見出し画像

石原夏織 1st LIVE TOUR「Face to FACE」感想ー消えてしまった虹の彼方へ

石原夏織が好きだってこと。今日はそれを伝えに来た。

結果的に千秋楽を在宅してしまった弱さを抱え、僕は湯船に沈んでいた。このままではいけない。何ができる?東京に行かなくても、行けなくても、今僕がすべきことはー

気づけば、僕は今、キーボードを叩き始めた。様々な思いが交錯している。ただ、あの記憶を残しておきたかった。そして、ただただ「よかったねかおりちゃん」と言いたい日に今日は違いないのである。

ツアー終了。ということでネタバレありの名古屋・大阪を総括した感想をやっと書くことができる。ツイッターでは流れてしまう。だからここに刻み付けなくてはならない。ツイートの断片のように文章を切り貼りしていく。まとめられないかもしれないが、書く。

簡単なここまでの石原夏織

・・・何度考えても、今日という日が来ることを僕は予想できなかった。ツアー初日、僕は不思議な気分に満ちていた。それもそのはず、一度ゆいかおりは、あのユニットは止まってしまったから。そして、夏織だけが、どこにも行けないような気がした。王国の残酷な選択によって、運命は引き裂かれた。

僕はいつか、誰かが言った言葉を一生忘れない。

「ゆいかおりのゆいじゃない方」

そういう見方をあの子はされていた。それは、今はこんなブログを書いてしまう僕でさえ、当初はそう感じた。嘘はつかない。でも、酷すぎるワードである。完璧すぎる小倉唯の横に立つ少女には、正直、同情の気持ちさえ覚えた。

本人は、顔にも、口にも絶対に出さないが、そんな視線を不特定多数から浴びてきたこと、それを肌で感じていたことは間違いなかった。

しかし、君は君らしく、いつも飾らずに笑っていた。それが小倉唯を支え、日々を悩みながら生きてしまう僕らの支えになった。そして、徐々に君の魅力がたくさんの人に届いていった。嬉しかった。僕も君のことが大好きになった。

ラジオでは最悪の滑舌とポンコツを披露し、放送事故を繰り返すくせに(超かわいい)、演技やダンスでは決して隙を見せないギャップに、いつもやられる。話す声が好きだ。笑い方、仕草、愛しくてたまらない。同一人物なのか??と思う日も少なくない。でもそのすべてが石原夏織なのである。いつも見てたからわかる。

どこか抜けている君を見ていると、なんだか自分を肯定された気持ちにもなる。勘違い、親近感?絶対に違う生き物でしかないのに、錯覚してしまう。その錯覚を覚えるのは、きっと僕だけではないはずだ。

人前でなんだかうまく話せないあの感じ、決して強くない記憶力、天然では済まされないキャラクター・・自分を見ているような気持ちになるし、一緒に成長したいと思った。その為には、ゆいかおり休止で止まらずに、先のルートを見つけたかった。

だから、ソロデビューが決まった日は嬉しかった。ひとつだけ扉が開いたような気がした。先があって、前に進めることが分かったから。それから、ラジオが始まって、シングルが出て、リリイベがあって、アルバムも出た。ワンマンライブもやった。そのひとつひとつが奇跡に思えた。

未だに何も信じられない。今度はツアーが決まったって話になってたから。長い夢を見ているのかもしれない。だって、僕は君が元気でいてくれたら良いだけ・・・だと思ってた。

でも、そうは思えなくなった。今回のステージを見たら。めちゃくちゃ良かったから。これは夢ではなく、確かな現実だと僕は確信したから。僕が信じてた石原夏織は、もっともっと高いところに飛べるとわかったから。貪欲に、強欲になってしまう。そういうライブであった。


ライブレポート

とにかく音楽的にも豊かで、石原夏織という表現者が今後どのような方向に向かっていくのかをわからせるライブだったと思う。MCの内容などは、ほかのブログやツイートを漁ってもらいたい。ここでは、音楽的な話を中心に書く。

声優アーティストが次々にデビューし、乱立していく中で、オリジナリティを見つけ、磨いていくのは簡単なことではない。しかし、この日が僕見たのは彼女にしかできない表現であった。それが嬉しかった。

