見出し画像

前向きな子供を育てる心理学:父親ができる心のサポート術 第3章

第3章:日常で使える心理学的アプローチ

心理学の理論を知るだけでは、実生活で役立てるのは難しいですよね。
大事なのは、それを「日常でどう使うか」。

この章では、すぐに実践できる3つの心理学的アプローチを紹介します。これらを習慣化することで、子供とのコミュニケーションがぐっと深まり、前向きな思考や感情を育む助けになります。

1. 子供の言葉を肯定的に返す「アクティブリスニング」

「アクティブリスニング」とは、相手の言葉をしっかりと受け止め、共感や理解を示しながら対話を進めるスキルです。
これにより、子供は「自分の気持ちや考えが尊重されている」と感じ、安心感を得ます。

具体例

子供:「学校で友達に無視されちゃった…」
普通の反応:「そんなこと気にするな!」
アクティブリスニング:「それは悲しかったね。どうしてそんなことがあったのかな?」

後者のように、子供の感情をそのまま受け止めることで、「この人はちゃんと聞いてくれる」と思わせることができます。

行動する理由
子供は安心して話せる相手がいることで、自己肯定感を高め、感情を整理する力を養います。

2. 目標を達成するための「SMARTゴール設定」法

「SMARTゴール」とは、以下の要素を含んだ目標設定の方法です。
Specific(具体的):何を達成したいのかを明確にする
Measurable(測定可能):進捗を確認できる
Achievable(達成可能):現実的な目標である
Relevant(関連性がある):重要なテーマと関連している
Time-bound(期限がある):いつまでに達成するのかを決める

具体例

子供:「もっと勉強を頑張る!」
親:「どの科目を?何をどれだけやるか決めてみよう。」

以下のように具体化します:
具体的:「算数の問題集を解く」
測定可能:「毎日2ページずつ」
達成可能:「1週間で14ページ」
関連性:「次のテストで60点以上を目指す」
期限:「来週金曜日まで」

行動する理由
漠然とした目標では行動に移せませんが、SMARTゴールを使えば、子供自身が「やればできる」と感じられるステップを踏むことができます。

ワーク:SMARTゴールシートを作ろう
1. 子供と一緒に紙を用意します。

2. 5つの項目を埋めながら、達成したいことを具体的に書き出します。

3. 書き終わったら冷蔵庫などに貼り、達成状況を毎日チェック!

3. 感情を整理する「エモーショナル・コーチング」

「エモーショナル・コーチング」は、子供が感情を認識し、整理し、自分で対処できるようサポートする方法です。

具体例

子供:「もう嫌だ!宿題なんてやりたくない!」
親:「何で嫌なのか教えてくれる?」
子供:「うまくできないから!」
親:「そうなんだ。難しいと感じるのは普通のことだよ。でも、一緒に簡単なところから始めてみようか。」

ポイント
感情を名前で表す:「悲しい」「悔しい」「イライラしている」など、子供が感じている感情を言葉で表現できるように助けます。

感情を否定しない:どんな感情でも受け入れることで、子供が自己肯定感を持ちやすくなります。

行動する理由
感情を認識し、コントロールする力を育むことで、子供はストレスへの対処が上手になります。

ワーク:感情日記をつける
1. 子供に専用のノートを用意します。

2. 1日の終わりに「今日感じた感情」を自由に書いてもらいます。

3. 一緒に振り返り、良い出来事や学びを見つける習慣を作ります。

まとめ:日常の中でできる小さな変化を積み重ねる

この章では、アクティブリスニング、SMARTゴール、エモーショナル・コーチングという3つのアプローチを紹介しました。
どれも特別な道具や知識を必要とせず、今日から実践できるものばかりです。

子供と接する中で、これらを少しずつ取り入れていけば、確実に信頼関係が深まり、子供の前向きな思考や感情の育成に役立ちます。

さあ、次に子供と会話するとき、まずは「話をじっくり聞くこと」から始めてみましょう。
それだけでも、子供との絆がぐっと強まるはずです!

いいなと思ったら応援しよう!