小さな橋をつくり続ける
福井県の越前海岸を拠点に活動しているノカテというチームで、一応、代表という肩書きをもらっている髙橋要といいます。
それが、ぼくからチームに共有したノカテのミッションです。
歩みを進めていく中で違う言葉に変わっていくかもしれませんが、いまの思いを記します。
日本の国土の約7割は、「中山間地域」(山間地やその周辺、そのほか地理的な条件が悪く農業の生産条件が不利な地域)と呼ばれる地域で構成されています。
中山間地域に位置する集落の多くは日本の中でもいち早く人口減少と高齢化が進行していて、数年後には存続しているかどうかも危ぶまれるという集落も少なくありません。
一方で、生活や農業生産という観点からは条件が悪いとされる地域だからこそ、それぞれの暮らしの中にはその土地で生きるための様々な知恵や文化、生業が根付いてきました。
ぼく自身は、新潟や福井の小さな村で実際に暮らした経験(福井は現在進行形)の中で、その地域にとって当たり前の景色が、(ぼくを含めた)よそものにとっては新鮮で示唆に富み、思考や感性を揺さぶるものだということを肌で感じてきました。
また、ぼくが暮らしてきた村では、小規模ながらに外との交流を意識した様々な活動が行われていて、その活動に関わる中で、世代も属性も異なる地域住民とよそものたちが、図らずもその出会いから互いに元気を受け取り合うような場面を幾度となく目にしてきました。
中山間地域の暮らしに出会うことで心を豊かにする人々がいて、外との新しい関わりが生まれることで地域の人々の暮らしの中に少なからず楽しいと感じられる瞬間がもたらされる。
生活の場としての利便性は決して高いとは言えないけれど、当事者の関係性次第で互いに挑戦できることの幅が広がる中山間地域という場所に、日本社会のこれからを考える上でとても重要な可能性があると思っています。
ぼく自身は地域内外の関係性づくりという自分の得意を活かしてその可能性を最大限に活かしたいし、その先に地域、そしてそこで関わり合う人々(自分も含めて)がどうなっていくかを見てみたい。
人々が新しい関わり合いを楽しみ、結果として、地域の可能性が開かれる未来をつくりたい。
そのためのミッションが、「小さな橋をつくり続ける」こと。
ノカテは、コアメンバー6人のうち、半分が福井県内、半分は福井県外在住。離れた場所に暮らしながら、デザインや建築、企画・編集やコミュニケーションなど、メンバーそれぞれのスキルや経験を持ち寄って動いています。
地域を軸にした新しい働き方、関わり方を実践しながら、ぼくたち自身のチームとしてのあり方もまた、地域と外をつなぐ小さな橋になれるといいなぁと。
この記事を書いているのが2023年6月。
少しずつ、「小さな橋」を形にしていきます。
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