覚醒の夜と言っても過言ではなかった。演出、見せ方も含めて、視覚的にも一流だった。後半のダンス曲の連打は特に素晴らしかった。Tempestがもう、かっこいいのなんのって…

1曲目、Blooming Flowerのイントロで世界一輝く太陽のような君が現れる。眩しすぎて、涙が溢れて、僕は目の前が見えない。前回の大宮の時もそうだったけど、もっと輝いてる。俊龍、おまえは天才だよ。

「ドアを開けて さあ出かけよう」、そう歌いながら、夏織が階段を下りてくる。その先に広がるのは君が歩いていく明るい未来、道である。キラキラの照明に照らされる。君は光そのもの。

それは半透明の世界から差し込むsunny you…続くクリクリ、ポペラホリカで会場はまるでレイヴパーティーの形相に変化していく。レーザー光線と共にブチ上がっていく。いい。

重低音が超効いてる。これって、もっとギュインギュインに強めたら、もっとやばいパーティになるんじゃね??と妄想が膨らむ。今後、そういう方向を追求してもいい。極上のアニクラに来てる気分。ファンも完全にそのノリに対応してる。素晴らしい

続いて、夏織の思いを込めた会場限定のカバー曲ではそれぞれの思いを胸に秘めていたオタク達の悲鳴にも似た歓声が飛び交う。

それぞれの曲に触れれば、時間が足りないので割愛するが、僕としては大阪公演のButter-Flyに特に感動した。いつか超有名作、大型タイアップが付くシングルが出ても、何らおかしくない。そう思える歌声の形をしていた。

続いて…クリスピーラブかわいすぎわろた…石原夏織が歌うピンクピンクしたかわいい曲かわいすぎわろた…オレンジノートもむり…

衣装チェンジ、しっとりしたパートを歌い上げる姿に見惚れる。empathy(winter alone ver)は化け物級によかった。心の底に染み入る。これぞバラード。雨模様リグレットも、同じ曲でも前回と違う演出、アレンジで魅せてくれる。

まるで彼女の成長に合わせて楽曲をアップデートしたかのような印象だった。演者だけの力には任せず、いつもちゃんと考え、それを行動に移し、支えるスタッフに恵まているな・・・と改めて感じた。

そんなセンチメンタルな光景を塗り替えるのは新曲・Taste of Marmaladeである。スタンドマイクに寄りかかるボーカル、ジャズテイストのサウンドが会場をダンスホールに変えていく。

妖艶な空気に支配される。体が止まらない。スイングせずにはいられない。ああ、このライブは、本当に石原夏織がかわいいだけではなく、ちゃんと音楽として楽しい。心の底からそう感じた。

ダンスホールと化した会場はまだまだその熱を冷ます気配がない。ここで、驚異の高速ダンス曲三連続パートに突入する。

一口にダンスミュージックと言っても様々、ジャズから打ち込み曲への繋ぎはセトリとして予想していたが、想像以上に自然だった。音楽として美しい。完璧だ。

インストと共に映し出される映像には、ダンサーと石原夏織、檻のような、骨組みのみの立方体(記憶アイマイモコ)。perfumeが歌番組に出たときみたいな、そんなセンスにあふれた映像が流れていた。

そこから、再び、夏織が登場し、シームレスにライブに繋がっていく。一緒に踊っても、じっくり見つめても楽しめる。かっこよすぎる。かっこよふすぎる。キレッキレだ。全人類に見せたい。

これに限らず、全体的にダンスと映像のシンクロが素晴らしかったと僕は感じた。VJが最高ってこと。昨今の声優アーティストは生バンドでどこまでやれるか?を基準とするが、石原夏織は全く違うベクトルを持っている。

ダンサーの数もちょうどいいし、バンドはもはや必要ないのではないか?と今は感じられるくらい、ダンスが最高にイケてる。いつか、ダンス=石原夏織を人類にわからせる日が来ることを夢見てしまった。このままのスタイルでどこまでやれるか見てみたい。

全てを終え、汗だく、息を切らした僕らと夏織の前に最強のポップス=Face to Faceが降臨し、皆を幸福の絶頂に連れていく。

「会いたくて 会いたくて この思い止められない これからも君がいい 答えならひとつだから」・・いや、本当それでしかなかった。僕らの気持ちが、そのまま歌詞になっていた。この石原夏織についていく。絶対についていく。

