呟きもしなかった事たちへ_No.64(2024年9月号)

※コンセプトは創刊号をご確認ください。ぼーっとする文章が続きます。バックナンバーはこちら索引もあります。

本が多くなり過ぎたな、と思って一部の処分を決意したが、整理していくうちに好きな本が単行本と文庫本両方あったり、古本屋で見つけたらとりあえず買っておく本(すでに4冊ある)があったりするのも原因だと分かった。こういう「想い」も整理していく必要があるかもしれない。

今月も、呟きもしなかった事たちへ。


日用品

ゴミ袋の予備を買ってきて、倉庫にしまおうとして反省した。これは改めないとならない。

ゴミ袋を買うとき、キッチン用の水切りネットも一緒に買う。週に2回の燃えるゴミの日に合わせて週に2回水切りネットを交換するという、同時に消耗していくイメージがあるからだ。しかしよく買うゴミ袋は30枚入りで、水切りネットは40枚入りである。毎回同時に買っていると10枚ずつ在庫の差が広がっていく以上、ときに水切りネットを買わないという調整が必要なのだが、そもそもこの買い物が15週に一度(30枚÷週2枚の消費)と間隔が開くので調整を忘れる。

そうしてついに、倉庫から水切りネット40枚入りが余計に2袋発見された。80枚余計にあるわけだ。15週で10枚差が付くのでそれを8回で120週、つまりは2年強この調整をせずぼんやり買ってきた証拠である。あまりにも注意散漫。感染症が社会問題としてあまり注目されなくなって生活に気を張らなくなった頃からというのはなるほどという気もする。

何故自分の愚かさをここまで分析し記録するのか。それはここまで書けば忘れないからである。正しい反省文・始末書のありかたとして、己のミスの原因を分析し、晒す。

モデル人間

前段で書いた通り、何かのストックを買うときについでに別の何かをストックとして買う、ということをしてしまう。それぞれの在庫を管理する気がなく、ズボラなのだろう。

現在、化粧水と、髭剃り用のジェルと、洗顔フォームがだいたい同時に使い切れる生活をしていて、このズボラな性分と相性が良い。あるいは、この性分に合うように自然と消費量が調整された可能性がある。

こうした商品は、販売する側も1回毎の使用量と使用回数から容量を決定しているはずだ。そしておそらくこの使用回数は商品ごとにそう外れたものではないだろう(洗顔フォームは1ヶ月に1度、化粧水は2ヶ月に1度買い替えるような想定ではなく、どれも同じ期間での買い替えを想定しているのではないか。)。つまり僕は化粧水と髭剃り用のジェルと洗顔フォームという1日に1度使用するものに関して、いずれもその想定使用量通りないしその相似形で使用しているということになる。相似形というのは、どれも1回の想定使用量を30回使うと使い切れるものを、その6割の量で50回使っている可能性もあるのだけれど、いずれその場合でもどれも「6割」という量は揃っている、という意味だ。

僕の生活における美容消耗品の使い方は、かなり企業のモデル通り、ないしはその相似形だということだ。モデル人間である。俺がメートル法だ。

慣用句

特に家族や恋仲でもないがご飯を作ってくれる人がいる、という人の話を聞いた際に「でも愛は口からって言いますものね」と答えたら、きょとんとする人や「お、良いこと言うね」なんていうリアクションが飛んできた。

おかしいな、慣用表現だと思っていたのだけれど。

遡ること20年近く前、僕は当時の恋人によくご飯を作っていて、かつそのお礼の言葉に対しても謙遜していたのだけれど、このとき恋人が「でも愛は口からって言うしね。」と僕に言っていた。確か何か好きな漫画で使われてたという説明で、キスも口からだよねというフロイトみたいな補足も言っていた気がする。いずれ僕は何かそういう売れた表現があるんだなという程度に覚えたし、その後僕も人生で何度も「でも愛は口からと言いますしね」と言ってきた気がする。伝染し、よく慣れて用いる…まさしく慣用句としていたのだ。しかし全然そんなことは無かった。

思い返せばそういう話なのだが、伝わらなかった時僕は確かに「おかしいな」と思った。多分こういうの、結構あるのだろう。

夏の化粧水

暑い夏だった。これが読まれる9月頭も暑かろう。そして、暑い風呂上がりの化粧水の使い方が分かっていない。

化粧水は風呂上がりに付けろと言うが、風呂上がりは洗面台のある脱衣所もたいそう暑い(うちは衣類乾燥室を兼ねて除湿機を回している)。化粧水を付けた顔からも汗が吹くので顔がビシャビシャになる。タオルで拭いたら化粧水も拭ってしまうわけで、しかしビシャビシャのまま放置するのも何か違う気がする。

汗が引いてから付けるとなると、一旦クーラーの効いた部屋に戻ることになるが、しかしこういう風呂上がりの乾燥が一番大敵なので化粧水を付けねばならぬのではなかったか?

正解が分からない。生活の中の仕草って人と情報交換しないから答えがない。昨今のインターネットは知見のないものを調べるのにはむしろ向かない。そして今日も顔はビシャビシャになる。

革製品

タバコをやめライターを持ち歩かなくなって久しい。フリスクも齧らなくなった。

結果、レザーケースに触る機会が減っている。

革の手触りというものは好きなのでレザーケースが生活にあると嬉しいのだけれど、ライターとフリスクのケースが不要となってみると少し寂しい。財布、カード入れ、キーケース、会社IDカードは既に革にしてある。携帯電話はケースで大きくなるのが嫌だし、水筒派なのでタンブラーカバーも使わない。メガネ入れや筆箱は言うほど日常的に触らない。何かいいアイテムがあればいいのだが、なかなか「ちゃんと日常的に触るグッズ」というと難しい。ペン…は大浦るかこさんのグッズ使ってるんだよな…。

妙案求めております。

↑クリエイターと言われるのこっぱずかしいですが、サポートを頂けるのは一つの夢でもあります。