一度も会ったことがない相手と結婚を決めてしまった女性
※この絵は友人の妹が描いた絵。
墓場で骸骨の新郎新婦が結婚式をしてダンスしている。
よく見ると新婦の骸骨は白い小さなドットで描かれた透明なウェディングドレスを着ている幻想的な絵画。
今回、オンライン デーティングアプリで外国人との結婚を希望している女性の参考になったらと思い記事を書いてみました。
この記事では、主にある日本に住むアラフォーの日本人女性のことを例にあげます。
約6ヶ月前にランゲージエクスチェンジのアプリで知り合ったカナダ人の男性と結婚すると彼女から知らせがあった。
この半年、彼とはビデオチャットを通して交流してきたそうだ。
しかし彼らはお互いに実際に会ったこともなく、訪ねあったりすることなく結婚を決めてしまったのだ。
まもなく彼は日本に彼女に会いに来て、彼女はそのまま彼とカナダに渡り結婚する予定だそうだ。
私は正直それを聞いてあ然とした。
最近は婚活のためにデーティングアプリを利用してオンラインでチャットすることから始まるケースが多くなってきているのはわかる。
私と夫もそうだったし、アメリカではデーティングアプリで婚活するのは数十年前から始まっている。
私たちは結婚するまでおよそ3年かかった。
その3年の間にはもちろんお互いの家を訪ねあって一緒に過ごしたり、一緒に旅行したり、家族と会って出かけたり…
結婚生活で感じる夫の性格で欠点はもちろんあるけれど、それ以上に寛大で落ち着いていて一緒にいて楽で安心できることに感謝している。
アメリカは結婚し妻や夫となる移民がそんなに簡単に入国して住めるような国ではない。
そのために弁護士を雇ったり書類を集めたり作成しなければならないし、大使館での面接もあり、様々な予防注射をしたり保険適用外の高額な健康診断を指定された病院でしなければならなかったり、婚約者ビザで入国後に結婚証明書をとり、その後にはグリーンカード申請のためにまた面倒な書類申請をして待たされるし、申請費用もお安くない。
またアメリカ入国後は日本のような国民健康保険などないので、グリーンカード取得前で労働許可書がないなら、すぐに夫や妻に家族が入れる健康保険に加入することになる。
これもけっこうな負担となる。
だからアメリカ人と結婚するとなると様々な面で本当に一緒に暮らしていけるか事前にしっかり確認しなければならなくなる。
アメリカで移民として妻または夫を受け入れる側には受け入れても大丈夫なだけの年収があるかも移民局でチェックされる。
これに引っかかれば入国するための婚約者ビザも取得できないし、入国後の永住権としてのグリーンカードも取得できない。
私たちが結婚するまでにはそういった様々な面倒な作業や確認すべきことがあった。
本当になんでこんなに大変でめんどくさいのだろうと何度も思った。
でも今考えてみるとそれで良かったんだと改めて思う。
法的な面で移民としてアメリカに渡ることについて知らなかったことを確認できたし、3年の間に夫と私の絆もしっかりしたものになっていった。
アメリカに移住する前に日本の良さをできるだけ味わっておくための時間も持てた。
アメリカ、特に何もかも物価の高いハワイに住むということは経済的にしっかりした基盤が必要だ。
受け入れる側である夫や妻が経済的に安定してないと多分すぐに結婚生活は破綻してしまうのが現実なのだ。
アメリカは移民にはハードルが高いが、それほど大変なことなく移住できる国もある。
先ほど話したアラフォーの彼女の話に戻る。
カナダ人と結婚するのは法的にはアメリカ人と結婚するほどは大変ではなさそうだ。
だからオンラインで知り合って結婚したいと思ったらそれほど手続き上長い間、待たないで済むだろう。
彼女は過去にアメリカ人と交際していたことがありアメリカの彼の故郷に一緒に行って彼の家族と彼が夕食のテーブルを囲んでいる時、英語で何を話しているのかわからなくて、軽く鬱になり別れてしまったそうだ。
次は日本に1年間赴任していたドイツ人と交際していて、婚約してドイツに移住することを希望していた。
ドイツ人の彼は結婚する前に彼女に3ヶ月間ドイツに来て一緒に生活してみて、大丈夫そうなら結婚しようと提案した。
しかし彼女はその提案をポジティブに思えず、試されているみたいで嫌だから結婚するならそんなことしないで、そのままストレートに結婚したかったそうだ。
そして彼とは物別れに終わったそうだ。
そのドイツ人の彼はお互い外国人同士なので、冷静に考えて結婚前にお試しで一緒に住んでみたかったのだ。
彼女はそのドイツ人の彼のことを1年以上、心から切り離すことができずにいた。
そのような交際歴約10年で40歳を超えた彼女はとにかく早く結婚したいと言っていた。
もし離婚となると、そうとうにエネルギーを使うものだから、そんなに簡単に結婚を決めてしまわない方がいいだろうと離婚経験者の私は思う。
まして日本を離れて他の国で生活していくのだから、自分の想定外の事がいろいろ起きるだろう。
