようなものでも、「好きなものを選んでいい」と言われればその中で自分の好みを見つけようと心弾ませて選ぶものである。
第二に、日常の中で馴染み深いモチーフが消しゴムとして存在することが親しみを感じさせる事があると思う。特に自分の好きな動物や食べ物が形作られていれば、それだけで心が惹かれずにはいられないだろう。
第三に、動物消しゴムには一部分解可能なものが存在し、私にとってはそれがまた楽しい要因であった。例えばホールケーキのデザインでは、上に乗ったいちごを取り外せる仕様となっており、その過程が楽しく、しばしば取り外しと装着を繰り返し楽しんでいた記憶がある。
これらの理由から、私は動物消しゴムに特有の魅力を感じていたのだと考える。
*
こんな風に動物消しゴムについて、シンプルでありながらも奥深い楽しみを提供してくれるものだなぁと染み染み感動しながら物思いにふけっていたら父が「お待たせしました~」とやってきた。
またこの発見からお口サークルで子供がワクワクできるような工夫を模索していきたいものである。
因みに治療は小さい虫歯だったので一瞬で終わった。確実に待ち時間の方が長かったがまぁそんな日もあるのである。
(サムネは動物消しゴムではないが、何となくそれっぽいお気に入りの置物。ブルーハムハムというキャラクターである)