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第1章|敵を知る|Know Your Enemy-3

※この記事は7月31日に発売した書籍「凡人専用 英語攻略マニュアル」の一部です。期間限定で定期的 (3日に1回くらい) に本書の一部内容を公開していきます。
▽全編は下記 Kindleページから



1-5. 文法は自然に身に付かないの?

実は「文法学習は必要ない」と主張する言語学者もいます。

「文法は勉強しなくても良い」あるいは、
「文法だけを独立して勉強しなくても良い」

などの主張もあります。

そして実際に12歳以上だけど文法を意識的に勉強せずに新しい外国語を習得してる人もたくさんいます。

私の見解は、

「可能な人や環境もあるが、日本在住の英語学習初級者にはおススメできないアプローチ」

です。
#急に偉そうですいません

これには「学習者としてのスキル」の問題があります。
※Learning to learn という概念

私は英語を習得した後にフランス語にも挑戦しましたが、文法はそんなに苦になりませんでした。それは私が既に英語という言語を勉強して、言語にはそれぞれの文法ルールが存在する事を分かっていたからです。

そしてフランス語と英語の語順がかなり似ていたからです。

フランス語の文法参考書を買って一から勉強するというより、フランス語の本を読み進めながら、一つ一つの単語の意味と品詞を確認するだけで、

「ああ、フランス語は基本的に英語の語順と一緒だね。あ、でもここは違うな」

という風に、自分でフランス語の文法的なルールが紐解けたんです。そして自分の「フランス語学習者としての現在地」もなんとなく想像でき、これから何をやれば、ジワジワ、チビチビとフランス語の能力が少しずつ向上するのか、も想像できるんです。

私にそれができたのは、英語という言語を勉強して習得した経験があり「外国語学習の経験値がまあまあ高い」からです。そしてまた英語とフランス語の文法がそこそこ似ているからです。

英語という森をさ迷いサバイバルすると、北には池があり、南に行けば崖があり、東はオオカミの群れの生息地、西は海、というその森の地形と生態系が把握できます(頭に地図ができる)。そしてそれにより、自分の現在地も相対的に認識できます。

その経験値を持って、英語の森と地形が似ているフランス語の森に迷い込んだとしたら、僕が感じる恐怖や不安、ストレスは、言語の森初体験の人よりもかなり低いでしょう。既に備わっている経験と知識を活かして、フランス語の森を安全にサバイバルできると思います。

英語の森があなたの初めての森なのであれば、方位磁石付きの「英語の森の説明書」を読みながら、英語の森をさ迷う方が安全だし、生存率は上がるでしょう。

1-6.語順の倒し方

1-6-1. ルールを知る作業|知識学習

前述した通り、英語には規則・ルールが存在するので、まずはそれを認識する作業が必要になります。この規則・ルールですが、無限にある訳ではありません。数は限られています。ですので、1冊の英文法の参考書などに、まとめられています。極端な話、英文法の参考書の内容を全て理解できていると、英語の規則・ルールが理解できている事になります。

 英文法学習のおススメな方法は、第4章で詳しく紹介していますので、ここでは主要なコツだけを紹介しておきます。

1.「英語ペラペラになる」という「目的」を達成するための「効率的な手段」として「文法」を学ぶ意識を持ちましょう。文法博士になる必要はありません。規則やルールにつけられた名称 (関係代名詞や完了形など) は知らなくても良いです。「あ、この文章はあの時ならったあのルールが適用されてるんだな」と思えれば OK で、「あのルール」の名称は別に知らなくて良いです。

2.理解した規則・ルールが、どのような文章で使われているか、その文章がどんな意味合いを表現しているか、の「ルールの使用例 (例文)」をたくさん確認することで、使い方のイメージを把握しましょう。


3.目的は「自分で使いこなす」事なので、習った規則・ルールを駆使したらどんな事が言えるだろうか」と考えて、頭の中で英文を作る癖を付けましょう。

1-6-2.ルールに慣れる作業|特訓

英語の規則・ルールを理解しただけでは、話せるようにはなりません。これは第2章のスキルの高め方と、記憶のメカニズムで詳しく解説しています。使いこなせるようになるには、ルールを理解した上で慣れる必要があります。

例えば、

昨日 午後 8 時ごろ 友達と一緒に 寿司屋で 夕食 をたべました

という文章を英語の語順に並べ替えると

私は 食べました 夕食を 一緒に 友人と 寿司屋で 午後8時ごろ昨日

となります。

この英語の語順で並んでいる日本語の文章を読むと、違和感を感じると思います。そして、文全体の意味も頭に入ってき難いと思います。

これは、英語の語順に沿って並んでいる単語を処理する事に、脳が慣れていないからです。

英語の語順に沿って見聞きする情報(単語)を、その順番通りに脳が処理し、なおかつ文全体が伝えようとしている意味・内容を、咄嗟に理解できるよう、のうを鍛える必要があります。
#急に難しい

この能力を鍛える為の効率的な特訓方法は、第4章で紹介しています。

1-7. 統語論のまとめ

日本人は英語の文法(主に語順)を学んだ方が良い。その理由は。。。

1. 日本語と英語の文法が違い過ぎる
(言語距離が近いとあまり文法を気にしなくても良いけれど、日本人が英語を勉強する上では意識した方が良い。だって日本語と英語の文法が違い過ぎるから)

2. 日本語は語順を意識しなくても良い言語だから、そもそも語順を気にすること自体に慣れていない (意識する事に慣れる作業が必要)

3. 自然に文法を身に付けれる年齢は9~12歳といわれている
(※歳〜12歳以上は自然と身に付き難い)

4. 自然に身に着けるにしても、莫大な量の英語を日常的に摂取しないといけない
(バイリンガルだって莫大に摂取してた。日本に住んでるとそれが難しい)

5. 他言語 (2つ目) を勉強して身に付けた経験がまだ無い
(もしあれば、学習者としての経験値が高い可能性が高く、 3つ目の言語からは文法を集中的に意識して勉強しなくても紐解ける。理解できる)

英語の文法の学び方は。。。

1. 英文参考書などを使って、存在するルール、使い方や用法を理解する

2. 理解した上で、その文法が使われている例文をたくさん読んだり聞いたり、自ら英作したり、たくさん特訓する。


つづく。。


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