他山の石、にできるかどうか

先月、「青くさくなきゃやってられないさ」である曲の詩をとりあげました。

件の曲の作者で歌手のさユりさんが、この日記の2日後に亡くなったことを先日知りました。とりあげた曲は未知の未来を迎えるわくわく感を鮮やかに描いて、思い出させてくれるものでした。28歳だったそうです。ご冥福をお祈りします。

今日は以下の報道を記しておきます。

この記事にも書かれていますが、パキスタンは2億4千万人、日本の2倍の人口を抱える大国です。ほとんどの方が誤ったイメージを持っているのではないかと思います。
彼の国の動向は世界の中で相応に大きな意味を持っています。
この記事では、まず「通信容量の不足が、経済活動・成長の支障になっていること」に触れています。「さる業界団体」は430億円相当の影響と試算しているとのことですが、この団体が全体のどの程度の割合を占めるかわかりませんけれども、これだけでも2023年の当地の「IT業界の年間総売上高」(「北海道ITレポート2023 北海道IT推進協会)の8%ほどにもなります。パキスタンといえば「いわゆるインプレゾンビ」を想起する方も多いと思いますが、おそらく業界団体はこの数字は統計に加えていないでしょうし、経済への影響は相当に大きいものと思われます。

記事では、政府が「検閲」を強化した結果「ボトルネック」になっているのでは?ということにも触れています。私たちの業界の、ちょっと専門的なことで言えば「アプリケーション層の通信の中身をすべて監視して、一定の条件で遮断する」ということが行われている、ということですが、世界でこれで有名なのは中国の「グレートファイアウォール」です。
グレートファイアウォールは、その動機・理念の是非はともかく、とてつもない設備で、たいへんな性能を持っていると言えます。パキスタンにしても2億4千万人の通信需要を一手に引き受けて中身を解析し制御する、となればそもそも相当の経済規模がなければそんな設備は持てないのではないかと想像します。そういう意味で、動機が先行してしまって品質・性能が追いついていない可能性はありそうです。

「動機・理念の是非はともかく」と申しましたが。
「それでも」、それを自国の、民主的な意思で決められるならまだマシなのかもしれません。いまのわが国の経済の、基盤をなしている「IT資産」が「誰の意思で運営されているものか」、例えば「有事」などの極端な状況になったときに「自分たちの利害で運営方針を決められるものなのか」、振り返ってよく考えてみた方が良い。
それで良いのか。どうすべきなのか。

先日「能動的サイバー防御」の法整備が進んでいる件に触れました。

ものごとの選択というのは、たいてい「よりマシである」ですし、拙速であっても優先度の高いことから「やらないよりやる方が良い」ということなのかもしれません。
「IT・ICT産業の”植民地”」みたいなことを思うと、まぁ、ひとつひとつやっていかないとなぁと思うのです。

いいなと思ったら応援しよう!