セクハラやパワハラについて
今日会社の定期教育で「セクハラ」について2時間のオンライン講座を聞いたんだけどそのコンテンツが非常によくできていたので紹介したい。(イブに)
セクハラも取り沙汰された当初は男性上司が女性部下に対して行うものとして扱われていたけど、セクハラを取り巻く言論も歳月とともに成熟してきて今日のコンテンツは男上司→女部下、男上司→男部下、女上司→男部下、女上司→女部下の全方向についてそのリスクが等しく提示されててよかった。あとはセクハラの被害は「2次被害」がさらに重症なことや、社内でセクハラが勃発した時の人事部や経営サイドの対処方法と悩みインタビュー、加害者側のインタビューなど全方位からの目線でセクハラ問題にメスをいれてた。
①男上司→女部下
昔は「被害者側が性的不快感を感じたらセクハラ」と言われていたし、わたしもその定義がまだ生きてると思ってたけど、”業務上の力関係を利用し相手に嫌悪感を抱かせる言動や行為”なので「子ども産んだからもうオバサンだね」とかは厳密にはセクハラの要件は満たしていないとのこと。
②男上司→男部下
良かれと思ってエロ動画を部下にシェアしてあげたりその感想を求めるなどのセクハラもあるんだねえ。男でエロ動画が嫌いな奴はいない、なんて認識自体がセクハラの温床なんだねえ。反省。
③女上司→男部下
上腕二頭筋にボディタッチしたり、お尻ぺんぺん叩いたり、しちゃう。相手の望まないスキンシップはセクハラだよね。反省。わたしが男性部下にスキンシップしたところでまさか相手が嫌がるなんてころはないだろうなんてほんと思っちゃうけど、業務上触る必要なんてないんだから触らないにこしたことはない。
④女上司→女部下
女子会気分で部下の恋人との情事など私的なことを根掘り葉掘り聞いていいいわけではないんだね。
①から④の全方位セクハラにおいて言えることは、「公私」を明確にわけることだね。会社の人は私的な関係ではないことを肝に銘じて業務に必要のない性的なからみは一切しないに限る。ただ日本ではこれは簡単かもだけど、韓国ではちょっと難しんじゃないかとおもった。
韓国は人と人とのつながりが日本より強いことがよしとされるし、会社の人間関係もある程度親しい方がいい職場ってイメージあるし、なによりも韓国は「お酒・会食の文化」が根強く、セクハラの温床になるのがまさにこの「お酒・会食」の席だからね~。
今となっては時代やら働き方改革やらで「会社の飲み会」の在り方が薄らいできているけど、それでも韓国では世間体を死守したい大企業を除いてはいまだに会社たちは「飲んでなんぼ」「飲めるやつが仕事もできる」「会食は業務」感が根強い。次の日死にそうな思いで焼酎のにおいをぷんぷん身にまといながらデスクで戦死するのが英雄っていうあの美徳はね、セクハラやら感情労働をたくさん産む。
わたしも韓国で長年働いている中で「お酒の席のセクハラ」を真正面から受けたことがある。
50代くらいのチーム長の男性がいたんだけど、会食中の宴もたけなわなときにポケットからメモを取り出し、チームのメンバーみんながいる前で突然私一人に向かって「指摘することがある」とメモを読み上げ始めた。
「1つめに、笑い方がおかしい。笑い声を直すように。2つ目、君は入社時にもっと低い役職で入ってくるべきだったが一つ上の役職をあげたのは俺だ。3つめに、他チームの女性社員たちとつるむのは禁止だ。うちの会社は女性社員たちで集まってお昼を食べに行ってるが君はこのチーム内(男性のみ)だけで食べること。最後に、韓国語のイントネーションがおかしい。ネイティブのイントネーションに直すこと。」
なんてことを言われた。愕然として、後日人事に部署移動を要請した。最終的に社長と面談をして「事態のあらましは十分に理解するけど、僕の方針は喧嘩両成敗だから」っていってわたしが部署移動することになってそのあと昇進の時期に昇進もたぶんさせてもらえなかったんだと思う。その時は部署移動したかったし昇進も特に望んでなかったから結果オーライと思っていたけど、今日の講座を聞いてたら「喧嘩両成敗」って言葉を使ったのはアウトだなとは思った。
会社からしたらセクハラが起こってからが大事だ。基本的な対処として被害者に不利益となるような処遇は与えてはいけない。しかしここで起きがちなのが「セクハラの2次被害」だ。加害者側が権力があるものだから人事も加害者に強くでれなかったり、部下側を部署移動させたり、部下側にも非があったかのように処理したり、加害差との示談を強要したりする。あとありがちなのが被害者の被害ケースを外部に漏らして下世話な噂話に花を咲かせたり。結局2次被害が被害者を追いやって退社を決意させたりするもんだからこの韓国の就職難のご時世にはたまったもんじゃない。
そんな被害者がセクハラ被害の一部始終をSNSで公開して炎上し、大企業の場合はイメージダウンにつながったり不買運動に発展したりするもんだから経営者としても対処を間違いたくないだろう。
やっぱりセクハラ撲滅には加害者への厳しい処罰が一番じゃないかなあ。即首。問答無用。「お酒に酔ってハグしてしまった。本当に覚えてない」なんて加害者の叫びもあるみたいだけど、泣き寝入り退社する被害者にしわよせがいくよりかはいい。誰かが処罰される姿を目の当たりにしたら組織の意識改革にもつながって事故を未然に防ごうって意識も生まれるしね。
所詮会社だから。働いた対価で生活をするためにいるとことだから。セクハラになりうるかもしれない変な親しさなんてものは造成しないにこしたこたない。