アニキ風と右肩
小さいころに右肩を骨折したことがあって、思えば若いときから左より右の肩が不器用だ(可動範囲が狭か)った。利き腕の肩なのであのときケガしてなければなぁと思わないこともない(笑)
あれは5歳のときだったと、自分ではそう記憶しているのだけど
暑い夏の昼下がり、あるアパートの前を自転車で通りかかった。(5歳児で自転車を乗りこなし、イケてる子どもを自認していた 笑)
そのアパートは外階段のコテコテの昭和のアパートで、その階段の上、二階の通路に三輪車の幼児がいて下りられず困っていた。
自転車に乗れるイケてるアニキとしては、小さい子が困っているのを見過ごしにはできない。いいかっこしたいアニキ根性まる出しで階段を上り「下りたいのか?下ろしてやろう」と言ったはいいけれど、当時の三輪車は全面鉄製でとても5歳児に持ち上げられる代物じゃなかった。
持って下りられないとなったが、引っ込みのつかないアニキは、どういうわけか、三輪車を「走らせて」下ろそうと考えた。あの、三輪車を後ろから押すときのような、片足を後ろのステップに載せハンドルを持つ姿勢で。(もちろん、その幼児は乗せずに)
なぜか怖くなかったなぁ。階段の上端から前輪を落として「走り」出した、と言いたいところだけれど、もうそこから記憶がない(笑)
そこからの記憶は断片的で、その話の記憶上の結末は家に戻って右肩がギブスで固められて寝ている自分でした。
当時のギブスは「石膏」を塗り重ねて固めたものだったから大きくて重くてとても苦労した。したかった「いいかっこ」に比べてぜんぜん帳尻あってなかった(笑)。
いやぁよく死ななかったなあ(笑)
たしか、右肩骨折以外にとくに出血するようなケガはなかったように思う。
もうその話を記憶しているだろう母親も他界して、きっと正確なことはわかりようもない。
いまの自分とはあまりにもかけ離れた、他人の話のようです(笑)
やったことは、あまりにも浅慮で向こう見ず、生きていたから笑い話な、親としては顔面蒼白な話なんだけれど、大人の自分がその場にいたら、どうするかなぁ。
大人の自分が「アニキ」がケガをしないように構えて、やりたいようにやらせてみたいって誘惑に勝てるかなぁ。
そんなことしたら、無傷で帰ってもおふくろに叱られるだろうなぁ(笑)