予定調和的な要素を除外した、鳴り止まぬアンコールの後で、虹のソルフェージュのイントロが流れる。個々が思い思いに点灯したサイリウムが虹を作る。素直にきれいだと思った。

様々な可能性が、希望が、人の思いが光となり、虹の彼方で乱反射するように見えた。Reflectーそれを可能とするのは、言うまでもなく、石原夏織という太陽が僕らを照らしてくれるから。

思い出す。ソロライブの日に思い出すべきではないことを。やはり、でも、確かにそれは認識していた。あの日消えてしまった景色を。「また同じ景色 見られますように 今年もみんなで」、そんなフレーズが頭をよぎる。その言葉が虚しく響き、虹が消えた日のことを。

しかし、今、僕らは確かにこの目で虹を見ていた。

厳しい時代を生き抜き、雨が降り、季節は巡り、それでも、君という太陽があったから、僕らはまたこの景色に出会えた。そう思った。失ったはずの音が凛々と聞こえてくるような気がした。そして、これは君が君らしく歩いた先の未来。ダメだもう涙が止まらない。

ああ、僕は、生きていて良かった。もう何もいらないと…君が元気ならいいと思ってた。それなのにもっともっとを望んでしまう。君が眩しいから。この先を見たくなる。

ああ、もっと近くで君を見たい。火傷してもいい。僕らがそう思った矢先、彼女は客席に降りてきた。(東京公演では現在の状況を鑑みて演出を変更しているとのこと)。そこまでしなくてもいい。いいんだよ。だけど、嬉しかった。それはファンを信じているから、できる演出でもあった。その気持ちがまた嬉しかった。

大名曲・Natural Melodyが胸に響く。ゆっくりと会場を練り歩く彼女の姿は、私らしく歩き続けたいという願いそのものだった。やがてそれが大合唱を生む。

会場中央に設けられたお立ち台にあがり、歌う。一番近くでそれを見ていたであろう少女はボロボロ涙を流していた。モニターで全部見えてた。それを見て、僕も泣いている。無理もない。

余談でしかないが、僕はライブが始まるまでにたくさんのフォロワーと会うことができた。自分から声をかけた人もいるし、声をかけてくれた人もいるし、その場で仲良くなった人もいる。昔々はひとりでライブを見に行くことが普通だったから、そんな日が来るとは思ってもみなかった。

時々、ライブを見に行くより、いろんな人に会えることのが楽しみになってる自分に気付く。ライブが始まる前から皆で食事に行って、打ち上げみたいなことをして、終わった気になってる。これは良くない・・・でもすごく楽しい。

人と話すのも好きになった。色んな人と関わるのも、時には疲れることもあるけど、やっぱり好きだ。そう思える自分が好きだ。

自分は人気者になったのか?と勘違いする。色んな人が僕を褒めてくれるから嬉しい。単純だからその気になる。自分に自信を持つことはすごく難しいけど、最近は素直にいろんな言葉を受け止めて、「皆が言ってるんだから俺はきっと良いやつで、出来るやつなんだ」と言い聞かせてる。

長い長い人生。今日まで、ここまでの途方もない日々を思い出す。かおりちゃんだって、僕だって、色々あった。きっと似通った気持ちのはず。

そして、たどり着いたステージ。石原夏織にだけできるステージ。感慨深いとか、そういうレベルではない。最高だった。

世界には、こんなにも幸せな光景があるのか…と思い知らされる。胸がもういっぱい。

最後はもう一度、顔と顔、心と心を突き合わせてFace to Face。同じ曲を二回やるセトリってどう思う?僕は最高だと思う。一回聞いただけじゃ覚えられないコールも、二回目なら対応できるから。二回目ならもっともっと楽しみ方がわかるから大好き。

本当に、本当によかったよかおりちゃん。君が君の手でつかみ取った未来はキラキラしてる。自信をもって、これからも突き進んでほしい。ありがとう。ありがとうしかもう言える言葉がない。

そしてもっとたくさんの人が会場に来てくれたら…と思う。たったひとつの公演で、一度でもいい。絶対に君の心を虜にする。

だからさ、これを読んだ人、ファンの人も、ファンじゃない人も石原夏織をもっと信じてみない?

まだまだこれから、咲き誇る花がここにあるよ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?