棗いつき 10thアルバム ENIGMA 特典小説読了感想

先行で出ていた愛のテロメアの小説の時点で、
いったいどんな作品が出来るんだろうなと思っていたが、
某氏の「やっぱ棗いつきなんだよな」を、
これでこそと感じているnoits noleです。

面白くて一気読みしてそのままのため、
一部話が前後していたり、話の出たシーンを間違っていたり、
解釈を間違えているところはあると思う。

でもこの作品の感想を早く書きたくて書きたくて、
仕方なかったのでお目瞑り（おっと）してもらえると助かる。
ではいってみよー！

1章　見つめるもの【虚構性プロローグ】

見つめるものってのは深淵とかかな（）
曲の一曲目タイトル虚構性プロローグにあるように、
虚構とはという設定、世界観を分かりやすく説明してくれているの
凄く助かる。こういう世界大好き。DAISUKE

重い話にはならず、怪異（エニグマ）が日常にもまあ溶け込んでる
（一般人の認識はないけども）
魔術、魔術師、魔法使いと出たのもここだったかな。
ジャブ的な内容。

さてヒロインどの子だー思ったけど、割とすぐに
「あ、この子だ」ってなったね。千桜ちゃん。変換で出てこねえよ！
脈絡と受け継がれる魔術という世界において良い名前だなと。
千という数字は歴史感も出るし、桜は約束するときに桜の木の下のイメージあるからすごくマッチしている。センス◎

2章　帰るべき場所【始まりはDestiny】

主人公が母親のエゴに付きまとわれた
そして自身の95%を失い、魔術師ではあった弟をも犠牲にし。
これが壊れた人間の末路か。憐れ。

さてこの章で登場する猫？人化もできるチャコの回である。
きっかけはあったのだが、一人で住んでる千桜のハウスキーパーとなる。
めでたしめでたし。ここまではね←

このチャコ実はとある悪意によって派遣されたも同然である。
健気であるチャコのあのシーンを知った後に、
はて今2章を見返したらとは思う。

帰るべき場所というのはそのチャコが猫であったときに、
お世話になった寺、そして住職、村の皆と話したい。
話せばわかり合える。例え分かり合えなくても言葉を交わしたいと。
でも現実は残酷で、その時代は既に300年も前だったのである。

帰るべき場所…
今見返すと最後にも繋がるし…重い言葉だな。

番外　愛のテロメア

本編のひと月まえだか、半月まえだかに先に発表された話。
曲順が3番目だし、位置的にはここだね。
瞑と或深のお話。高校時代に仲良くバンドをして、
かたやそのままある意味凡人の生活を、
かたや見染められスターの道を進んでゆく。

作曲家としては優秀でも、いろいろと手をつけては、
それこそ器用貧乏な瞑は、悩んでいたふとある日
占いの部屋に迷い込む。そこで佇むあやしい人形。
告発して瞑になりたいと。因果が結ばれるのであった。
おいキュゥべえてめえ何しやがった

高校の時に作ったような懐かしい歌を歌った或深
瞑は覚えていてくれたのかと嬉しくなり、おそるおそるコンタクト。
高校時代に戻ったように話す二人だが、
その曲の話をするも、作曲は別の人で意識してはいない、覚えていないと
カミングアウトされる。
瞑ちゃんスイッチ入って、或深ちゃん刺しちゃった☆

そしたら本当にいなくなちゃった…（ちいかわ感
そして思ったのが、
「こんなつもりじゃなかった」
「ただ隣にいたかった」

つれえなあ。

3章　人を呪わば【うずまき】

テロメアの話の続編を狛騎、千桜目線で進行
逸の妹がいきなり現れ、主人公組と亡くなった瞑と或深の痕を辿る。
事前に病とかの東京活躍編みたいな話も出すのも面白いかもですね
オムニバスというか群像劇というか。

某サイドからしたら、或深という世間的に影響力のある人物を消す
→あまりに不審点が多い→怪異調査させてどこまで釣れるかの確認
とかなのかな？そこまでの舞台装置ではないはず？

そしてキュゥべえと出逢うも取り逃がし、
自然発生するはずの怪異を生み出す創造主の存在は明るみに出る。

南の島へのご案内ということで、ここで最終決戦か？
次はChaotic birthだしな。最後幸せの魔法だし。

4章　うずまく悪意【Chaotic Birth】

あれ？タイトルずれてる？

世目見せと嫁見せ
メノウ島と女納島…
センスあるなぁ。んがー。

そして何もしてないのに、被害者となる
大泉洋的扱いの宗太朗。

南の島のバカンス（）とは当然ならず、
違和感から怪異の存在には気付き、対応できるが。
本目的はそっちではなかった。私もミスリードにあった…

祭りのある3日間まるまる島に軟禁させて、
主目的は京都襲撃。
空泉市の被害死者5万、負傷者12万、全体の1/3の被害である
そして残るページ141/173まで終わり、
32ページ分の5章を残すのみ。
ドウフロシキ、トジルンデスカ。

5章　最高のハッピーエンド【幸せの魔法】

In the midst of chaosの間違いじゃなくて？
ここから入れる保険あるんですか？
ハッピーエンドになる未来が見えねえよ！

逸さんの遺体を見つけ、安らかに眠らせ束の間、
ラスボスの側近と思われる阿形。
これ登場人物見なくても阿吽の吽いますね。
側近というより片腕ですね。
収束させる気なさそうなんだけど…

なんと阿形が呼び出したのは、
あのペットのように、家族のようになったチャコ
狛騎と千桜を襲撃。
…千桜がチャコを虚構化させるが…辛すぎるだろ…
体力がなくなり休んでいるところに、
創造主と吽形が。絶望ぇ。

千桜は横になっている中、狛騎は両腕落とされ満身創痍。
千桜は復帰する中、過去に封じた怪異を手放し降伏。
見逃されて二人残る。が。
狛騎の弟の産んだ怪異？のようで、
自分を虚構化すれば、この地獄も収まると千桜に封印してもらう。

お互いが好きだったのに、
タイトルが最高のハッピーエンド、
合わせた曲が幸せの魔法なのにこんな終わり方ないよ…

人の心無いんか棗いつき

どうか幸せになってくれ
僕は君に出会えて幸せだった

事態は収束するけどさ。何が幸せなんだよ。
狛騎の気持ちは分かるよ。
でもよ…残される者の気持ちを考えてくれよ…
辛すぎるって…

まあこのオチは曲と物語の残り量的に想定内だけどさ…

あとがき

いつきさん、最高の作品をありがとう。
曲と小説が繋がって、より鮮明に聞こえ/見え　ます。
この作品に出会えたことで、一層感情が奮い立ちます。

しかしハッピーエンドじゃなくてメリバだったなー
君たちの生きた証を私は忘れない。
どうか幸せに生きてくれ。

千桜は魔法なんて使えなければ良かった。と、
言ったこともあったはずだから、
普通の女の子になれて普通？の人生を歩めたのは
幸せだったのかな。

でも私にはバッドエンドだよ。
幸せになってほしかった。二人に。

ーーーこれからも考察は続けます。
皆さんの考察もお待ちしています。

2024/11/03 noits nole