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『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』(石野雄一著):経営企画の人、経営企画に異動・転職する人が読むべき本
石野雄一さんの新刊『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』を読みました。
タイトルの通り、講義を受けているような文章でとても分かり易い内容でした。
経営企画の人が読むべき本
ファイナンスという単語が含まれており、且つ石野さんはファイナスを専門領域とする方ですから、当然財務部門に所属する人にとってはとても役に立ち且つ実践的な内容となっています。
しかし、ファイナンスに限らず、本著無いで出てくる内容を見ると、実は事業や投資の「やる/やらない」の判断をする職位にある方全員が理解したい内容です。
敢えて、部門を絞ると経営企画に所属している、又はこれから経営企画に異動・転職するけど、ファイナンス領域はちょっと自信がない方、それなり分かっているけど理解を深めたい、自分の理解度を確かめたいという方におススメです。
なぜ経営企画の人が読むべきか
目次を見てみると以下の通りです。
1.ファイナンスと会計の違いをおさえる
2.企業の運用利回りを理解する
3.投資の意味を理解する
4.フリーキャッシュフローをマスターする
5.企業価値評価方法を理解する
1章の冒頭で、会計は過去の事実を扱い、ファイナンスは将来を取り扱う。会計は利益を扱うが、ファイナンスはキャッシュを取り扱う、といった内容が出てきます。
これは非常に重要な観点だと思います。経営企画の仕事としては事業計画を作る仕事があり、経理部と協力して過去の事実から未来創造をしていくのが仕事だと考えています。よってファイナンスの知見を身に付け実践していく必要があります。
どの章も重要ですが、2章の中で取り扱われている「資本コスト」という概念は非常に重要ですので必ず理解しておきたいパートです。
3章以降は投資判断、事業の継続・撤退判断などより実践的な内容で、経営企画に所属すると全てではなくとも、いずれかには携わる内容です。ですから、実践中のものであれば確認になりますし、未経験のことでしたら将来の良い準備になるでしょう。
良い実践方法
著作の中でExcelでの具体例が頻繁に登場します。会社の現場でもパワポの説明を裏付ける資料をExcelを利用することは多いでしょう。また、場合によってはExcelそのままで見せるケースも多いことと思います。
ですから、本文に出てくる例題は多少面倒でも同じ数字をコピーしながら確認することをおススメします。手を動かすと納得感が倍増しますし、理解の定着にも役に立つことは多くの方が経験していることだと思います。
まとめ
石野雄一さんといえば『道具としてのファイナンス』や『ざっくり分かるファイナンス』が有名でツイッターなどでおススメのファイナンス本を聞くと上記2冊を挙げる方も多いです。
しかし今回の著作『実況!ビジネス力養成講義 ファイナンス』については以前の著作を凌駕する分かり易さだと感じました。
おそらく、石野さんが企業のファイナンス研修を通じて受講生と講義の「現場」で積み重ねたやり取りにより洗練されていったものだろうと想像します。
いつも手元に置いておきたい教科書です。