過去10年外国人との交際歴があってもずっと日本で暮らしていた彼女はなかなか英語力が見につかないままだ。
結婚のため移住してしばらくの期間は働いて収入を得ることもできないから、当面の間は自分で自由に使えるだけの貯金も必要だ。
彼女は日本でも他の国でも収入を得るための特別なスキルやキャリアがなく、派遣社員として働き、実家暮らしで貯金などしなくても困らないと言っていた。
とりあえず実家からいくらかのお金をもらってカナダに渡るようだ。
もし彼女がカナダで自分の思い描くような仕事に就けず収入も多くなかったら、今までは何も我慢したりせず困った時は実家に助けてもらっていた日本の暮らしとは違って、経済的な不満も出てくるだろう。
そのカナダ人の彼は自分一人だけで彼女をずっと支えていくことはほぼ不可能なので、なるべく早く彼女に働いてもらいたいと言っていたようだ。
付き合い始めの当初、彼は自分はオープンマリッジだと彼女に伝えたそうだ。
オープンマリッジとは結婚後も婚外恋愛すること。
彼女の性格からしたらオープンマリッジを受け入れるのは無理だろうと思う。
今度こそ結婚を決めたいという気持ちが強く、オープンマリッジのことを彼と話すのが気まずかったのかちゃんと話し合っていないと言う。
半年間のビデオチャットだけでは知り得ないことはたくさんあるはずだ。
ビデオチャットしている時に口で言うだけのことと実際の行動のギャップは必ずある。
例えばビデオチャットで食生活のことを話していたとする…
私〇〇が好き。
僕もそれ好き。
しかし現実に一緒に暮らし始めたら、
あの時、あなた〇〇好きと言ってたよね。でも実際は〇〇めったに食べないよねとか…
小さなことだが、それがチリツモになるから、日常生活の一面はビデオチャットだけではわからない。
いくらグローバルな時代で外国の生活を見て知っているつもりでもお互い外国人同士だと、こんなこと当たり前でしょ!何でそんなことするの!ということが日常生活ではいくらでもある。
日本人同士のカップルの価値観の違いよりさらに埋まらない大穴もある。
経済的にも最初の間は受け入れる側に経済的負担もかかるので、我慢することも多くなる。
何もかもが便利な日本にいると、外国でもよほど便利な都市以外で暮らすとなると不便さを感じるだろう。
更に残念なことは彼女は運転することができないので、車がなければどこにも行けないカナダの暮らしだと彼が休みの土日以外は一人ぼっちで家に閉じこもって暮らさなければならない。
自由気ままに実家で半分ニート生活してきた彼女に本当にカナダでの生活が耐えられるのか…
以前、彼女は「外国人と結婚して外国で暮らしてみたい」と言っていた。
結婚はバケッツリストなどのやってみたい事としての〇〇体験ではない。
自分と結婚相手の人生にとってとても大切な事だ。
自分だけでなく相手も相手の家族、自分の家族も巻き込むことだ。
デーティングアプリで外国人と結婚したいと思っている人はいくらお互い海外に住んでいるとしても、ビデオチャットだけでなく必ず実際に会って、一緒にいる期間をなるべく多くしてビデオチャットだけではお互いにわからなかった面を確認するのは当たり前だ。
そうすることでだんだん冷静になる。
この辺に時間をかけないと結局お互い「もう信じられない!」「やっぱりちゃんといろんな事を確認しておけばよかった」となる。
そうやって数年の期間を設けて結婚しても離婚するカップルも多いのが国際結婚なんだから。
ビデオチャットだけしていると、早く一緒に時を過ごしたい、一緒に住みたいという気持ちになりやすい。
それで簡単に結婚を決めてしまって、すぐに後悔して離婚…
だから国際結婚は離婚率がとても高い。
特にアラフォー以降の女性、経済的に外国で自立していけるスキルがない人、結婚相手と移住する国の言語で話すことに自信がない人はかなり苦労する。
キラキライメージを壊すようだが、そういった女性は移住先で仕事を探しても現実は工場でのライン作業、暑い倉庫でのピッキング、ホテルの客室清掃、鶏肉の羽をむしり解体する仕事などに仕方なく就いている日本人女性も多いのが現実だ。
だからこそ即決しないでかけるべき時間をかけて決めるべきだ。
現実的には経済的問題、お互いの生活習慣を認め受け入れる能力、お互いを理解するための言語能力を完璧とは言わないがクリアできることが最低条件だ。
実は私は過去にある女性からアドバイスを受けたことがある。
私は離婚後、インドで伝統医療のクリニックスパで学びながら働いていた。
その後、北カリフォルニアの山奥に住む日本人女性が禅食を家庭で教えていて、その家に宿泊しながら東京では採ることのできない野生のハーブを採取してインドで学んだ方法で抽出液や薬草オイルも作ったりしていた。
その間に出会ったアメリカ人男性と交際が始まり婚約しようかとも思ったのだが…
その日本人女性は私にこう告げた。
「移住して外国人と結婚するなら、彼の経済状態が安定していて大丈夫なのかが第一条件よ。
それから、なるべく彼が賃貸でなく自分の家を所有していること。
外国に移住して住む家がなくなったらどうするの?
