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ありふれた人生


社会に出ると
自分がいかに小さな人間かを
思い知らされることが多い

どこかひとつくらいは
自分は特別だと思えるものがあった気がした
昔とは違うんだって 少しずつ 自尊心が消えてゆく

日々をやり過ごすのに必死になって
休日になると何もできなくなる
仕事、向いてないのかなぁ なんて思ってみても
今さら向いてる仕事なんて 知るあてもない
辞める勇気もないから 辞めない努力をとりあえず続ける


いつか辞める日のために
お金少しは貯めておこうかな なんて
全然できなかった貯金をはじめた
悪いことばかりじゃないなと 自分に苦笑いする

毛嫌いしていた料理も 簡単なものばかりだけど
時々は作るようになってきた
外食の美味しさには劣るけれど
自分の手から生まれる等身大の幸福は
安くて手軽で きっと簡単にはなくならない
そんな安心感があって悪くない


美人でもなくスタイルも良くない
仕事も家事も運動も
どちらかと言えば全部苦手で
なにひとつ誇れるものがない人間は

それでも今日も働いて
とりあえず明日に命を繋げていく


ただ
可愛いと褒め 美味しいと食べ 偉いねと励ます
そんな特別がひとつ あるだけで
明日からも生きていこうと そう思える

ありきたりな私のありふれた人生
特別必要なのはあなたくらい
                                                                                                              

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