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スタンダードこそが最高という考え方

おそらく20年くらい使っていると思うのですが、BRIEFINGというブランドのトートバッグを使っています。仕事の時はデスクワークでも現場打合せでも、常にこのかばんを持って出かけます。これだけながく、しかもいろんな場面でもこれひとつで使いまわせる理由を考えてみました。

まずひとつは、図面は基本がA3サイズなので折り曲げずに入ること。現場図面ならA4ファイルにまとめてもいいですが、プレゼンする図面は個人的に折り曲げはあり得ません。次に、デスクでの打合せだけならいいかもしれないですが、工事中の現場でももちろん打合せはあるのでコンクリートや砂利の上に置くこともあります。それでも多少ハードに扱っても擦り切れや傷などに対して丈夫であること。そして竣工物件に持ち込んだりもするので、それらのシチュエーションでも違和感なくなじむこと。つまりあらゆる場面で自分のスタイルにしっくりきていること。持っていることで品位やセンスを損なうことがないこと。

それらの条件を満たすために手にしたわけではないのですが、おそらく他のモノたちはどこかでこのかばんにかなわなかったのでしょう。結果的に”現時点では”このかばんに落ち着いています。先日、取引業者の方に「野路さんのかばんが格好良くて、僕もそのかばんにしちゃいました。」と話をされました。その方は以前、私のかばんよりもいいものを使っていたのを知っていたので、それだけになにかうれしかったです。おそらくもう少しこのかばんにお世話になると思います。このモノ自体が万人にいいものであるとは限りませんが、私にはとてもいい相棒です。このかばんが今の私のスタンダードということでしょうか。

建築も同じことが言えるように思ったのです。いろんなテイストをいろんな手法で表現する建築がある一方で、ひとつの路線を常に進化させながら進んでいく建築もあります。私は自分の中で常にベストバランスだと思うものを進化させていきたいと考えています。そう考えるとずっとスタンダードだということは、最高にいいモノだということかもしれません。

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