👄矯正日記～抜歯とネジ埋入～

↓前回の話はこちら↓

※歯科医師1年目口腔外科にて研修中の私が患者側になる実体験日記です。歯科医師としての感想や専門用語(できるだけ解説を入れたつもり)が混じってます。読みにくかったらすみません。

勘違いから始まる

1月11日(土)晴れの日の午後。

さぁいっぱい歯抜かれるぞ!!

そう意気込んで歯医者さん行ったら｢今日は親知らず2本抜歯とアンカースクリュー4本とSMAP1個埋入しますね～｣
あれ?!親知らず以外の3本抜歯より先にネジぶち込む日だったか!!
完全なる勘違い。

まぁ順番が入れ替わっただけで特に覚悟変わらんのでまぁいいや。

『よろしくお願いします。』

準備

因みに全て日帰り局所麻酔下(+緊張和らげるための笑気麻酔)で行います。
まずは術後の腫れ抑えるためにステロイド静注しますね～と。
(うちらで言うソルコーテフ的な？)
さらには術前に痛み止めと抗生剤も出された。
｢痛む前に飲むのがいいですからね～｣と。
こういうパターンもあるのかーとゴックン。

鼻に笑気麻酔の管もつけてもらい、さぁいざゆかん！

麻酔

まずは局所麻酔。
やっぱり口蓋側(ほっぺと反対の方、舌側)って頬側に比べると痛いんですね。いつもそうらしいと聞いてそう思って打ってたけどめちゃくちゃ実感しました。流石の私も眉潜めるレベル。
っていうか親知らず抜歯に口蓋側も麻酔するんだと思って聞いたら｢アンカースクリュー(口蓋側に)打つからね～｣と。そうだった。
沢山麻酔されました。合計何ml打ったんだろ。カートリッジ３本は使ってそう。

上顎右側親知らず抜歯

麻酔を効かせた後で右上親知らずから抜歯。
切開・剥離の時は全く何してるか分からない。ちょっとギコギコ感じるくらい。
上顎はドリル使ったら凄い開口してもらわないといけないし筋突起邪魔で使いにくいからダメなのよ～(確かそんな感じで言ってた)とマイセル(金槌)で骨を砕き出す。
これ暴力なんとちゃうか?!?!というレベルで殴られる(安心してください、合法です)。
脱臼させる時は力かかってんなーって分かるけど、歯抜けた瞬間はほんとに分からんかった。言われないと全くわからない。
抜けたからね～って言われた時『ほぇ?!』と思わず声出た。
今まで患者さんもこんな気持ちだったんだ、、
肉芽掻把(抜歯したとこのお掃除)意外とガリガリ感じた。

SMAP埋入

さぁこっからSMAP埋入。

因みにSMAPってこういうの。
骨に埋め込むプレート。

上顎の結構上の方の骨に埋め込むので中々に大変そうだった。

ところがどっこい、私は別のことと格闘していた。この辺から急に笑気麻酔がめちゃくちゃ効き始めて世界がグワングワンし始めたのである。完全に｢お酒飲みすぎたぜ～｣って時と同じ感覚。このままでは泥酔状態になってしまう…!!と要らぬ防御反応で必死の口呼吸(笑気麻酔は鼻から吸入してるので)。
中華料理屋行ったらなんか回るテーブルあるじゃないですか。あれに乗って回ってる感じでした。(そんなことした事ないけど)
最初猛スピードで回されてた感覚が必死の口呼吸により段々ゆっくりになってきてホッとした。いや回されてはないんだけど、感覚としてね。
本当は効かせないと意味ないんだけどさ。まぁ不安を取り除くための笑気麻酔だし効いてなくてもいいよねっていう。

本題に戻ろう。
SMAPはなんか初めはゴリゴリ頑張ってなんかいじってるなぁくらいしか分からなかった。多分埋入する位置が決まったんやろなってところでドリル登場。｢響きますよ～｣って言われて覚悟したけど、虫歯治療と比べて全然響かなかった。しんどいとかよりも自分の骨にネジぶち込まれてるなぁって実感してるのが凄く面白かった。
この時埋入する位置って結構口の奥の方になるので視野広げるために唇を器具で引っ張ってはってんけど、5人くらいで引っ張ってるんちゃうかってくらいの勢いで引っ張られててそれも面白かった(多分本当は2人)。自分も手術入ったりする時思いっきり引っ張る側で気持ちわかるからみえるように遠慮なく引っ張ってくれ～とか思ってた。

