トートタロット「欲望」
アレイスター・クロウリーのトートタロットでリリス的なカードで思い浮かぶのが「欲望」のカード。
クローリーの「法の書」では男女平等が謳われていてこの「欲望」のカードには女性的な力を讃美されています。
ウェイト版タロットでは「力」のカードに対応されています。
貞淑そうな女性がライオンを優しくなだめている様子が描かれています。
クロウリーは聖母マリアの処女懐胎などの処女性にのみ霊性のパワーがあり女性の価値があるように限定する古いモラルを否定しています。
「欲望」のカードの女性は獣にまたがり腰を振って、獣をなだめるどころか精力を吸い取られるように描かれています。
獣の野蛮なエネルギーを吸い上げて、全て内側に取り込み、新たなるエネルギー、新たなる生命へと変換しているようです。
このカードの女性はクローリーの魔術体系において、「緋色の女」と呼称されている女神ババロン。
ババロンの象徴は解放された女性のセクシャルなパワーや生きることへの歓喜。
生命としての喜びを味わい尽くす。
ヨハネ黙示録の「大淫婦バビロン」と同一視する解釈もあるようです。
オシリスの時代の聖人からみたらバビロンとは「悪魔」的な存在。
「ヘルメティックカバラは生命の力を全肯定する」
このことが悪魔的と言われたようです。
アレイスター・クロウリーは、大淫婦バビロンを女神ババロンとしたように、キリスト教によって貶められた神を復権しようとしていた……と言われています。
「欲望」のカードは獅子座に対応するカード。
クローリーが「法の書」で新たな時代の到来を宣言していてそれは3つの時代に別れています。
約2000年ごとに区切れるとされ、占星術的には春分点変更の2160年ごとと言われています。
・イシスのアイオーン(異教の時代/牡羊座)
・オシリスのアイオーン(キリスト教の時代/魚座)
・ホルスのアイオーン(人間が真の意思を持つ時代/水瓶座)
この3つ目の時代が「ホルスアイオーンの時代」で水瓶座時代とほぼ重なると言われています。
これから始まる「ホルスの時代」は社会や価値観などすべてが大激変する時代だと言っています。
これまでは人間は神の意志に従うという概念がありましたが、新時代は神の意志より個人の意志の方が重視されるようになる、と。
獅子座のカードである「欲望」は占星術的に対になる水瓶座時代と補う合う関係となります。
獅子座に対応する「欲望」なくしては水瓶座の時代すなわち「ホルスアイオーン」の新時代は成り立たないとクロウリーは考えているようです。
参考文献「トートタロット入門」中村ヘイズ
Wikipedia 大淫婦バビロン
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