製麺機をハンドキャリー!?
秋平を日々営業していくと、様々な困難にぶち当たる。その一つが、サプライヤー問題である。日本では時間通りの配達は当たり前。ましてや“来ない”なんてことは絶対に起こらない。しかしインドでは起こるのだ。絶対に起こるのだ。
秋平を始めた当初、僕らを特に困らせたのはチキン屋。英語がイマイチな奴らの口癖は「Sending!!」。直訳すると「送っている!」なので、意味を予測するに「もうチキン持って出発してるから」という意味なんだと思う。しかし、1時間待てど2時間待てど来ないのだ。秋平からチキン屋までは徒歩5分の距離。Sendingの状況から5分以内に着かないワケがないのに着かないのだ。この怪奇現象をどのように納得すればいい。できないのだ。このチキン屋の「Sending攻撃」に心身ともにやられた拓は帰国した。
もちろん遅れてくるのはチキン屋だけではない。野菜や水はもちろん、ガスやその他修理屋も来ない。2〜3日前からオーダーしては毎日つつき続ける。こうすることによって、ようやく日々の営業をなんとかやりこなしていた。(やりこなせず「今日はパイタンが無いです」とかはよくやってた。すみません)
しかしヌードルに関してはどうしようもできなかった。出来るだけフレッシュな麺で営業したい僕らは“朝イチ”に持ってきてほしいと頼む。しかし、彼らの言い分は「朝早くから色んなレストランのヌードルを作ってから、あんたらのを作ってるから、どう頑張っても14時までにしか持ってこれない」というのだ。
インド人の特徴として「忙しい」とか「昨日寝てない」とかを平気で、さも“正当な理由”かのように発言してくる。これがまた腹が立つ(鬱憤は当時やっていたブログで晴らしたからここでは書かない)。
ということで、僕らは考えた。そうだ。
麺、自分たちで作っちゃわね?
ということで、考えたら動き出すまでが早いで有名なうちの社長。すぐに日本に帰り、製麺機を買って、ハンドキャリーしてきた。めちゃくちゃ重い。いつも僕らが日本に帰った時は、みりんやお酢やごま油を大量に持ってくるのだが、今回ばかりは何も持ってこれなかった。製麺機のみ。
早速麺づくりに取り掛かる。麺を作るにも水分量?グルテン含有量?とかをしっかり見ないといけないらしく、ただそこらへんに売ってる粉ではいけないみたいだ(よく知らん)。
社長がレシピを作り、実際に手でこねて、製麺機に通す。
試行錯誤の結果、水と粉の割合とか、何回製麺機で伸ばすかとかをある程度決めた。常連さんには何回か食べてもらって、フィードバックをもらった。いつものより結構モチモチしてて美味しかった印象がある。
しかし続かなかった。全然続かなかった。やっぱり、粉の調達の仕方からをスタッフに教える手間とか、製麺するスペースとか、継続的なクオリティの管理とかを考えると、どうしてもオーダーしてしまった方が楽だったので、最近まで全然自家製麺では提供していない。
努力して麺を作るより、14時にしか麺は来ないんだから、それに合わせてマネージするしかない!と、業者に寄り添う努力をすることにした。よって、秋平の自家製麺を召し上がったことのある方は超ラッキー。激レアの自家製麺期だったのだ。
現在、当時使っていたサプライヤーをそのまま使い続けているのはヌードルだけ。チキンも野菜も何もかも最低一回は変えている。あれ?他の業者に作らせてみたら朝イチで持ってくるんじゃね?って書きながら思った。時すでに遅し。
いや、何か理由があって他には頼んでいないだけだ。きっとそうだ。
See you next No Joke....
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