さぁ無事埋入終わって右側縫合。
縫合はやっぱり口大きく開けなきゃいけないもんなんですね～｢頑張って口大きく開けてね～｣って何度か言われて頑張って開けました。

これで上顎右側つまりは今日のメインは終了。

上顎左側親知らず抜歯

続いて上顎左側の親知らず抜歯。
麻酔足してあとは右と同じ行程なんだけど、やっぱりマイセル(金槌)で骨砕くのがあまりに力強過ぎて思わず声出して笑ってしまった。まじでやってる事暴力すぎる、歯科治療じゃなかったら人殺せてるちゃうかってレベル(感覚の話でそんな事ないはずです、安心してください、合法です)。
笑ってたら｢ごめんね～ドリル使えないからね～｣って言われた。
歯脱臼させる時もすんごい力かけられたけど、やっぱりそうよなぁ口腔外科ってパワーよなぁと思いながら耐えた。
ちょっとミシミシ音が気持ち悪い位であとは別にしんどくなかった。こちらも問題なく終了。

因みにこの辺でもっかい笑気麻酔が効き始めた。中華料理屋テーブルぐるんぐるんってほどでは無いが、脳内でVaundyの踊り子が流れてた。
｢回り出した～あの子と僕の未来が～♪｣
こんくらいのスピードでゆっくり回ってた(物理的には回ってない)。

秒で終わったアンカースクリュー

これで大きい施術は終わり！あとはアンカースクリューを打ち込むだけ!!
上顎2つ、下顎2つ、ドリルでねじ込んでもらった。まじですぐ終わる。痛くもない。あまり感覚も無い。
(因みにアンカースクリューっていうのはほんとにただのネジ。ワイヤーとかゴムとか？引っ掛けるためのネジ)

ってことで終わり！
酷く痛むとかもなく無事終わって良かった。ﾎｯ

感想とか

まずは兎に角スタッフの皆さんが優しくて助かった。｢(私が)歯科医師やし分かっとるやろ｣っていう感じでは全くなく、｢念の為！｣と丁寧に説明もして下さり、膝掛けもどうぞ！とかけて下さり、さらには主治医の先生はめちゃくちゃ色々教えてくださった。
忙しいだろうに余裕のある先生で、質問したらなんでも答えてくださるし、私が歯科医師であることを知ってるため+αの知識まで教えてくださった。ありがたすぎる。
関わって下さったスタッフ全員に心より感謝と敬意を🙏

全てを終えてお会計。
いっぱいお薬やらなんやら受け取り、
自分では払ったことない恐ろしい金額(25万)をカードで切って帰った。

ちなみにお薬ボルタレンとフロモックス。私等が処方するのと全然違うところが面白い。
ボルタレンってロキソニンよりめちゃくちゃ強力な痛み止めやけどその分お腹下しやすいはず。なのに胃腸守る薬は出してくれんのかい！

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いつも抜歯する側だけど、患者側だったらこんな感じなんだってめちゃくちゃ勉強になりました。
特に声かけって大事だなって思った。何されているのか全く分からずそれが意外と不安なものだ。
私は多分元から結構声掛けてるつもりだけどらこれからより一層意識して何しているか声かけようと思った。
あと終始怖いとかよりも楽しい面白いが勝ってたな。患者側も経験できて嬉しかった。

その後のメモ

14:45くらいから抜歯はじめて、15時半過ぎに終わったかな？
そして今(16:47)もう痛い。痛みがもう来てる。
早く痛み止めを飲まなければとおもいながら電車に乗ってた。
っていうかあとSMAPのプレートがほっぺたにあたって痛い。これは口内炎できるわ…なんか保護したいな……

18:00 麻酔完全に切れた感じで痛くなってくる。
ご飯食べつつ痛み止め(ボルタレン)と抗生剤を飲む。
ご飯はお粥とクタクタ白菜のスープ。腫れと痛みとネジの邪魔さで食べにくかった。

18:20 薬すぐ効いた。痛みほぼなし、違和感のみ。ボルタレン強すぎる。

22:15 ちょっとじんわり痛み出したので自分で持ってたロキソニン、レバミピド服薬

問題なくその後就寝

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術日はこんな感じ。
何度も言うが舌ピに憧れていた人間なので、口腔内のネジが嬉しくてたまらない。
見えないところではあるが舌で触って感じるのが凄く嬉しい。やっぱりアンカースクリュー、ましてやもっと存在感あるSMAPはオシャレすぎるって。
…共感してくれる仲間はおらんか？
まぁご飯食べる時は邪魔で特にSMAPにもの詰まる感じは不快だけどネ。

また2日目以降の感想は別ノートで🏃