あなたがもしアメリカに移住するとなると、移民という立場だということで生まれたときからアメリカで育ち大地に根をはり生きてきたアメリカ人とはスタート地点が違う。
私は幼い時にホノルルに両親と移住して生きてきて、10年前に離婚して懸命に働いてきて今の夫と再婚する時にはほとんど貯金もなくなっていたし精神的にもクタクタだった。
今の夫の彼はアメリカ人でも小柄だし(私的に会った時たぶん165cmくらいかと思った…)、山奥に住みたいとか、瞑想ルームに入り出てこなかったり、ちょっと変わった部分もあるけどホームレスにお金を払ってわざと家の掃除をさせてあげたり、シャワーを浴びさせてあげたりする優しい人だということと、やはり家もあり経済的に安定していたからこそ結婚して数年経つけど安定した幸せな結婚生活ができているのよ」
私もそれを聞いて確かに外国人が移住して結婚するには現実的にそれはとても重要なことだと思った。
その北カリフォルニアの女性の夫は弁護士で経済的にはとても安定していたが、ふたりともきらびやかな生活などせずむしろとても質素な暮らしをしていた。
彼女はいわゆるアメリカで富裕層の男性を狙うために美容整形したり、美容や身にまとう服やアクセサリーにお金をかけるクーガーと呼ばれる女性とは全く違って、地味でも価値のある物を楽しんだり、自分の服はユーズドやセコハンでしか買わないという価値観だったので、二人は相性が良かった。
私は彼と北カリフォルニアにいた間の短い期間の交際中、現実的に考えて経済的に彼と私がこの先結婚して生活していくのはかなり難しいことが、彼女のアドバイスからまざまざとわかった。
彼の落ち着いた性格や長所や趣味が私と合っていたので別れるのはとても残念だったが、その彼とはその後は連絡を取らなくなった。
インド滞在中はまた違うカップルの現象もいくつか見た。
日本から来た日本人女性はインド人男性からすると裕福に思われる場合が多い。
年下のインド人男性と結婚したある日本人女性は日本から持ってきた現金を彼との暮らしに使い果たし、仕事するのは彼女、家で料理をするのがインド人彼氏…でも彼女は和食を食べたいことが多いので結局は自分で作ることが多いと言っていた。
数年間インドで暮らしたがインド人夫の元から離れ、彼女は最近は日本の実家に戻って暮らしている。
またある女性はインド人彼氏がスモールビジネスをやるたびに借金を作り、彼女は彼の借金返済のために懸命に働いていたが疲れ果て結局日本に帰国してしまった。
こういう話はインドあるあるの出来事だ。
オンラインで簡単に外国人に出会える時代でロマンスに憧れる人もいるかもしれないが、様々な事を想定して冷静になり計算することが必要だ。
人は止められないようなワクワクするようなことでも、それにかかる事を具体的に数字にすると冷静になり、一旦思考を切り替えやすくなるので、ロマンスに突っ走る前に先ずは数字で考えて書き出してみることをおすすめする。
そしてできるなら、彼との生活にかかる様々な費用を具体的な数字を出して彼と話し合うことで結婚に向かうのか別れるのか結論が得られるのではないだろうか。
そうキーワードは数字です。
お金だけでなくあらゆることにかかる日数も含めて…
人生は一度切りと思うなら人生を大切に生きてほしい。
自分も相手の人生のかけがえのない時間も無駄にしてしまわないように。
私は北カリフォルニアの山奥に住む日本人女性のアドバイスを聞いて良かったと今でも思っている。
恋愛感情だけでどうにかなるさ〜と安易に国際結婚すると後で絶対に苦労する。
結婚まで至らぬうちに彼の住む異国へ移住後、数ヶ月で婚約破棄となり帰国する女性だって少なくない。
受け入れ側の男性が、彼女が移住してきて一緒に生活を始めてみて、これから本当に支えていけるのか経済的に自信がなくなり、やはりダメだからゴメンナサイ帰国して…っていうことも実際にあるのだ。
外国人と婚約、結婚となると日本で役所に紙切れ一枚提出すればそれで手続き終了という簡単なことでもなく、長い期間をかけ申請するだけでもけっこうな額がかかるしストレスも。
だからこそそこまでやったのに婚約解消、離婚となれば身も心もボロボロになる。
国際ロマンスに憧れて国際結婚に突っ走しろうとしているなら、今ある幸せを壊さないように、未来の幸せを無駄にしないように具体的なシミュレーションをして慎重に考えて決断してみてはどうか。
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