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角野隼斗全国ツアー2022

2022年2月20日、HAYATO SUMINO CONCERT TOUR 2022 “CHOPIN,GRESHUWIN AND..." が無事終了した。
コロナ禍での開催、最初の岡山公演(1/10)あたりから感染者の数が増え始め最後まで辿り着けるのか、本人やスタッフは緊張ある1ヶ月余りを過ごしたかと思う。まずは、完走できたことを素直に喜びたい。
行きたくても行けなかった方もいる中、私は大阪公演へ足を運び、東京公演を配信で楽しませてもらった。
(ヘッダーは大阪公演、SNSアップOKだった子犬のワルツ演奏中の角野くん) 

大阪公演では、初めて生演奏を聴くことができた。2020年5月にピティナ特級グランプリ・ラフマニノフピアノコンチェルトのYoutubeに出会い、衝撃を受け、そこからかてぃんチャンネルに辿り着き、ずっと生演奏を聞きたいと思っていたが、やっと念願かなった。初めて生音を聴くので泣いてしまうのかと思っていたのに、楽しすぎてそれどころじゃなかった。終始1人でニマニマしていて、マスクがなければ側から見ると変な人とか思われていたかもしれない。

会場のザ・シンフォニー・ホール
MBSのキャラクター、らいよんくんの花台

プログラム前半
1.ワルツ1番[華麗なる大円舞曲] Op.18  ショパン
2.大猫のワルツ  角野隼斗
3.胎動  角野隼斗/ショパン
4.マズルカ15番 Op.24-2  ショパン
5.木枯らしのエチュード Op.25-11  ショパン
6.追憶  角野隼斗/ショパン
7.マズルカ41番 Op.63-3  ショパン
8.ソナタ2番 Op.35  ショパン

前半はショパンを中心に自作曲を含めたどちらかというとオーソドックスなクラシックのコンサート。ショパンコンクールやYoutubeですでに演奏していた曲はさらにクオリティが上がっていたし、特にショパンコンクールで弾いていた曲はその時よりも伸び伸び演奏しているように見えた。
自作曲の大猫のワルツは、楽譜よりアレンジされていて洗練されていた。きっと、各公演で異なる演奏になっているのだろう。大阪と東京だけでもかなり違っていた。
今回初披露となった「胎動」と「追憶」。胎動はエチュード10-1、追憶はバラード2番をモチーフに作られたオリジナル。大阪ではぼんやりとしか記憶できなかったので、今回の配信で何度も聞けるのがうれしい。初めて聴いた時、胎動は水の中を漂っているように、追憶はキラキラと光が降り注ぐように感じた。
マズルカ41番は後期の作品。偶然、以前自分でも弾いていた。大阪では同じピアノで弾いているのかと思うぐらい、ソフトな響き。マズルカは苦手とコンクール前に言っていたが、いけるやん!って上から目線で思いながら聴いていた。
そして、追憶とマズルカ41番は東京公演で自らのアップライトピアノを持ち込んで演奏するというサプライズ。まろやかな響きに酔いしれた。
葬送ソナタは、ショパコンに比べると全体的にエネルギッシュに聴こえた。第2楽章、ショパコンで初めて聴いてハマったから生で聴けて幸せだった。第3楽章の葬送行進曲、ライトが限界まで落とされて荘厳さを感じられ
どこかへ引き込まれていくような感覚を味わった。
クラシックのコンサートは基本同じ照明だが、ここだけじゃなく他にも照明の演出があってとてもよかった。スタッフさんからの進言なのか、本人がこうしたいと思ったのか、どっちなんだろう。こういうところからもみんなを楽しませたいという心意気を感じた。

前半は全公演同じプログラムだったが、東京公演では開始直前ノクターン13番をBGMに、ブルーノート東京、コンクール前の練習を兼ねた3公演、そしてショパンコンクールの映像が流れた。これにはいろんな思いが込み上げ、プログラムが始まる前に涙してしまう。コンクール前の3公演に行かれた方は私以上に感慨深かったことだろう。
東京公演で残念だったことがある。会場がクラシック専用ではなく5000人も入る大規模なところだったせいか、響きが浅く(特に高音)感じた。生で聴くのと配信で聞くのとではまた違うし、もちろん、大阪公演のシンフォニーホールは抜群の音響環境なので、比較するのが間違っているが。ただ、角野くんの特徴的な高音の煌めきはもっと素晴らしいし、配信だけの方にそれがダイレクトに伝わらないのが惜しかった。


プログラム後半
東京以外
9.アイ・ガット・リズム ガーシュウィン
10.3つの前奏曲 ガーシュウィン
11.ティーン・ファンタジア 角野隼斗
12.ラプソディー・イン・ブルー
アンコール
1.ノクターンOp.16-4 パデレフスキ
2.ワルツ6番[子犬]Op.64-1 ショパン
3.ポロネーズ6番[英雄]Op.53  ショパン

