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前向きな子供を育てる心理学:父親ができる心のサポート術 第5章

第5章:困難な場面でのサポート術

親であれば、子供が困難に直面する場面を見たとき、「何とかして助けたい!」と思うもの。
しかし、その「助け方」を間違えてしまうと、子供の自立心を妨げたり、親子関係にひびが入ったりすることもあります。

この章では、困難な場面における具体的なサポート術を、心理学的な視点も交えて解説します。

1. 子供が壁にぶつかった時の対処法

壁にぶつかる=成長のチャンス

子供が「どうしても解けない問題がある」「友達とうまくいかない」などの壁に直面したとき、親としてつい「解決策をすぐに教えたくなる」もの。
でも、それは子供の成長の機会を奪うことになりかねません。

具体例
子供:「このパズル、できないよ!」
親(NGな反応):「ここをこうやればいいんだよ。」
親(OKな反応):「どこが難しいのか教えてくれる?」→「なるほど、それならこう考えてみたら?」

行動する理由
親が答えを与えすぎると、子供は「どうせ誰かが助けてくれる」と思い、自分で考える力を失います。
一方で、壁に挑む力を引き出せば、成功体験が自信につながります。

2. ネガティブな感情への向き合い方

「悪い感情」なんてない

悲しみや怒り、悔しさといったネガティブな感情は、子供だけでなく親にとっても対処が難しいものです。
つい、「泣かないで」「気にしなくていい」と言いたくなりますが、それでは子供は感情を抑え込んでしまいます。

具体例
子供:「友達が僕のこと仲間外れにした!」
親(NGな反応):「そんなの気にすることない!」
親(OKな反応):「それはつらかったね。どんなことがあったの?」

行動する理由
感情を表現することで、子供は自分の心を整理し、ストレスに強くなる力を養います。

心理学的ポイント:感情ラベリング
感情に名前をつけること(例:「悲しい」「悔しい」「イライラしている」)で、子供はその感情をコントロールしやすくなります。

ワーク:感情スケールを作る
1. 紙に数字のスケール(1~10)を描きます。

2. 子供と一緒に、数字ごとに「どういう気分のときか」を書き出します(例:1=とても悲しい、10=超ハッピー)。

3. 何かあったとき、「今の気分は何点?」と聞き、具体的な感情を話しやすくする習慣を作ります。

3. 子供の自立を促す声掛け

自立とは「小さな成功の積み重ね」

子供が困難を乗り越える力を持つためには、少しずつ自分で考え、行動する機会を与えることが大切です。
そのために、親の声掛けが鍵となります。

具体例:勉強の場合
子供:「この宿題、全然わかんない!」
親(NGな反応):「ほら、ここが間違ってる。こうやればいいんだよ。」
親(OKな反応):「まず問題を読み直してみよう。それでもわからなかったら、一緒に考えよう。」

目標
答えを与えるのではなく、プロセスをサポートすることで、子供は「自分でやった!」という感覚を得られます。

親の意識改革:手を出しすぎない勇気

子供が困難に直面しているとき、助けたくなるのは自然なこと。
でも、その手を一度引っ込めてみてください。成功も失敗も含めて、「自分の力でやり遂げる」経験が自立心を育てます。

まとめ:困難を成長のステップに変える

この章では、子供が困難に直面したときのサポート方法を紹介しました。
重要なのは、「親が子供を解決から解放する」ことではなく、「子供が解決を見つけるための手助けをする」ことです。

次に子供が壁にぶつかったとき、ぜひこの章の方法を試してみてください。
それが、子供にとっての大きな成長の一歩となるはずです。

ワーク:親子で挑戦シートを作ろう
1. 子供が直面している困難を一緒に書き出します(例:友達と仲直りする、苦手な算数を克服する)。

2. それぞれに「何をすれば解決に近づくか」を子供に考えさせ、親がアドバイスします。

3. 成功したら、お互いに「よくやったね!」と褒め合う時間を作りましょう。

子供と一緒に乗り越えた困難は、親子の絆を深める最高の経験になるでしょう。

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