まずは大阪公演の振り返りを。
アイ・ガット・リズムは即興で始まった感じで、あとはほぼYoutubeと同じアレンジだった。初めて聴いた時と同様、聴きながら笑ってしまう超絶技巧。体全体でリズムを取りたくなるけど、めちゃくちゃ我慢していた笑。
生指パッチン聴けたのがうれしかった。
3つのプレリュードは初めて知った曲だったので、楽譜を手に入れてガーシュイン本人の演奏を予習した。本人より洗練されてておしゃれに聴こえた。いずれは自分でも弾きたい。
ティーンファンタジアは、曲名がなかなか決められず、岡山公演のプログラムには間に合わなかったそうだ。
大阪公演からプログラムに題名を掲載、ある意味岡山公演のプログラムはレア物になった。Twitterでもつぶやいたが、一緒に行った友人が「ディズニーランドみたい」と話してくれた。少年心満載の楽しい曲だった。
ラプソディーインブルーは、角野隼斗の代名詞になりつつある。圧巻の演奏。即興にいつものハン狂だけでなくアイガットリズムも入っていた。きっとこの2つの他にもいろんなモチーフ入れていたと思う。あまりに楽しくて、ずっと弾いててほしいと感じてしまった。
アンコール1曲目はパデレフスキのノクターン。全く知らない曲だったが、弱音のきれいさを満喫できた。大きな音を響かせるのも難しいけど、弱音はもっと難しいのを痛感しているだけに、ほんとにあの繊細さは心打たれる。弾き方のポイントを教えてほしい... (曲を覚えていたくて楽譜を手に入れ、自分で練習している)
子犬のワルツは撮影🆗だったので、撮影に必死で音自体をきちんと認識できてない。Twitterではアレンジも入ってたっていうの見かけたけれど、覚えていない。せめて展開部からちゃんと聴けば良かったとすごく後悔している...
そして最後は英雄ポロネーズ。これも角野隼斗の鉄板。
優美さと格好良さを兼ね備えた演奏で、本当に大好きだ!

プログラム後半
東京公演
9.アイ・ガット・リズム ガーシュウィン
10.ティーン・ファンタジア 角野隼斗
11.ピアノ協奏曲へ調 ガーシュウィン
アンコール
1.ピアノ協奏曲第1番第2楽章(ピアノ独奏版)Op.11 ショパン
2.ワルツ6番[子犬]Op.64-1 ショパン
3.ポロネーズ6番[英雄]Op.53  ショパン

東京公演のパンフレットは、配信でもpdfのダウンロードで手に入れることができたが、きちんと見ていなかった。アイ・ガット・リズムは弾かない予定だったにもかかわらず弾いてくれた。
ティーン・ファンタジアは大阪公演で聴いていたが1ヶ月ぐらい開いて記憶が薄れてきていたので、また聴けて再確認できてよかった。
そしてコンチェルト。藤岡幸夫マエストロと東京フィルを迎えて。ふつうはオケ側がソリストを招いて演奏するのに、逆のパターンで新鮮だった。終始ジャズ要素満載の曲で、角野くんがとても楽しそうに生き生きと弾いているのが印象的だった。あまり演奏されることのない曲だが、これも角野隼斗の代名詞として弾き続けてほしい。ぜひ生で聴きたい!!!
そしてアンコール。藤岡マエストロと東京フィルの皆さんを送り出した後、「もう少し弾かせてください」と言ってアップライトピアノの前へ。パデレフスキをまた聴けると思っていたらまさかの... これは反則でしょ... 未だにYoutubeでもNHKの番組でもショパンコンクールでの他のコンテスタントが弾いたコンチェルトを聴けないでいる私は号泣でした... もちろんコンクールで聴きたかったし、本人も弾きたかった。今回で区切りをつけなきゃいけないんだろうな... これもまたいずれ生で聴きたい...
子犬のワルツは会場で撮影OK、配信もスクショOK、静止画ならSNSアップOKという、ファンにはうれしい配慮。バシバシスクショしましたよ笑

配信ならではのアングル。大画面だとインパクトあるよね、きっと

最後の英雄ポロネーズを聴きながら、あーこれで最後だ終わっちゃうんだ、でもここまでよく頑張ったよね、といろんな感情がごちゃ混ぜになっていた。
大阪公演ではMCで「happy」を連発していた角野くん。いつもhappyにしてくれてありがとう。去年のショパンコンクールが終わってからの仕事の密度の濃さに、ついていくのがやっとだよ。私自身もピアノを弾くのですごく触発されるし、レベルは違うけど演奏を楽しんでいきたい。
あと、ブルーノートからのオリジナル曲、アルバムにまとめて出してくださいませ。ライブやコンサートだけで終わっているのはもったいない!いい知らせお待ちしております...

大阪公演と東京公演配信をまとめて書いてしまったので、めちゃくちゃ長くなってしまった。ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。

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